河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/30(土)13時半【生演奏でバッハを③】「フランス組曲」3番、6番。NHK文化センター京都教室(大丸より徒歩5分)

ノリントン+N響・モーツァルト他

2006-12-24 23:32:11 | モーツァルトに関係ないですが。音楽関連♪
教育TVで、「後宮からの誘拐」序曲、エルガー・チェロ協奏曲、モーツァルト交響曲第39番。
ノリントンの、いわゆるピリオド奏法を基本にする演奏、わたし大好き。
とうとうN響さんもピリオド奏法をするようになったのですね。

練習初日のVTRがめっちゃおもしろかった。
「Go mad!That is Mozart!!」

先日のフォルテピアノのレヴィンさんの演奏もそうだったけど、mad の要素、実はモーツァルトの音楽の中にいっぱいあるのに、今までのモーツァルトの演奏って、わりと蒸留水みたいなものばかりが強調されていたような感じを私も最近ひしひし感じてます。

というか、生きた演奏、生き生きと表現したい、ということが根底にあると、蒸留水だけだとどうしても何か足らないように感じるのでは?

ノリントンは、ちょっとトン・コープマンを思い出させるような風貌。
二人とも、その音楽やるのがうれしくてしかたない、というのがとてもよくわかる。

39番シンフォニーは、序奏のテンポ速い!
第2楽章もめっちゃ速い!!
対してフィナーレは、私の聞き慣れてる演奏よりも速くない。

でスコアをおもむろに取り出し(何しろ新全集20巻あるのですから)調べたところ、確かに、序奏は、Adagio だけど、アラブレーベでした。
な~るほど。
第2楽章は、Andante con moto (2/4)でした。
へぇ、やっぱりねー。
フィナーレは、ただの Allegro (2/4)。
さ~すが。

すべてちゃんとした根拠があるのですね。
私もまたモーツァルトを弾きたい気持ちがむくむくと湧いてきました。

ところで、
先日の日記の、レヴィンさんの演奏報告が途中になったままですが、ここについでに少しだけ書いておきます。

レヴィンさんの演奏がおもしろく、そのバックグラウンドがとてつもなく広いことなど、全面的に素晴らしかったことは、この前さんざん書きました。
その上で、あえて言えば、なんというか、いわゆるアメリカ的と言ってしまってはずいぶん大雑把で失礼なくくり方になるのですが、必ずどこかを「盛り上げる」というか、しんとした内的なものは苦手ですぐ退屈してしまう、といった所が少しだけ気になりました。

モーツァルトって、さっき書いた「蒸留水」だけではもちろん何か足りないし、「mad」も必要で、でも、ほんの一瞬耳を澄ます「永遠」みたいな時間も必要なのでは?

今から、アーノンクールの「レクイエム」です。
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番外編・楽譜無料ダウンロードだって

2006-12-19 23:42:58 | モーツァルト関連
ザルツブルクのモーツァルト財団が、楽譜を無料ダウンロードできるようにしてるとか。

はっきり言ってショックです。新全集買ったばかりですので。

…とは言え、いちいちプリントアウトするのと、全集見ながらチビチビ飲むのとは楽しみのグレードが違いますけど(と言って自らをなぐさめる…)。

全集は全20巻、1巻平均約 1200ページくらいですから、全部ダウンロードするのはそりゃタイヘンと思います。オペラなんかすごい量です。

ソフトカバーの期間限定超特価だったので、全部でたしか7万円でおツリが来ました。

ただ私の場合、それとは別に、ヘンレやウィーン原典版、その他の版の楽譜も買っているので(全集見て弾くわけにいかないのです)、費やしたお金は…。

でも、これまでの経験で基本的に言えることは、お金と時間を費やさないと(要するにエネルギー使わないと)いい演奏はできないみたいなので、これも必要なことだと思うことにしてます。

ちなみにこの数日は、ピアノトリオ(80年代がほとんどです!私はホ長調と変ロ長調は弾いたことありますが)、ならびにヴァイオリンのト短調(!)変奏曲の楽譜眺めては、音出すのを楽しみにしているところです。

このお正月、あるヴァイオリニストとチェリストと私とで、新年会を兼ねて、トリオの初見大会するのです!
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番外編・D.ハーディング+マーラーチェンバーオケ

2006-12-17 22:53:27 | モーツァルト関連
NHK教育TVの、ダニエル・ハーディング指揮マーラーチェンバーオーケストラ演奏会、すばらしい!!

放送では、まずブラームス交響曲2番、続いてモーツァルト交響曲第6番K.43ヘ長調、ピアノ協奏曲第20番K.466ニ短調。

このオケは、かつてクラウディオ・アバドが若者を集めて作った、ピリオド奏法なども積極的に取り入れることで話題になったオケと思うけど、その良さがほんとに魅力的。

メンバーは、見るからにインタナショナル。
オーボエ一番の東洋系女の子と、フルート一番の黒人ハーフっぽい女の子、それに2番フルートのヨーロッパ系男の子が並んで吹いてる、という具合。

ハーディングの指揮というか音楽を聴いてると、素の目で楽譜から読み取った音楽の尽きない魅力を、なんとか生き生きと伝えたい、という気持ちをひしひしと感じる。

ちょっと前の、レガート一杯の、すべてがべと~っとしてる音楽ではない、メリハリのある音楽。
31歳という若さで、これだけ「音楽的」に説得力持つのは、本当にすごい。

まさに私が今弾きたいと思ってる音楽がそうなので、余計共感するのかしら?
彼が感じてる「音楽」(アーティキュレーションやハーモニー感、拍子感、あるいは音域による色彩感、ポリフォニーの感覚など)が、私にはとてもとても良く理解できるし、私もああいう音楽がやりたいとココロから思う。

ブラームスの第1楽章が、あんなに3拍子(私は3拍子の曲は、基本的にダンスのリズムといつも思ってるけど)に聞こえた演奏、生まれて初めて聞いた。

モーツァルトのK.43の交響曲は、11歳の時の作品らしいけど、その「音楽」の魅力は限りない。
ハーディングは、その「音楽」(観念的なものでなく、具体的に)の魅力を本当に良くココロに感じていて、しかもそれをオケのメンバーに伝える技術も持ってる。

私が、「良い演奏」と感じるのは、「その作品自体がどれだけよくできた曲か」ということを感じさせてくれる演奏、ということになる。
演奏者がどれほどすごいか、ということを見せるものは好きじゃない。

ピアノコンチェルトのソリスト(フォークト)に関しては、いろいろ文句あるけどそれは置いといて、オケが面白かった。
あの、有名な聞き慣れているオケ冒頭部分も、楽譜を無心に読んだらもっともっと発見があると気づかされた。
ああそうだった、と思った。

思えば、アーノンクールの教え子の教え子世代(?)、アーノンクールの偉大さははかりしれない。
音楽の世界は確実に変わってきてる。

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番外編・レヴィン氏演奏会・つづき

2006-12-05 00:41:22 | モーツァルト関連
前の日記の続きです。

プログラム前半は、「ソナタ ヘ長調K.533+K.494」「転調するプレリュード K.deest」「プレリュードとフーガ ハ長調K.394」。

ヘ長調ソナタは、不思議なことにあまり演奏会で取り上げられないのですが、今回レヴィン氏は、繰り返し全部アリで、確信に満ちて演奏されました。
(普通、全部繰り返すと「ちょっと長すぎる?」とか思うけど。そこは、日本モーツァルト協会会員さんがお客様なので心配ないのね。)

あらためて、いい曲やった~。
この曲の前後のソナタはけっこうみんなポピュラーなのに、なんでこのソナタに限って人気ないの?

先日の私の演奏会(11月7日「モーツァルトに会いたい」)で気づいたことの一つに、晩年作品のハーモニーの魅力があるけど、まったくその通りの曲。
ぜひぜひ私も弾いてみたい~。

レヴィンさんの演奏は、なんというか、力に満ちているというかエネルギッシュ。

フォルテピアノという楽器は、すべて木でできてる。
つまり、「現代ピアノ」は弦の張りを強くするため、ピンを支える土台に鋼鉄を使ってるのに対し、フォルテピアノのピンを支えるのは木で、弦の張りがそんなに強くない。
つまり、音量はそんなに出ない。
鍵盤(タッチ)も、ものすごく軽くて繊細。
だから、人によっては、フォルテピアノを弾く時にはすごくタッチに気を使うということもある。

でも、レヴィンさんはそんなのまったく関係なく、ただ「音楽」あるのみ、という感じ。
彼は、本当にモーツァルトのほとんど全作品を知ってる(実際に音に出してみた)のでは?と思われるほどの情報量があるので、「タッチ」などと言ってるヒマないのかも。

というより、モーツァルトは、実はオペラ(ドラマ)の作曲家だった、ということを身をもって知っているので(詳しくは明日書きます)、その辺のピアニストがチマチマ弾くモーツァルトを嘘くさく思わはるのかも。

次の「転調するプレリュード」が面白かったけど、これはまた日をあらためて。♪

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練習日記番外編・めちゃおもしろかった演奏会

2006-12-01 22:41:06 | モーツァルト関連
フォルテピアノ・コンサート「鬼才ロバート・レヴィン Robert Levin モーツァルトを弾く」という演奏会。11月30日東京文化会館小ホール・日本モーツァルト研究所と日本モーツァルト協会主催。

たまたま前日、文化会館の前を通ってこの演奏会を知り、4500円という値段だったにもかかわらず聞きに行ってきました。というのも、プログラミングがけっこうマニアックだったので。

昼・夜入れ替え(各4500円)で、私は京都に帰る都合もあり、昼の部しか聞けなかったのですが、以下の曲目です。

・ソナタ ヘ長調 K.533K+K.494
・転調するプレリュード K.deest
・プレリュードとフーガ ハ長調 Kd.394
***
・ロンド イ短調 K.511
・小曲 ハ長調 K.42 より
・アレグロ ト長調 K.72a
・ソナタ ニ長調「デュルニッツ」K.284の破棄された第1楽章
・ソナタ ニ長調「デュルニッツ」K.284 

夜は、一部重なる曲があり(ソナタ ヘ長調と、プレリュードとフーガ ハ長調)、他に、ソナタ楽章アレグロ ト短調 K.312、ソナタ楽章アレグロ 変ロ長調K.400、「転調するプレリュード」より、昼の部と違う部分+即興でロ短調へ、続いて アダージォ ロ短調 K.540、ソナタ ト長調 K.283 というプログラム。

レヴィンさんという人は、アメリカ人(たぶん)。
見るからにエネルギッシュで、若く見えるけど、たぶん50歳代?

私は、彼のキャリアも知らず、プログラムだけ見て聞きに行ったのだけど、ものすごい刺激を受けて帰ってきました。
書くとキリがないので、今日はその中からひとつだけ一番印象的だったことを。

プログラム最後の曲が終わり、アンコール、ということになった時。
彼は、「もう1曲、モーツァルトの曲を弾くか、あるいは即興演奏をするか、どちらがいい?」と、客席に向かって聞くのです(もち英語)。
会場は、お年寄りが多く(何しろ権威ある海老澤敏先生率いる日本モーツァルト協会ですから)、反応がもう1歩鈍いのですが、
「もう1曲?」 No! 
「即興?」 Yes! と、部外者であるワタクシメが、大いに拍手したこともあってか(???)、即興演奏してくださることに。
で、レヴィンさん、再びおっしゃるには、
「じゃあ、なんでもいいからテーマをください。あなた方が知ってるメロディでも、モーツァルトのメロディでも。」
……って言われてもねぇ。
会場に座ってるのに、大声出すわけにもいかへんし……。
と、もぞもぞしていたら、私のすぐ後ろの、「招待席」なる場所にでんと座っておられた、見るからにモーツァルト研究者という風貌のヨーロッパ紳士が、
「フィガロの、********(聞き取れない)!」
レヴィン氏「え?」
紳士「*******!」
L氏「聞き取れないよ。」
紳士「(ドイツ語で)+++++++++!(原語の「Non piu andrai farfallone amoroso」)もおっしゃってたはずですが私も聞き取れなかった。)
L氏「(ドイツ語で)××××!」
L氏「(今度は英語で)これはメンデルスゾーンもやってんだけどね。」とかなんとか。

で、結局フィガロの「もう飛ぶまいぞこの蝶々」を、やおら弾き出したL氏、その後はもう、すっごい、の一言に尽きるのですが、ホントに延々と、あのテーマをダシに次々と転調、またテーマ、華麗なるスケールや速いパッセージによるブリッジ、カデンツァ、今度は低音域でのテーマ……と繰り返し、およそ何分?……数分以上は弾いておられました。
もう、ブラヴィッシモとしか言いようなかったです~。
(でも他のお客さんはけっこう冷静でしたね。たぶん、音楽家ならあんなことくらいできてアッタリマエ、と思ったはったのかも。)

おうちでよぉ~く考えてから練習、その後に弾くのなら私にだってまぁあれに近いことはできるかもしれないけど。
やっぱり、そういうヒトって世の中にいるのね。

バッハやモーツァルト、ベートーヴェンが即興で何時間も弾いた、というお話、マユツバでもなんでもなかったのね。

レヴィン氏は、ニューヨークでピアノと作曲を勉強、高校時代にパリでナディア・ブーランジェに学び、その後ハーバード大学(何を勉強したの?)。
その後もすごいキャリアがあるのだけど、モーツァルト研究者としても知られ、数々の未完の曲の補筆、装飾音やカデンツァの即興演奏復活など、とてもここでは書ききれません。
モーツァルト以外にもベートーヴェンなどレパートリー多数。
フライブルク(ドイツ)でピアノ科の教授を務めた後、今はハーバードの先生(音楽学?)とのこと。

まだまだあるのですが、続きはあした。♪

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