風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ボルトのラスト・ラン(後)

2017-08-14 00:15:09 | スポーツ・芸能好き
 あっけない幕切れだった。誰がこんな結末を予想しただろうか。陸上の世界選手権男子4x100mリレー決勝で、現役最後のレースに臨んだウサイン・ボルトは、ジャマイカ・チームのアンカーとして5連覇を目指したが、左脚を痛めて途中棄権した。
 かつて北京五輪の陸上男子4x100mリレーで朝原宣治を手ぶらで帰らせるわけには行かない(そして銅メダルを獲得、8年後に金メダルのジャマイカ・チームがドーピング違反のため失格となり、銀メダルに繰り上げ)と言っていたのを皮切りに、ロンドン五輪の競泳男子4x100mリレーでは北島康介を手ぶらで帰らせるわけには行かないとの名言を残した(そして銀メダルを獲得した)松田丈志を、リオ五輪の競泳男子4x200mリレーでは手ぶらで帰らせるわけには行かないというのを合言葉にして結束した(そして銅メダルを獲得した)。今回、ジャマイカ・チームにはボルトを手ぶらで帰らせるわけには行かないとの思いがあったことだろう(実際に、第一走者オマール・マクロードは『ウサインには金メダルとともに引退して欲しかった』と語っている)。
 第三走者ヨアン・ブレイクは、レース後に怒りをぶちまけたという。「彼らはあまりに長く僕らを招集所で待たせ続けた。ウサインは本当に冷え切っていた。実際に僕にこう言ったんだ。『ヨアン、これはクレイジーだと思うよ。40分間も待たされて、(その間に)自分たちの出番の前に2回のメダル授与式が行われているなんて』とね」(The Answer)。ジャマイカ生まれのボルトは寒さに弱いと言われてきたが、寒さには弱くない私たち日本人のしかも陸上部の高校生ですら身体を冷やさないように気を付けたものだった。走りの技術が高い分、意外性も高かった、と振り返る専門家がいたが、ぎりぎりのところで戦うボルトのような選手は、微妙なところで均衡を崩すようなことがあるのかも知れない。
 その結果、日本チームに銅メダルが転がり込んだ。
 さきほど北京五輪では銅が銀に繰り上げになったと書いたが、あのときは予選で優勝候補のアメリカやイギリスがバトンミスで失格となる幸運があった。ロンドン五輪では5位に終わった(後にアメリカは、タイソン・ゲイのドーピング違反が発覚したため銀メダル剥奪、日本は繰り上げで4位)。ところがリオ五輪ではアメリカを抑えてジャマイカに次ぐ堂々の銀メダルを獲得した(その後、三位のアメリカは、バトン・パスのミスで失格)。誰一人10秒を切れていない中で、バトン・パスの高い技術に支えられたチーム力の勝利だった。今回の銅メダルは実質4位とは言え、ケガのため大事をとったサニブラウン・ハキーム、本調子ではないケンブリッジ飛鳥、さらには故障のため代表落ちしたリオ五輪代表の山縣亮太を外してのそれであり、それなりに評価されるものとは思う。しかしイギリスやアメリカ、さらに中国やフランスは確実にバトン技術を向上させており、二年後の世界陸上、その翌年の東京五輪では、10秒を切る選手が複数いない限り、日本がお家芸とも言えるバトン技術だけでメダルを獲るのは難しいだろう。やはり日本人の9秒台(続出!)に期待したい。
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