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「インビクタス/負けざる者たち」の感想

2010年02月08日 | 映画感想 ア 行
2月に観る映画をピックアップしています。まずは2月5日(金)公開の「インビクタス/負けざる者たち」です。監督がクリント・イーストウッド、主演がモーガン・フリーマンとマット・デイモンと言われれば、もう期待するしかないのですが・・・、内容のキーワードが「南アフリカ」、「人種隔離政策アパルトヘイト」、「ラグビー」と、どれを取っても私には馴染みが薄い題材なのでちょっと心配。英題の「INVICTUS」とはラテン語で「不屈」と言う意味らしい。スポーツを通して
民族融和を不撓不屈の精神で突き進めたスポ根民族物語って言う所でしょうか!?

この映画で第82回アカデミー賞の「主演男優賞」にモーガン・フリーマン、「助演男優賞」にマット・デイモンが揃ってノミネートされています。下馬評では「主演男優賞」は『Crazy Heart』の俳優さん、「助演男優賞」はあの『イングロリアス・バスターズ』でのドイツ軍の大佐役がハマっていた俳優さんが有力だと言われているようですが・・・、アカデミー賞の発表は、今年は2月のオリンピック中継と重ならないように3月7日にずれ込んだようです。

観てきたので感想を追記しました。 私の評価は≫採点表 イライラ度≫採点表

この映画は文句なく面白かったです。・・・文句なくと言いながら、その割に満点評価ではなく、イライラ度のメーターもピコッと2個上がっていますが、それは、別にイライラしたからではなくて、ネルソン・マンデラ大統領を扱っていながらアパルトヘイト政策の根本的な人種問題をスルーしていたのが気になったからです。だから、ちょっと言い方は悪いけど、臭いモノには蓋をして品行方正なスポ根人情ドラマに徹していたので、感動的ではあったけど琴線に触れるまでには至りませんでした。

物語りは南アフリカがアパルトヘイト撤廃後、反アパルトヘイトの活動家ネルソン・マンデラが反逆罪により27年に及び投獄された刑務所から釈放される場面から始まりました。まるでニュース映像を見ているような淡々とした映像でした。釈放されたネルソン・マンデラを乗せた車列が通る道路の両側の一方には、青々とした芝の立派なグラウンドでラグビーの練習に励む白人達。そしてその反対側には、砂埃の上がる乾いた土のグラウンドでサッカーをする黒人の子供たち。その僅かなプロローグのシーンだけでも、アパルトヘイト・人種隔離政策の理不尽さが垣間見れました。

それから、その後に行われた全人種投票による総選挙によって、ネルソン・マンデラは晴れて南アフリカ大統領となりました。この物語は実在の人物とエピソードを基に描かれていると言う事で、それぞれの登場する人たちの潜在的な思いは熱く強く感じましたが、そう言う国の大転換となる基軸になったエピソードを扱っている割には、隔絶された人種間の問題もさることながら、マンデラ大統領の実像を赤裸々にクローズアップしている訳ではなく、ラグビーのW杯に優勝する事によって民族の対立を失くし白人と黒人の融和を図ろうとする大統領の思いだけがメインに描かれていただけなので、政治的なドラマチックさと緊迫感が欠けていました。

マンデラ大統領が獄中で心の支えとした「INVICTUS」の詩を挿入する事によって、観客にマンデラ大統領が当時置かれていた立場や、それにどう立ち向かったのかを示したのは分かるのですが、人種隔離政策で民族間の対立がどれ程の物だったのかを示すには、この映画で描かれた白人側、黒人側のエピソードは余りにも単純な構図でした。当時のマンデラ大統領の言動は人の理想とする所で、もちろん崇高で真摯なものではあるけど、この映画が過去を扱っているだけに・・・、現在の南アフリカは、今年の南アでのサッカーW杯の開催さえ危ぶまれるほどの社会情勢の悪化や黒人の貧困の現状を見れば、理想は理想でしかないと言うのを思い知らされ、この映画の「ひとつの願いが、本当に世界を変えた物語。」と言うキャッチコピーが色褪せてしまう。

そんな今も混沌としている南アの背景を考えないでこの映画を観たら、感動的なヒューマンドラマとして楽しめると思いますけどね! 私の感動ポイントとしては、マンデラ大統領とラグビーチームのキャプテンのピナールがお互い指揮官として技量を試される立場に立ち向い「不屈」の精神で乗り越えて行く姿が良かったです。他にも大統領警護官の白人スタッフと黒人スタッフが対立からそれぞれを理解し合い、信頼を高めて行く過程が上手くラグビーを通して描かれていて、緊迫した熱戦の試合ともども味わいのある人間模様でスポ根ヒューマンドラマとして面白かったです。

ちぇっく映画のクライマックスシーンで、W杯の決勝戦の試合直前に南アフリカ航空機が競技場の真上えを低空で飛ぶと言うシーンが有りましたが、あれはフィクションではなく実話らしい。どんどん高度が下がり近づいてくる飛行機に競技場の観客たちは騒然となるが、その機体の底に「GOOD LUCK BOKKE」書かれていた文字を見て想いは一つになると言う感動的なシーンでした。あれが実話とはビックリでした。


「インビクタス」の
「フォトギャラリー」
はコチラです。
■ 「インビクタス/負けざる者たち」 ( 英題:INVICTUS )
■ 日本 公開日: 2010年 2 月 05日(金) (上映時間 2時間 14 分)
■ ストーリー : ジョン・カーリン原作のノンフィクション小説を映画化した感動のドラマ。反アパルトヘイト運動に尽力し、南アフリカ共和国大統領となったネルソン・マンデラと、同国のラグビー代表チームのキャプテンとの人種を越えた友情を描く。主演は『ダークナイト』のモーガン・フリーマンと、『インフォーマント!』のマット・デイモン。【1994年、マンデラ(モーガン・フリーマン)はついに南アフリカ共和国初の黒人大統領となる。いまだにアパルトヘイトによる人種差別や経済格差の残る国をまとめるため、彼はラグビーチームの再建を図る。1995年に自国で開催するラグビー・ワールド・カップに向け、マンデラとチームキャプテンのピナール(マット・デイモン)は、一致団結して前進する。】(Yahoo!映画より抜粋)
■ 監 督・製作 : クリント・イーストウッド
■ キャスト: モーガン・フリーマン、マット・デイモン、スコット・イーストウッド、ラングレー・カークウッド、ボニー・ヘナ
■ 米 公 開 日 :  2009年12月  
■ 全米週末興行成績 : 初登場3位
■ 米Yahoo!ユーザー: 平均評価 「 B+ 」 (1763 ratings)
■ 米 各雑誌批評家 : 平均評価 「 B+ 」 (13 reviews) 

米Yahoo!評価はA~Fの6段階。ユーザーと批評家それぞれの平均評価で、A+が最高です。
(ストーリーはYahoo!映画より抜粋させてもらいました。)



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18 コメント

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Unknown (風子)
2010-02-09 08:30:17
この原作がマンデラ氏の人柄を表すのに最適と思ったようなので、アパルトヘイトについては詳しく述べられていませんね。ミストさんに物足りなかったようですが、機会がありましたら、「マンデラの名もなき看守」や「輝く夜明けに向かって」などをみていただくと、「インビクタス」をさらに楽しんでいただけると思います。
レスです。 (ミスト (管理人です))
2010-02-09 12:32:23
風子さん、こんにちは。

この映画は難しい事抜きにして、
単なるヒューマンドラマとして観たら、
感動的で面白かったです。
「マンデラの名もなき看守」と「輝く夜明けに向かって」ですか、
これを先に観ていたら背景が分かりやすかったのかな?(^^ゞ
監督~ (cyaz)
2010-02-09 17:51:47
ミストさん、こんにちは^^
TB&コメント、ありがとうございましたm(__)m
息子さん情報、ありがとうござました。
ノーマークでしたが、実際息子さん二人出てたんですねぇ
それでにしても俳優イーストウッドも偉大でしたが、
それ以上に監督イーストウッドは素晴らしいと思います。
モーガン・フリーマンとの作品にかける想いはピッタシだったし^^
そうですね (たいむ)
2010-02-09 18:12:42
南アのアパルトヘイトの事実は世界中の誰もが社会科の授業などで学んでいるいう前提による周知の事実として省略しちゃったのかもしれません。でも日本人はそうした差別政策の実態なかなか理解できないですよね。
たった一年の努力とひと試合で本当に覆ったみたいな感じに捉えてはいけないと思うのだけど、あの光景とその一瞬のために尽力している人々の姿は素直に心にしみましたねw
レスです。 (ミスト (管理人です))
2010-02-10 01:27:55
cyazさん、こんばんは。

>息子さん情報、ありがとうござました。
>ノーマークでしたが、実際息子さん二人出てたんですねぇ

★いえいえ(^^ゞ、以前映画サイトで息子さんが出演すると言う記事を読んでいたんですけど、
 その時の写真の顔はかすかに覚えている程度だったので自信がなかったんですけど、
 多分、決勝のゴールキックをした選手だったと思いますよぉ!(*^_^*) 

>それでにしても俳優イーストウッドも偉大でしたが、
>それ以上に監督イーストウッドは素晴らしいと思います。
>モーガン・フリーマンとの作品にかける想いはピッタシだったし^^

★去年の「グラン・トリノ」は本当に最高でした。
 あれこそ文句なしの五つ星を付けましたわ。(*^^)v
 この映画でモーガン・フリーマンも制作総指揮に名前がありましたね!
 マット・デイモンも素で出ていたし良かったです。
 頭に変なカツラを付けて映画に出るの止めて欲しいんですよ!(苦笑)
レスです。 (ミスト (管理人です))
2010-02-10 01:44:22
たいむさん、こんばんは。

>南アのアパルトヘイトの事実は世界中の誰もが社会科の授業などで学んでいるいう
前提による周知の事実として省略しちゃったのかもしれません。
でも日本人はそうした差別政策の実態なかなか理解できないですよね。

★ですね!?(^_^;)
 マンデラ大統領の赦しの思想を描きたかったのは分かるんですけどね、
 でも、南アの黒人の貧困や治安の悪さの現状は何も変わっていないらしいし、
 南アで今年6月に行われるサッカーW杯に合わせたようなタイミングで
 この映画を見せられると、余りにも美談で終わらせ過ぎ!って思っちゃう!(^^ゞ

>たった一年の努力とひと試合で本当に覆ったみたいな感じに捉えてはいけないと
>思うのだけど、あの光景とその一瞬のために尽力している人々の姿は
>素直に心にしみましたねw

★ホント、スポ根ヒューマンドラマとして楽しむには文句なく面白いです!(*^^)v
こんにちは! (latifa)
2010-02-10 17:28:18
ミストさん、こんばんは。
ミスとさんちは、ハートと、レベル(イライラ度)とかの度合いが見れる様になっているのが良いですね~♪

飛行機が低空飛行でやってきた時は、一瞬えっ?!と、よからぬ事を想像してしまいました。
悪い事じゃなくて良かったです。
アメリカ人ならもっと悪い方に想像しちゃった人も多いんじゃないでしょうか。
きっかけになればいいな (にゃんこ)
2010-02-11 00:18:02
こんばんは
どうも根が楽天的なものですから、現在の南アの情勢とかに関しての
認識不足とかはすごくあるのですが、あのときにひとつになった
気持ちはいつかまたきっと思い出せるものだと
思いたいなっと。
航空機の演出は、ほんと大がかりなものですがあれが再び出現したら
と、ちょっと夢見ています。
TB&コメントありがとうございました。
レスです。 (ミスト (管理人です))
2010-02-11 01:39:40
latifaさん、こんばんは。

>ミスとさんちは、ハートと、レベル(イライラ度)とかの度合いが見れる様になっているのが良いですね~♪

★でも、私の単細胞の独断と偏見のジャッジですから、
 あまりこれから観る方の参考にはならないかも!?(^^ゞ

>飛行機が低空飛行でやってきた時は、一瞬えっ?!と、
>よからぬ事を想像してしまいました。悪い事じゃなくて良かったです。
>アメリカ人ならもっと悪い方に想像しちゃった人も多いんじゃないでしょうか。

★そうですね、あの飛行機のシーンは見せ場でしたね!
 アメリカならスクランブル発進で迎撃です!(苦笑)
レスです。 (ミスト (管理人です))
2010-02-11 01:49:32
にゃんこさん、こんばんは。

>どうも根が楽天的なものですから、現在の南アの情勢とかに関しての
>認識不足とかはすごくあるのですが、あのときにひとつになった
>気持ちはいつかまたきっと思い出せるものだと
思いたいなっと。

★この映画だけで観たら、すごく前向きになれますね!(^^ゞ
 スポーツの成せる技でしょうか!?

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