中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
paraparaart.com ArtDirector

上村松園さんが謡曲『花筐(はながたみ)』を画題にして描いた作品

2017-04-04 | 美術を考える

わたしが世阿弥を気がかりに想うようになったのは、ふと手にした野上豊一郎さんの『精解・風姿花伝』『観阿弥・世阿弥』を読んでからのことですが・・・それまでは、上村松園さんが謡曲『花筐(はながたみ)』を画題にして描いた作品を通して『世阿弥』を知っていたに過ぎません。『狂気の女』が舞う姿の妖しいまでの美しさに心を奪われた人はわたしだけではないと想います。謡曲『花筐』が演じられているところを観た人も少なくないと思いますが・・・花を摘む二人、男に捨てられた女の悲哀、追いかける女、男の要望で舞う女・・・通俗的にいえば、元の鞘に収まる話ですが・・・理解しやすい場面が多く、よく演じられています。世阿弥の作かどうかは明確ではありませんが、世阿弥風であることに間違いありません。『狂気の視線』を描くことは難しいと、上村松園さんがどこかに書いています。わたしは、謡曲『花筐(はながたみ)』は、世阿弥らしい作品ですが、後世かなり書き直されている・・・と想っています。優れた作家の眼が、物語の背景や心持ちの陰影を見逃すはずはない・・・継体天皇と照日の前の姿に世阿弥の本意が垣間見えるのです。上村松園さんが描いた『狂気の視線』に同じものを・・・わたしは、見たのかもしれません。

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