走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

信用される理由

2018年02月25日 | 仕事
昨日のブログで援護射撃をしてくれる2人に絶大なる信頼を得ていると書きました。2人だけではなく地元の医師会の殆どの人たち、働いている保健機構の上司や仲間からも信用と尊敬を頂いているのだ。

地元で働くNPは全部で10人。私は5人目として4年前に雇われた。なので先輩もいれば後輩もいる。しかし後にも先にもあちこちで話題になるのは私だけ。

何故かといえば答えは簡単。それは患者層の難しさ。医療を避けてしまう人口層を相手にしているからだ。これは私が思いついたのではなく、元々私のポジションが決められた時に決まっていた。なので私の功績でもなんでもない。

皆が感心するのは私がその患者層に繋がって医療を提供し続けていること。私がした事の中で他のNPと違うところは、3ヶ月ごとに統計を出している事。なーんだ、と思うかもしれないがとても大切だ。前にも書いたが統計学を嫌う看護師は多い。しかしこの世界で生き残るためには自分のしていることをなんらかの形で伝えなければ首切りが待っているだけだ。私にとってそれは統計報告だった。

難しくもなんともない。月ごとの患者数、診察回数、新患者数、内わけとして性別、年齢、疾患別、住居の状況、その他諸々数字をはじき出すのだ。今の仕事を始めて一度も欠かしたことがない。3ヶ月ごとに傾向を把握して、何が足らないのか、どこを改善したら良いのか、微調整を行い続けた。そのおかげで、患者数は50人から100人へ、100人から200人へと目標の200人へ1年でこぎつけた。今は250人とアップアップしているので逆にオーバーワークにならない為の対策作り。

3ヶ月毎の報告書には現状と、考察と、次への計画が書いてある。それを関係者各位へ送り続けたこと。これが信用を受けることに繋がったのだ。当たり前、私の仕事場で監督をしなくても、私が何をしているのか報告書を見れば一目瞭然。そういうものは周りを納得させる。

先日、一年遅れで始めたNPの統計を手伝った。一度もしたことがなく、やり方がわからないと(私がオリエンテーションをしたんですけど、、、覚えていないって悲しいわ)。で、彼女の患者数はたった49人。彼女は驚く、えーたったこれだけ?!美加は何人?私の数字を聞いてもっと驚く彼女。でもきっと一年めはもっと低かったでしょう?と聞くがそうではないことを知り愕然とする彼女。

あのねえ、あなたが新人できた時、私はきちんと説明したよね。面倒くさくても時間がかかっても大切な事だって。3年なんてあっという間に経っちゃうの。毎日の業務に追われて全体が見えなくなるなんてよくある話なのよ。

商売をしている人が売上高や、何が売れているのかを吟味せず、マーケットリサーチもせずに成功するわけない。それと同じ。

今までになかったことを始める。成功のためには、ただ患者を診ていれば良いなんて、そんなものではない。2005年から始まったNP職。未だに開拓時代です。


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