走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

薬物依存の治療 コーピングスキル

2017-01-17 | 仕事
昨日の続き。

薬物依存を抜け出すために強制的に薬のない環境へぶち込めば良いでのは?と思われるかもしれません。

ブログに何度も書きますが、人間には自由の権利があります。危険を知りつつ危険な道を選ぶのもその人の自由です。なので誰も本人の意思を無視して強制的な暮らしを強要する事は出来ません。

それに、薬物にアクセスがないからやめることが出来る。一時的にはそうかもしれません。しかし社会に戻れば誘惑はどこでもあるものです。アルコールがその良い例です。なので誘惑があっても断ることが出来る。すなわち強い意思と言うよりも頼らなくても良い生活術を備え付けていることです。

覚せい剤や麻薬を使用している人を特別視する人がいますが、基本的に依存のメカニズムはアルコールもタバコもギャンブルも同じなのです。

ストレスがかかった時にその解決を薬物に頼るのか、健康的な方法を取るのか、その違いなのです。

だから、不安や寂しさ、イライラ、怒り、行き場のない気持ちをどう処理できるか、それを学びなおす事が最も大切なのです。

以前に書きましたが、育った家庭状況や、大人になってからの生活環境でこのコーピングスキルが不足している、もしくは薬物依存と言う手っ取り早いものに慣れすぎて、他のコーピングスキルを忘れてしまった人もいます。不安症や鬱になったことを知らず、その治療を知らず知らずに違法薬物に求める人もいます。

人間は薬物に頼らなくても日々の活動ができることを知ること、思い出させる事がとても大切になって来ます。

これには長い時間を要する事もあり、何度も失敗を繰り返す事も多々あります。虫垂炎のように手術して取ってしまえば終わりと言うようなシンプルなものではないのです。ドラマで見るようなドラマチックなものでもありません。

長い道のりを支える、家族や友人、カウンセラーを含む医療者の存在はとても重要です。

支える、と書きました。サポートです。ドライバーはあくまでも当事者と言うことを忘れずに。

続く。



週末のフレイザー川。まだ凍っていますが気温が上がって来たので氷が薄くなって割れる音が響きます。潮の干満の影響です。自然の力って凄い。
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