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ブルートレインで行く東京博物館散歩「日本科学未来館」編

2008-11-20 | 博物館・美術館に行く
先週末から、有給休暇を取って寝台特急「はやぶさ」に乗ってきました。


11月の冷たい雨のそぼ降るJR熊本駅で発車を待つ東京行きブルートレイン「はやぶさ」。

既に、来年3月のダイヤ改正での廃止が既成事実となってしまっている為、週末の熊本駅には明らかに「はやぶさ」の名残乗車組と思われる乗客が午後4時の発車を待っている。
かくいう僕も「はやぶさには今しか乗れない、それなら今、乗れるだけ乗りまくるのみ!」という訳でこの余命幾許もない寝台特急のチケットを買ったのだ。
東京には何の用事もないけれど、今からこの列車で東京に行く。
熊本発の上り「はやぶさ」の終着駅は東京駅だから、理由はそれだけだ。

とは云え、明日の朝10時に東京駅に到着してから、午後6時の帰りの下り熊本行き「はやぶさ」に乗ってとんぼ返りするにしても待ち時間が8時間ばかりある。
その間、何をして時間を潰すか…
「せっかく東京に滞在するんだから、やっぱり何か面白いことをしたいな…そうだ!たしか臨海副都心に凄いプラネタリウムがある面白そうな博物館があった筈。日本科学未来館だったかな、そこに行こう!」
という訳で、後付で東京での行動予定も決まり、目的不明行先不詳列車の感もあった今回の「はやぶさ」の旅にも意義が出来た。
門司駅での「富士」号連結作業と機関車交換での30分大休止中に改札を出て、駅ビルのコンビニでサラダとビールの夕食を買い込み明日に備えて景気を付ける。
程好い揺れと旅の開放感からかビールがよく血管に回り、車窓に広島駅のプラットホームと帰宅客を眺めたのを微かに憶えているが、気が付くと列車は早朝の浜名湖畔を走行していた。


夕方の帰りの列車となるまで暫し品川の車庫で休息すべく、東京駅の10番乗り場から引き揚げていく「はやぶさ・富士」を見送る。

「ところで、臨海副都心ってどうやって行くんだっけ?『ゆりかもめ』に乗るんだったかな?それなら新橋駅だな。」

「ゆりかもめ」には初めて乗ったが、神戸のポートライナーとよく似た印象。途中でレインボーブリッジを渡ったりしてなかなか面白い。
臨海副都心にも初めて来たが、ポートアイランドによく似た所。
テレコムセンター駅で降りて、シムシティーで作ったようなひどく人為的な街路を歩いて行くと、こんなものを見つけた。

宇宙飛行士の毛利衛さんの「地球まほろば」の石碑。
上に乗っているのはスペースシャトルのオービター?可愛らしい。
ちなみに毛利さんは日本科学未来館の館長だそうです。

「地球まほろば」の石碑の奥が、目指す「日本科学未来館」。

シンボルの巨大LED地球儀「ジオ・コスモス」が見える。

入館して、先ずはチケットを買ってプラネタリウムを予約。
お目当てのスーパープラネタリウム「メガスター2 コスモス」が常設されている「ドームシアターガイア」は残念ながら新システム導入作業中で閉鎖されていたが、代わりに「ジオ・コスモス」の下に設えられたエアドームで移動式の「メガスター2 タイタン」を観ることが出来るとのこと。

予約した上映時間まで、館内の展示を見て回ったが、かなり充実している。
様々に姿を変える「ジオ・コスモス」を見ているだけでも楽しいし(火星や木星になったりすることもできるのだ)、各フロアの展示もとにかく「見せる工夫」を凝らしていて、美術品のように美しかったり現代アート作品のようにお洒落だったり。
特にインターネットの概念を「絡み合ったチューブの中を転がる2色のボール」で表現した装置は圧巻。
宇宙探査に関する展示も、しっかり「小惑星イトカワにタッチダウンする探査機はやぶさ」がいて満足。何気にその隣には「ペネトレータを月に振り下ろさんとするLUNAR-A」もいたりするんだこれが。
「はやぶさのサンプルケースの試作品」なんていう“お宝”も展示されてます、これは凄い!

予約時間になったのでエアドームに入り、念願のメガスター2を観る。
「おお、星が細かいっ!」
これが第一印象。
本当に「まるで砂粒を撒いたよう」な、とにかく「丁寧な星空」でした。
それにしても、エアドームに移動式の「代役」でさえこれだけの表現力を持つメガスター2、常設機が専用シアターに映し出す星空は一体どんなものなんだろう!?
来月には「ドームシアターガイア」での上映も再開されるので、これは是非ともまた来なくては!
それに、話に聞くとメガスター2の星空は「双眼鏡で覗くと星雲や星団も完璧に再現されている」そうじゃないか。この次は、双眼鏡持参で寝台特急「はやぶさ」に乗るぞ!

メガスター2の次に、今度は「VRシアター」で国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト「4D2U spacewalk」を観る。
3Dメガネを使用することで宇宙の大規模構造を立体的に体感できるもので、その映像表現の美しさにまた感動。
さらに嬉しいことに、上映後にはコントローラ操作体験サービスもある。もちろん、僕も体験させてもらいました。
オペレーターさんに「どんな星が見たいですか?」と聞かれて、
「あの~、太陽の周りをぐるっと一回りして、また地球に戻ってくるような…要するに、探査機はやぶさの軌道を飛んでみたいんですが」
「えーっと、それはちょっと難しいですね…でも、はやぶさ以外の探査機ならいくつか軌道データが入ってるのでシミュレーションできますよ」
ということで、ボイジャー2号の旅を再現してみることにしました。
プレステ2のコントローラで自分でボイジャー2号を動かせるので、とにかく面白い!コントローラをグリグリ回すと、ボイジャーの船上から自在に宇宙を眺め回すことも出来る。画面上に表示されたボイジャーの船体も、ハイゲインアンテナがしっかり地球の方角を向いていたりしてとにかく凝っている。
「ああ、やっぱり天王星や海王星は遠いですねぇ!ボイジャーの旅路が実感できますよ、本当に感動的です!これ、自分の家でもやりたいなぁ」
「ええ、これは国立天文台がインターネットで公開してるんで自宅でもできますよ。Mitakaというんですが」
Mitaka!名前は聞いたことがあるが、これがMitakaなのか~
「帰ったらMitakaをダウンロードしてみますよ、今日はありがとうございました。それから…今度Mitakaをバージョンアップする時ははやぶさの軌道データも入れてくれると嬉しいな」
「ええ、国立天文台のスタッフに会ったときに言っておきますよ(笑)」

かくして、大満足して日本科学未来館を後にしたのでした。

また「ゆりかもめ」に乗って新橋へ。

品川駅に寄り道して夕飯に立ち食いの「お好みそば」を食べて、寝台特急「はやぶさ」の待つ東京駅へ。



さて、今回日本科学未来館のミュージアムショップでお土産に買ったのはこれ。

探査機はやぶさが小惑星イトカワに到着する前の2005年2月に発行された日本科学未来館機関誌「MeSci Magazine(ミーサイマガジン)」のバックナンバー。
「ルーツを探る」と題して太陽系惑星探査の特集が組まれており、イトカワ目指し突き進んでいた頃のはやぶさのやる気満々な状況が見えてくる一冊。
殺風景な自室にささやかな潤いになるかと衝動買いした「丸サボちゃん栽培缶」と、それからカウントダウンCD。
60分間にわたってただひたすらロケット打ち上げ管制官の秒読みの声が吹き込まれたこのCD、これは「あることを期待して」来週のJAXA内之浦宇宙空間観測所の特別公開に持って行くことにします。


3 コメント

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おみやげに興味津津 (bbsawa)
2008-11-21 20:44:41
こんばんは、未来館レポートありがとうございます。
Mitakaは、パソコンの能力的に苦しいので入れてないのですが、次期パソコンは、ネットブックにせずに機能重視の方がいいか。
ところで、京都は紅葉がかなり進みました。チャンドラヤーンを休んで、「紅葉を見に行こうよう」をアップしました。
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いいなぁ♪ (天文学者の卵)
2008-11-22 00:35:16
お久しぶりです.電車で東京ですか!大人は行動範囲が広くてうらやましいです★私はせいぜい冒険感覚で適当に選んだバスの終点まで行くくらいしか…(汗)(帰れなくなるところだったし)未来館もうらやましいです~!!来年東京いったら未来館と三鷹天文台と東大の木曽観測所(だっけ?)みたいですね♪♪
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コメントありがとうございます♪ (天燈茶房亭主mitsuto1976)
2008-11-22 14:01:56
bbsawaさん、京都の紅葉レポート拝見しました。古都の風情ある紅葉、PCモニタで堪能しました。
ミュージアムショップのおみやげは元・科学少年のツボを押さえたものばかりなので楽しいです。

タマゴさん、大人になれば楽しいことが沢山あるよ~w
まあその分、たいへんなことも沢山あるんだけどね。
適当に乗ったバスの終点まで行く小旅行、楽しそうだね!僕も今度やってみよう。でも、この辺のバスは五木とか五家荘とかの凄い山奥まで行ってたりするからホントに気を付けないとね。
三鷹の国立天文台はイナガキタルホの掌編を彷彿とさせるようなレトロな建物が魅力的。僕も今度行きたいと思ってます。
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