走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

子供は何人欲しいですか?

2017年04月12日 | 仕事
昨日の続き

この日、もう1つ話さないといけないことがあった。それは今後の家族計画。

彼女の妊娠はこれが7回目。4人の元気な子供たちがすでにいる (2回流産があった)。今回の妊娠がうまくいけば5人目の赤ちゃん誕生。

しかし母親は41歳。経済的な不安定もある。望まない妊娠を避けるためには家族計画が重要。

確実な避妊を狙うには

男性の精管切除(白人の間では、これが一番人気)
女性の卵管切除 (帝王切開になったら出産時にしてくれる)
女性のIUD挿入(安全性が向上。しかし産後6週間は待たなければならない)

アジアやアフリカ系は男尊女卑的な風習や習慣があり、女性を守るためには女性側の選択肢になることが多い。産褥期に性交はするべきではないが、これまた女性の体なんて気にしない夫により妊娠してしまうことも。

で、長い説明の後で夫が言った、まだ可能性は残しておきたいのでIUDでと言う。

私は え???と思ってしまった。5人子供がいる(になる予定)のにまだ欲しいの???
次に頭に浮かんだのが4人の子供と妻に十分なご飯を食べさす事も出来ないのに?!定職だってないのに!!!!

開いた口が塞がらず自分の顎が床についてしまうかと思った。しかし、頭を横にフリ自分の雑念を振り落とす。ダメダメ、自分の信念を押し付けるのは私の仕事ではない。何人子供が欲しいかはその人たちの自由だ。経済的な安定がなくても、、、。

まだ妊娠20週ちょっと。まだまだ考慮する時間はあります。お互い相談して良く話し合うように、と言って診察は終わり。

理解できない選択肢を選ぶ患者が多いのが私の患者層の特徴ですが、メンタルヘルスもなく依存もないこの家族の選択に驚かされ、なんだかモヤモヤする日でした。



出勤前。ようやく晴れて春らしい日に!日中の最高気温が18度になるとか。でも北の山々の木々には新しい雪が被っています。


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2 コメント

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おはようございます (tempo1078)
2017-04-12 08:21:14
子供を産む、産まないは
個人の自由でしょうが、

妊娠中絶を望む夫婦も
結構、多い現状です。

妊娠は病気ではないので
全部自費負担。

相場では12~15万円は必要。

先日も
もう妊娠は止めて
ちゃんと避妊しなさい~とはっきりと
警告した女性が妊娠して来ました。

経済的な関係から
中絶費用もない。

夫、本人共に
避妊に対する意識が低いのか
無知なのか。

家族計画は、
行き届いているようでいて
そうでない方々も結構多い。

まだまだ、
啓蒙の必要性がありそうですよ。

Tempo1078 さんへ (美加)
2017-04-13 09:31:10
初コメントをありがとうございます。そうですね。日本では出産費用も中絶費用もかかりますよね。お金がない場合は保護が政府から出るのでしょうか?経口ピルでも失敗率が高いので若い方の避妊はIUDにガイドラインも移行していますが日本ではどうなんでしょうか?なんか質問ばかりしていますね。これからも宜しくお願いします。

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