釧路市内で腹ごしらえの後、指定のあった白糠に向かいます。
白糠は石炭の炭田があった場所で、石炭岬という地名が残っています。
石炭から、『ボイラー室』という言葉が連想されなくもありません。
近づく台風の影響から、恋問海岸に寄せる波は荒れています。
期待していなかったのですが、南から太陽が暑く照らしています。
雲の様子はやはりこれからの荒れ模様を思わせました。
現在の石炭岬は海に飛び出した突端ではなく、なだらかにわずかに、海へせり出していている形で、岬という言葉には少し違和感がありました。
さらに、その岬は数軒の家で占められておしまい、という狭いものでした。
石炭岬には祈るのにちょうどいいスペースがなかったので、隣接する漁港に入ります。
堤防に登るとテトラポッドに当たって砕ける白波がしぶきを上げています。
『波が来ないように祈らなきゃ。』
という声が聞こえます。
祈り始めると、
『つなぎとめる。
宇宙とのつなぎ、完了。
円。』
と言葉が伝わってきました。
白糠から釧路市内、中標津を経由して太平洋に出て、知床半島の東側の羅臼に入ったときにはもう日が暮れていました。
そこからさらに知床峠を越え、宿泊地のウトロまでは白糠から220キロほどでした。
宿の女将さんはお父さんが阿寒湖アイヌコタンの酋長だったそうです。
アイヌの伝統料理などを美味しくいただきました。
地図を見たらずっとはじっこの方…べらぼうに遠いんですね。
いつか行かれるかなぁ…?行かれたらいいなぁ…。