みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

人間の脳と共感力

2016-10-11 10:47:10 | 


発行者:本田弘之(親鸞仏教センター所長)
『アンジャリ』は、サンスクリット語で「合掌」を意味する。小誌は「現代」の課題と「親鸞の教え」との関係を明らかにし、それを多くの人々と共有することを目的としています。

言葉以前の、対面によるコミュニケーション(共感)についての山際寿一氏(京都大学)の記事が目を引いたので、取り敢えず一部を引用しておく。



人間の赤ん坊の脳は・・生後1年間で2倍になり、12~16歳まで成長を続ける。これは、・・直立2足歩行(に伴い)・・骨盤の形が皿状に変わり、産道を大きく出来なかったことによる。・・急激な脳の成長を助けるため、人間の赤ん坊はゴリラの3~5倍の体脂肪率で生まれてくる。・・頭でっかちで体重の重い、しかも成長の遅い幼児をたくさん抱えることになった。とても母親ひとりでは子どもを育てることができない。そこで、・・家族をつくり、・・共同体を作り、分担して多数の子供を共同保育するようになったのである。

親子の間で交わされていた対面交渉がおとなの間に普及し、それが白目の発達に伴い距離を置いて行われるようななった。相手の内面の動きを読んで心をひとつにし、協力して難題に立ち向かうためである。人間の祖先が暮らした危険な環境がその能力を促進し、ついに人間は共感力の高い家族を中心にした共同体という社会を想像するに至った。

言葉は日常生活に不可欠なコミュニケーションだが、その登場はたかだか数万年前のことに過ぎない。人間の脳の大きさは60万年前に達成されている。つまり、言葉は脳を大きくした原因ではなく、言葉以前のおそらく対面による音楽的なコミュニケーションなのである。

この数千年の間に、言葉は文字に、文字は電子記号に変化し、時空を超えてあらゆる情報がインターネットを飛び交う世の中になった。・・それは共感に頼らずに、機械的で効率的な解決をめざすサルの社会へもどることにつながる。
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