みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

ユーロヴィジョン2017 ベラルーシ代表 Naviband

2017年05月15日 | ベラルーシ音楽全般
 2017年のユーロヴィジョン、会場はウクライナのキエフで、無事開催できるのかどうか心配の声もありましたが、大きな混乱なく行われましたね。
 混乱していたのは開催前で、ロシアの代表がウクライナから入国拒否される、つまり出場するなと言われる・・・という残念なことがありました。
 ここはベラルーシ音楽のブログなので、ロシアとウクライナの政治的などろどろは書きませんが、個人的にはロシアの車椅子の歌姫がユーロヴィジョンという大舞台に出られなかったのは残念・・・
 ウクライナ側は他の歌手をロシア代表に選び直せとか、ロシアで撮影した映像を生中継で放映しろとか提案したのですが、ロシアは拒否。ロシアの代表は出場せず、ロシア国内のテレビ中継もなし。今年からもうユーロヴィジョンに出ない、とまで言い出しているらしいです。
 悲しいですね。

 さて、ベラルーシ代表のことです。今年は初めてベラルーシ語で出場するということで、注目を集めました。代表は男女野デュオ「Naviband」です。楽曲タイトルももちろんベラルーシ語ですが、訳すと「私の人生の物語」というところですね。

 ベラルーシ語はマイナー言語なので、毎回英語訳の歌詞にした歌で参加していたのですが、ここへ来てついにベラルーシも、
「もっとベラルーシのPRをしないといけない。」
と気づいた様子。他の国と比べると独立してから時間が経っていない国(と書くと、それ以前は何もなかったのですか? と思う日本人がいるのであまりこういう表現はしたくないのだが。)なので、わざと、大きい声で「ベラルーシと言う国がヨーロッパにありますよ。」と声を大にして言わないといけないものですよ。
(ベラルーシで日本文化の紹介しているような仕事をしている人間からすると、これはよく感じます。日本でずっと住んでいる日本人は感じにくいことかもしれませんが。)
 
 おまけに今年は、ベラルーシ語の聖書が印刷されて、ちょうど500年という節目の年。
 ユーロヴィジョン2017でベラルーシ代表がベラルーシ語で歌うというのは大きい意義があることでした。

 Navibandの「私の人生の物語」のビデオはこちら
 ユーロヴィジョン2017公式サイトより。
 つまり公式プロモーション用ビデオということです。ステージでの撮影でもないし、PR用にしては地味に見えますが、私からすると、いかにもベラルーシのそのへんにありそうな森の中で、いかにもそのへんにいそうな外見のNavibandのお二人が、いかにもそのへんで売っていそうな服を着て歌っているのを見ると、いかにもベラルーシそのもの、という感じで大変よいです。

 しかもよく見ると、このビデオ、最初から最後までカットなしの一つのショットで撮影されているので、簡単そうに見えて、実は撮影するの難しかったのではないかと思います。もちろんカットが一つだけだから、細かい編集、つまり映像をたくさんつなげて得られる効果とかインパクトはないです。しかし、そのおかげで、視聴者はベラルーシの森の中で、ベラルーシ人アーティストといっしょに楽しく散策しているような気持ちになってくると言う、実はベラルーシPRとしては、秀作ビデオ映像ではないかと思います。

 ちなみに歌詞はこちら。ベラルーシ語オリジナルと英語訳が読めます。
 このユーロヴィジョンの公式サイト内の画像でも、Navibandの二人がベラルーシの民族衣装を着ているというのも、本当にマル。
 曲はもちろん、ベラルーシ民謡が下地になっているのが、二重マル。

 そしてユーロヴィジョン2017での結果ですが、ベラルーシは17位でした。全体からするとそんなにいい順位ではないですが、とにかくベラルーシ語で歌ったことに大きな意義があり、歴史に足跡を残したと思います。
 ユーロヴィジョンは日本では放映されませんが、YouTubeで見られますので、全体は長いですが、こちらをどうぞ
 ベラルーシの出場の順番は3番目で、19分40秒ごろに出てきます。

 出場直前の紹介映像も、ベラルーシらしさがあり、本当にマル。世界遺産ミール城も出てくるし、首都のミンスクも出てくるし、バランスがよいです。
 ステージでのパフォーマンスもベラルーシを前面に出した演出でしたね。
 船の形のお立ち台(笑)はプロペラないほうがよかったかもしれませんが、ベラルーシがかつて、河川貿易、つまり帆船による貿易で栄えていた時代を彷彿させ、マル。
 衣装は民族衣装ではなく、ステージ衣装でしたが、「白ロシア」をイメージさせ、マル。
 ステージ後方に浮かび上がる建築物の投影ですが、ベラルーシを代表する建物ばかり。でも、ぱっと見て、「ああ、これはあそこの教会ね。」などとすぐ分かる非ベラルーシ人のヨーロッパ人はほとんどいないと思います。
 それでも、とにかくベラルーシの建築を見せるんだ、とがんばってPRしているところがマル。(国立図書館が出てくるのはご愛嬌。)

 ベラルーシもこれぐらいやらなくちゃ! で、やってくれたので、私の中では丸印の多いベラルーシ代表でした。

 ちなみにネット上でロシア人リスナーからは、「ベラルーシ代表の歌、よかった。」という声が多かったそうですが、「でも、ベラルーシ語の歌詞はさっぱり分からんかった。」という声も。(笑)
 会場だったウクライナの人たちは、たぶん歌詞の意味、ほぼ全部分かってくれたと思います。
 (ベラルーシもウクライナもロシアも兄弟国だから、仲良くしてほしいなあ、と思います。)

 ベラルーシの歌手はロシア語でも歌えますから、ベラルーシで売れると、ロシア(モスクワ)へ行ってしまうパターンが多いです。
 日本で言うと、大阪のライブハウスで人気が出たバンドが、東京へ行ってメジャーデビューしようとするのと似た感覚です。ちがいは、大阪と東京の間に国境はないけど、ベラルーシとロシアの間には国境があるということです。

 しかし、Navibandは、これからもベラルーシで活躍してほしいなあと思います。

 これを機に来年のユーロヴィジョンでもベラルーシ語で歌うアーティストが代表に選ばれるかと言うと、そうならないように思えます。
 2017年にベラルーシ語の歌が選ばれたのは、やっぱり2017年だったからだと思います。
 そういう意味で、本当にベラルーシ人にとって大きな意義のあるユーロヴィジョン出場だったと言えるでしょう。 
 
 

 


 
 
ジャンル:
文化
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