水川青話 by Yuko Kato

時事ネタやエンタテインメントなどの話題を。タイトルは勝海舟の「氷川清話」のもじりです。

・ディスレクシアという状態

2009-10-14 18:33:51 | ニュースあれこれ
いま仕事しながらNHKをつけていたら(首都圏ネットワークかな)、日本の子供たちにも「ディスレクシア」が問題になっていると。

びっくりした。

知識不足が恥ずかしいけど、やっぱり日本人にもあるんじゃない!と。

なんでかというと、この「ディスレクシア」という言葉を私が初めて知ったのは1990年。イギリスに留学した時。とても仲良くなったイギリス人学生が二人も「自分はdyslexicなんだ」と言うのだけど、その意味がわからなかったのが発端。

どういうこと?と質問したら、文字がとても読みにくい、鏡像になって反転してしまったり歪んでしまったり、だから字を読めるようになるまで大変だったんだ、と。子どものころから特殊なトレーニングが必要だったと。ディスレクシアというのは、目でみた文字情報が、脳できちんと情報処理されない脳機能の異常だとか。なので色々な方法でこの脳機能を訓練し、目から入る文字情報をよりよく処理できるようにするのだとか。

小学校をアメリカで過ごし、そのあとも日本でなんとかバイリンガルとしての語学力をキープしてイギリスに留学した自分が、全く知らなかった単語が、いきなり身近につきつけられて、すごくびっくりしたのを覚えてる。しかも当時はネットなんかないから、日本ではどういうことになってるのかすぐには調べられず。英和辞書をひくと「失読症」とあったけど、それだけ。

そのあともちょっと気になっていて、ちょっと調べたりしても、アルファベット言語は似ている文字が多いので、dyslexiaの症例が多い。たとえばレオナルド・ダ・ヴィンチが鏡文字を書いていたのは有名だけれども、それも一種のdyslexiaなんだと読んだりして、へええと思い。確かにb とd とpや、mとnや、iとlほど似ている文字は、ひらがなでもあんまりないしなあ……と自分を納得させたり(「あ」と「め」は似てるとか、「り」と「し」や「は」と「よ」も、考えてみれば似ているのだが)。

イギリスだと(アメリカもかな?)「ディスレクシア」というのは知っていて当たり前の単語なのに、約20年前の日本ではほとんど(その状態を意味する日本語も)知られていなかった。それは、そういう状態がなかったからではなく、そういう状態を特定して認識して分類して、そして治療・改善することができなかったからなのですね。


この間、自分の状態を理解できないまま苦しんでいた人がどれだけいたかと思うと……。

というのも、どういう言い方をしたものか迷うのですが、私の留学先というのは、まあそれなりの大学なので。皇太子や雅子さんの留学先と同じ、というと目安になるかと思います。

そういう大学の大学院に、子どものころからディスレクシアだったというイギリス人学生が、私の身近だけでも二人もいたという。つまり子どものころからディスレクシアでも、きちんとキャッチしてトレーニングすれば、学力は付くというわけです。なので、ディスレクシアという状態の認識が日本で低いばかりに、勉強ができない子として扱われてしまった子供がどれだけいたのだろうかと、ちょっとショックだというか。だってまるで、途上国じゃないですか。イギリスに比べて。やっぱりそうなんだと、ショックだったというか。

ともかくも、ディスレクシアと勉強能力とは何の関係もありません。それだけは声を大にして言いたいです。ディスレクシアを克服したというイギリス人の友人は、私の何倍も本を読んでいたし。私の何十倍も物を知っていて、何十倍も頭が良かったし。「クソー!」って、何度も思ったくらい。

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