MITのEntrepreneurship Centerの授業で、ビジネススクール以外の学生を対象に起業プランの書き方を教える講義がある。
その名も、15.975 The Nuts & Bolts of Business Plans。
3時間×6日間で、起業チームの組み方、起業プランの書き方など、基礎の基礎から教えてもらえる。
ビジネスのバックグラウンドがない技術系の人が、起業しよう!というのにもってこいの授業。
毎年200名以上が参加するという。
実は、数年前から、100Kとも密接に連携している。
この授業で最終的に目指すのは、起業プランの概要を2ページにまとめた、エグゼキュティヴ・サマリーと呼ばれるもの。
ちょうど2月末が締め切りの、100KビジネスプランコンテストのRound 1で提出するものと同じ。
だから、100Kに出場を考えてるなら、渡りに船。
ただ、本当に基礎からなので、ビジネススクールの学生には物足りないという難点があった。
それでこの授業に加え、100K主催で、更に応用版の講義シリーズを作るべく、計画発動した。
100Kのスポンサーであるベンチャーキャピタル(VC)や、プライベート・エクイティ(PE) を講師として招聘。
ビジネスプランをよりどう魅力的にするか、チームをどうやってより活動的にマネージするか、を教える。
起業家に金を出すVCやPEが語るので、ビジネススクールの学生にも、前述の講義を受講した技術系学生にも役に立つだろう、ということ。
2月に入ってから、週に一度、1時間半くらいの講義にしようかな、と思っている。
この計画は私が中心になって進めているが、実は日本人同期のMさんからのフィードバックを受けて、考えた始めたものだ。
彼は、起業家を目指すべくSloanに来た、日本人の中でも骨太な目標を持っている人で、今回の100Kにも出場中。
彼に、「100Kは、人と出会い、チームを作るきっかけを作るイベントはやたら多いが、起業家をゼロから育てる視点でのイベントが少ない」と指摘された。
100Kには、メンター制度と言って、スポンサーのVCやローファームがチームのメンターとして相談に乗ってくれる制度がある。
でも、これはコンテストのRound 1を勝ち抜いた人たちだけが得られる特権。
ここで落ちてしまう人の中には、技術は持っているけど、ビジネス面がちょっと、という人たちがいるはず。
全体のレベルを上げるためのイベントがあっても良いのではないか、と指摘だ。
全くその通りだ。
100Kにとって、短期的には、スポンサー向けや、総参加者数を増やすためのイベントは重要。
それがスポンサーの数を決め、賞金額を決め、翌年の参加者数を決める好循環につながるからだ。
でも、長期的視点で起業家を本当に育てて、100Kの優勝者から、マイクロソフトのような大企業に育つ企業を作り出すことは、スポンサーにとってもMITのコミュニティにとっても重要なはずだ。
長期的な投資をしなければ、100K自体も大きくなれない。
いつまでも東海岸ローカルなビジネスコンテストから抜けられないんじゃないのか。
企画を提案すると、最初は100K全体のリーダーをやっている2年生のFreddyには大反対された。
が、長期的な教育視点は、MITコミュニティだけでなく、スポンサーにも大切なはずだ、と反論して、納得してもらう。
イベントチームの直接の先輩のRyanは、最初から協力的で、コミュニケーションの仕方も含め、企画に当たってのいろいろアドバイスをくれた。
そんなわけで、試験中にもかかわらず、しこしこEmailを書いたり、仕事してます。
私にとっては、外人しかいないチームをリードして、コミュニケーションして何かを成し遂げる、というのがこっちにきて本当にやりたいことのひとつだったから。
こうやって、MさんやRyanやいろんな人に影響を受けながら、自分の考えも、活動も成長していく。
でも、学科試験も頑張りたい…。
特に前回平均点だったファイナンスで良い点取りたいので、試験勉強も頑張らなきゃだけど。
何にせよ、頑張ります。
あー、寝てる暇もない、って感じ。













さて、起業家教育というのは現在、難しい局面にあると思います。大前提として、そもそも起業を真に考えるような人間が、そもそもビジネスプランコンテスト(BPC)のような「枠組み」に乗るのかという問題があります。BPCは資金や知名度獲得の点でメリットがあるものの、タイミングの制約や情報のディスクローズというデメリットがあります。これを天秤にかけたどうかはわからないけど、多くの成功するアントレプレナーはそのような「枠組み」に頼らずにスタートし、枠組みにのった起業家はほどほどの成功にとどまるというのが現実です。
日本の最高学府でもBPCをやっていますが、実態としては起業に至るケースすらほとんどなく、Mixiの笠原さんなど成功するアントレプレナーはこういった「インキュベーター」と無縁で成功を享受しています。
かくいう自分も、ではどうすればいいのかはわかりません。私などは所詮その「枠組み」にはまっている分類の人間です。アカデミアの枠組みでは限界があるのは確かでしょう。でも、「起業化マインドの造成」という意味では全体の底上げにつながる企画は無駄にならないはず。何よりも君の情熱そのものがMITやアントレプレナーを大きく前進させるモチベーターに他ならないと思う。自分を信じて突き進みましょう!
おっしゃる通り、大規模に成功する起業家でこういう企業コンテスト出身者はあまりいません。
でも、こういうイベントを機会に学んで、たとえ100Kに出場せずに成功したとしても、その人が100Kで学んだことを覚えてて、新たな起業家育成に投資をする、という好循環を生むのであれば、意味があるかなと思っています。
もちろん、その時にスポンサーになってもらえれば嬉しいですけどね。