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2009-2010 冬の旅 1、出発・九州から山陰へ

2010-01-10 | 鉄道
東京駅から西へと向かう唯一の夜行寝台列車「サンライズ・エクスプレス」。
岡山で2つの編成に分かれ、1つは四国へ、もう1つは山陰へと向かう。
写真は米子駅に到着した「サンライズ出雲」。


この冬も旅に出ました。夜行列車に、寝台車に乗りたくなったのです。
行先は、日本の北の方。
残り少なくなった国内の夜行寝台列車を乗り継ぐと、必然的に行き着くのは北海道。
今や、日本の殆どの夜行列車が北国を、北海道を目指して走るのです。

2009年の暮れから2010年へ、夜汽車で辿った旅の記録です。

第0日目 2009(平成21)年12月26日

今年は12月26日が勤め先の仕事納め。
定時退社して帰宅、大急ぎで身支度を整え、自宅最寄り駅から普通列車で熊本駅へ。

熊本駅から19:10発、特急「有明30」号で博多駅へと向かう。
この列車は、熊本から関西方面行き山陽新幹線「のぞみ」へと接続する最終列車。
九州から本州へと直通する寝台特急、ブルートレインが消滅した現在となっては、その日最後の本州関西圏まで到達可能なダイヤを走る貴重な列車となった。

博多駅に20:37到着。
ここで本日最終の新大阪行き「のぞみ600」号に乗り換えればそのまま日付が変わる前には大阪に着けるのだが、今夜は敢えて各駅停車の「こだま」に乗り継ぐ。

博多駅20:45発、山陽新幹線「こだま780」号、岡山行き。
「こだま780」号に使用されている100系はかつて「2階建て新幹線ひかり」として一世を風靡したのも今は昔、既にシンボルの2階建て車輌の食堂車やグリーン車も連結されず、やや草臥れた感があるが、車内は廃車されたグリーン車の座席を転用したゆったりシート。
座り心地の良さに仕事の疲れが手伝ってすっかり気持ちよく寝入ってしまい、気が付くと終着の岡山駅に到着するところだった。
23:32、岡山着。
今夜はここで一旦列車を降り、駅近くの格安ホテルに投宿。

第1日目 2009(平成21)年12月27日

早朝6時にホテルをチェックアウト。
まだ真っ暗な街を歩いて、再び岡山駅へ。

岡山駅06:33発、寝台特急「サンライズ出雲」号出雲市行き。
現在、東京駅を発着し西日本を結ぶ唯一の夜行寝台列車として運転されているのがこの「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」。
「サンライズエクスプレス」と呼ばれる新製の寝台電車を使用し、ここ岡山駅で分割と併合を行い山陰の出雲市と四国の高松へとそれぞれ運行される。
これから乗車するのは下り東京発出雲市行きの「サンライズ出雲」で、東京駅から一緒につながって走ってきた「サンライズ瀬戸」の編成から切り離され、相方が瀬戸大橋線に向かい発車した後で山陽本線と伯備線の分岐する倉敷駅方面に向かい発車して行く。


「サンライズエクスプレス」は個室主体の豪華な寝台列車だが、実は1編成に1輌だけ座席車扱いの車輌が連結される。
それが「ノビノビ座席」と呼ばれるもので(写真)、座席と称しているものの見ての通りの完全にフラットな区画。
カーペットが敷かれただけの、シングルベッドと同じ程度の面積しか無い床面に文字通りの雑魚寝となるが、それでもゆったりと横になっていける上に寝台料金は不要という“乗り得車輌”として旅慣れた旅行者の間ではなかなか人気が高い。
僕も今回、「寝台車に乗りたくて旅に出た」のだからと、寝台特急「サンライズ出雲」への乗車にこだわってみた、という訳。

夜が明けてからの区間乗車なので尚更、高額な寝台料金が免除される「ノビノビ座席」の存在は有難い。
僕にあてがわれた区画は岡山まで“先客”が乗っていたらしく、用意された毛布には使用された形跡が有ったが、幸い先客はマナーの良い方だったようで毛布は綺麗にたたまれて片付けられていたので不快感はない。
また、車内検札後に車掌さんから新しい毛布を改めて支給してもらえたので嬉しい。


山陽と山陰を結ぶいわゆる陰陽連絡線の大動脈である伯備線を、「サンライズ出雲」は走って行く。
中国山地に分け入ると、車窓には雪も見えてきた。
真新しい毛布にくるまって寝転がって車窓の雪景色を見ていると、昨夜しっかり寝た筈なのにそれでも心地よく眠くなってくる。
寝台車の朝寝は、これがまた格別なのだ。

09:03、米子に到着。
ここで「サンライズ出雲」を降りる。
僅か2時間半の、朝の夜行列車乗車だった。




米子駅構内、0番乗り場に停車していたJR境線の名物「鬼太郎列車」


境線の終着駅、境港出身の漫画家水木しげるさんの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」にちなんで、鬼太郎と仲間の妖怪たちの姿が描かれた列車は観光客や鬼太郎ファンに大好評だとか。

ここまでの鉄旅データ
走行区間:熊本駅→米子駅(鹿児島本線・山陽新幹線・伯備線経由)
走行距離:719.5キロ(JR営業キロで算出)


2009-2010 冬の旅 2、振り子特急とタラコ気動車と足湯と鉄子の部屋に続きます


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