ミサロピシ

Missallopishii

missallopishii

2018-02-10 08:54:35 | Weblog

話を受け止めたまま沈黙したから源夢じいさんの話はそこで終わった。

源夢じいさんのように記憶が鮮明に蘇らない、漠然として、だから源定さんのように沈黙していてくれれば釣合いがとれるし、会話が可能になる、mは、そんなことを思いながら、ゆっくりと凝視した姿勢から意識を戻していった。

洞窟のなかは想ったより広く整理整頓された彫刻が棚に並んでいる、それらは仏像のほかに魚、木の葉、木椀、梵字など色とりどりの姿形をしている。

「これらの彫刻はここから何処へ運ばれて行くのですか?」mはゆっくりと尋ねてみた。
「檀家へ引き取られて行くもの、入仏のもの、洞窟へ安置するもの、色々です」
「檀家ですか・・・ところで彫刻の材は何処で入手されるのです?」mは、谷川に架かっていた橋が原木を探しにいくためのものではないかと推測して聞いてみた。すると、やはりそれは間違いなかった、あの橋は対岸の山深くに原木を探しに行くためのものだった。

「手付かずの原木は私一人で勝手に頂くことができません・・・」
「他の人たちというのは、老婆と正吾さんですか?・・・」mが咄嗟にきくと、今度は源夢じいさんが黙って、彫りかけの木片に目を落としている。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« missallopishii | トップ | missallopishii »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事