長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

266.青木画廊 開廊55周年記念『眼展 Pirt1』始まりました。 

2016-11-07 19:27:20 | 個展・グループ展

5日土曜日。東京銀座、青木画廊の開廊55周年記念のグループ展『眼展 Pirt1』のオープニング・パーティーに出席してきた。

青木画廊は1961年に銀座三丁目の同場所に開廊、以来、国内外のシュールレアリズム、幻想美術のアーティストの企画展を開催し続けて今年で55年周年を迎える。つまり、昭和39年の東京五輪の3年前にオープンしたということだ。この55年間、日本のアート界も目まぐるしく変わっていったと思うのだが、その間、脇目も振れずに『シュールと幻想』一筋に同じ場所で歩んできたというのは、我が国の画廊界広しと言えどもこの画廊1軒だけである。僕はひそかにそのうち「世界遺産」に登録されるのではないかと妄想している。すると初代会長は自動的に「無形文化財」ということになる。

冗談はさておき、僕がこの画廊に通い始めたのは1980年代初め頃だったが、すでにこの時代には美術界の異色の画廊として知られ、季刊「みずゑ」という有名な美術雑誌の裏表紙には毎回、幻想作家を紹介する企画展の案内が個性的な作品写真と共に掲載されていた。そして美術評論家の瀧口修造氏や幻想文学者の澁澤龍彦氏がその展覧会評を書いていたことでもよく知られていた。企画をした海外の取扱い作家も想い出すままに挙げると…エルンスト・フックス、エーリッヒ・ブラウアー、ヘルマン・セリエント、カール・コーラップ、ホルスト・ヤンセン、シュレーダー・ゾンネン・シュターン、ハンス・ベルメールとまだまだきりがなく名前が浮かんでくる。ヨーロッパ幻想作家のオンパレードと言っても過言ではない。当時20代の美術学校生だった僕には、その世界がキラキラと輝いて写っていたし憧れの的であった。けっこう足繁く通ったものである。

その憧れの画廊で作品を発表できるなんて想像もしていなかったのだが、1999年に現オーナーである青木径氏から画廊でお声をかけてもらって発表をする機会をいただき、以後、絵画やドローイング作品の個展、グループ展に出品させていただいて今日に至っている。つい、この間のことのようだが僕自身もすでに17年間お世話になっているのだ。

この日、画廊に午後遅くに会場に到着すると、もうすでに数人の出品作家と愛好家の方々がお見えになっていて作品を前に熱の入った会話をされていた。前回のブログでもご紹介したが今回、出品作の中、1点は画廊からの「キャバレー」という共通テーマで作品を制作している。2階のフロアがこの展示会場で12人の男性作家が思い思いの「妄想キャバレー」を描いている。それから、フロアの正面には、この画廊でデビューし、今では著名な球体間接人形のアーティストである四谷シモン氏の「機械仕掛けの少女2」という人形作品が賛助出品されている。階段で移動して3階会場には各作家が自身のテーマにより制作した新作が1-2点づつ展示されていて、二部構成となっている。

会場を一巡し、しばらくしてお茶などを飲みながら今回、青木画廊初出品の作家K氏などと歓談していると、あっという間に夕刻のオープニング・パーティーの時間となる。画廊の方の会場の設営を手伝っていると、時間に合わせてゾロゾロと遅れてきた作家や愛好家の方々が到着、2階のフロアはあれよあれよという間に満員御礼となってしまった。お酒が注がれて乾杯した後、オーナーによる展覧会やテーマの説明があり、続いて各作家の自己紹介と出品作品の解説となる。このテーマ、ピタッと合う作家と、なかなか苦労した作家のどちらかにはっきりと分かれたようだ。それから、径氏ご指名によりシモン氏のマネージャーであり画廊の常連でもあるS氏が映画「キャバレー」からライザミネリの歌を素晴らしい声で披露してくださった。そのあとは、いつものことだがワイワイガヤガヤと賑やかな飲み会。仕上げはこれもいつものことだが全員並んでの集合記念撮影で終わった。

閉廊後、出品作家と有志の方々での二次会となったが、今回は特別な企画展であるということでオーナーからの「粋な計らい」となった。「キャバレーをテーマとしたのだから本物のキャバレーで二次会をしよう」ということになり、画廊の二件隣のキャバレー「白いばら」へと移動した。このキャバレーは創業66年目という銀座の老舗キャバレー(注:キャバクラではない)で格式が高い。普段われわれが軽はずみに入れるお店ではないのだ。店内に恐る恐る入ると事前に席が予約されていて、しかもステージの正面の特等席である。ぞろぞろと絵描き集団が座るや否や、華やかな衣装に身をまとった美しいホステスさんたちが贅沢にも一人につき一人隣席についた。「いらっしゃ~い」。

思い返せばキャバレーに入るなどというのは、前のバブルの頃、契約社員として勤めていたデザイン関係の会社で顧客の接待に同席させられて以来のことであるから25年ぶりぐらいということになる。美しい方々とのお話しも盛り上がり竜宮城にでも来ているような気分になった頃、ショータイムが始まった。歌あり、プロのダンサーのダンスあり、イントロクイズあり…トリはパリのムーランルージュを彷彿とさせるゴージャスな真っ赤な衣装でのカンカン踊り。迫力ものである。「ブラボーッ!!ブラボーッ!!」 楽しい時間はすぐに過ぎ去っていく。あっという間にお開きの時間となった。美しいホステスさん全員のお見送りを受けながら夢見心地で店を出て流れ解散。

画廊会場で『妄想キャバレー』の個性的な作品世界に浸り、会場を出て『リアル・キャバレー』で華やかな一時の夢に浸る。なかなか普段は経験できない盛りだくさんのグループ展オープニングであった。

展覧会は11月18日(金)、最終日17:00迄。アートファンの方々、この機会ぜひお見逃し無いように、よろしくお願いします。詳細は青木画廊HPアドレスをもう一度。http://www.aokigallery.jp 

 

画像はトップがオープニングパーティー会場での集合写真。下が向かって左から四谷シモン氏の人形作品「機械仕掛けの少女2」、会場で挨拶するオーナー青木径氏、会場に届けられていた不思議な花、今も変わらない青木画廊の看板、画廊界隈の夜景、キャバレー「白いばら」の入り口。

 

 

               

 

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1 コメント

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ありがとうございました。 (uccello)
2016-11-11 22:15:28
ブロガーのみなさん、いつもマイブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。いいね!をいただいた方々、感謝します。

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