河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

来年3/10(土)13時半【生演奏でバッハを】「イギリス組曲」5番、6番。NHK文化センター京都教室(大丸より徒歩5分)

カペーカルテット

2009-07-20 15:18:10 | ラヴェル
ラヴェル備忘録つづきです。

講演会では、珍しい演奏(CD)も聞いて頂きました。

カペー四重奏団による、ラヴェルの弦楽四重奏曲より第1楽章と第2楽章の一部を。
1928年の録音です。

1928年ということは、ラヴェル(1875~1937年)がばりばり生きていた頃。
(ちなみにラヴェルは、明治8年生まれ、昭和12年没です。)

現代の演奏と一番違うのは、グリッサンドが多いことでしょうか。
(往年の名ヴァイオリニスト、ティボー(1880~1953年)の演奏を思い出しました。)

この曲のテンポは、もともといろいろと動くのですが、
私が聞き慣れていた現代の演奏と比べて
カペーカルテットの演奏は、たいへんナチュラルなものでした・・・

というか、どう言ったらいいのかな、
楽譜を読み込んだ上で、楽譜にヘンに捕らわれることなく
音楽を感覚的に大きくつかんでる

・・・右脳的というのか、
私は概して現代の演奏より昔の演奏が好きなのですが
カペーカルテットも一聴の価値アリです。

その他、室内楽の名曲として
ピアノ三重奏曲の一部も(カントロフ、ミュレ、ルヴィエ)聴きました。

この曲は、何度も弾いたなぁ・・・。

・・・以前、カントロフさんとルヴィエさんが来日、
京都アルティでのデュオ公演で
私が譜めくりした時のエピソードを思い出し、
講演会ではそれもお話したり・・・。

・・・この譜めくりエピソードは
以前の日記に書いたような気がするのですが・・・?

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

忙しい人のための・・・

2009-07-18 23:38:17 | ラヴェル
ラヴェルの備忘録を続けます。

「ボレロ」のアーティキュレーションが、
冒頭のフルートとクラリネットでは異なっている、ということを前回書きました。

数種の演奏をCD(小澤、デュトワ、バレンボイムetc.)その他で確かめたのですが、
その違いを意識している(と聴取者にわかる)演奏というのは
残念ながら見つけられませんでした。

明らかに
ラヴェルのアーティキュレーションを無視しているフルーティストは
何人か居ました。

ラヴェルのオリジナルのアーティキュレーションより
息の長いフレーズを意図したものと思われます。

クラリネッティストでは
オリジナルどおりのアーティキュレーションで吹いていたように聞こえる人も居ますが、
あまりそのこと(アーティキュレーションの違い)を強調する意図はないように聞こえます。

たぶん不自然に聞こえる、という判断だと思います。
それはもっともなことでしょう。

ただ、これだけ有名な曲なのだから
ひとつくらい、そのアーティキュレーションの違いをウリにするような演奏もあっていいと思うけど・・・。

私の知らないCDで、そういうものがあるのかもしれませんね。

以下、「忙しい人のためのボレロ」です。・・・爆笑もの

http://www.youtube.com/watch?v=5rkdKANSpGM
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

「ボレロ」のアーティキュレーション

2009-07-15 16:10:19 | ラヴェル
先日の講演会「ラヴェルを聴く」での備忘録、つづきです。

「ボレロ」は
今でこそこんなに有名で、TVコマーシャルなどさまざまな場面で使われてますが
私が初めて聴いたのは、小学校5年生頃で
京都市交響楽団の定期演奏会(たぶん外山雄三指揮)。

世の中にこんな素敵な音楽があるのか、とおもった。

ぽか~んと、口あけて聴いてたような記憶・・・・
ヴァイオリンの人達が、ギターみたいに楽器を抱えてピツィカートしていたのが印象的でした。

・・・で、それからン十年後、
今回気づいたことは以下のとおりです。

スコア見て面白かったのは
あの冒頭のメロディ「ドーーシドレドシラ ド ドラドーー シドラソミファソ・・・」
・・・実はこれはのちのち延々と繰り返されるわけですが・・・

トップバッターは、フルート。
二番手は、クラリネット。

この二つはまったく同じメロディ。

なのに、このメロディの後半、
二つの楽器でアーティキュレーションが違う!!

・・・
「ボレロ」は、同じメロディを延々と「展開しないで」ただただ繰り返す、という、それまでの常識では考えられない前代未聞の作品。

初演のとき、
その演奏を聴いた或る人が、座席の背を掴みながら「気違いだ、気違いだ・・」と言っていた、ということを聞いたラヴェルは
「あの曲を理解したんだろう」と言ったそうですが・・・。

15分あまり、ただただ同じメロディを繰り返すのみ(最後の転調はあるにしても)なのに
聴衆を退屈させないどころか、感動を与えるのですが
そのためにさまざまな仕掛けがあります。

有名な話としては、
冒頭のメロディは、最初はいろんな楽器のソロですが
何回目かのメロディのとき、「オーケストラの魔術師」と異名を取るラヴェルのお家芸として

①トランペットとフルートを組み合わせたり
②ピッコロ二つとホルン、チェレスタを組み合わせたり・・・

①の場合はユニゾンですが
②は、ホルンとチェレスタは、そのメロディそのままのユニゾンであるのに対し
 ピッコロは、ト長調(つまり完全5度上)と、ホ長調(長3度上)

・・・倍音が聞こえるみたい、というか
これで、ちょうどパイプオルガンのような響きになる・・・。

上記のようなことは、つまり
同じメロディであるけれども「音色を変える」ということですね。

それに対し、
さきほど私が指摘した「アーティキュレーションの違い」は、
同じメロディの、いわば語り口の変化、ということ。

15分あまり、
まったく同じリズム(小太鼓)と同じ低音(ド・ソ・ソ)の上に同じメロディ。

でも
そのメロディの音色が違い、アーティキュレーションが違う、ということですね。

ちなみに、このアーティキュレーションの違いについて
オケマン(2フルーティスト+1クラリネッティスト)に質問したところ

アーティキュレーションが違うこと知っていたor意識していたのは
クラリネッティストで・・・というのも
クラは2番手だからなのでしょう、

フルーティストはトップバッターとして
あの低い音域でのソロというのは
けっこうプレッシャー・・・??





コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

ラヴェル備忘録

2009-07-12 14:45:59 | ラヴェル
先日の講演会「ラヴェルを聴く」についての備忘的に書きます。
当日は、以下のことを実際に電子ピアノで音を出しながらお話しました。

・・・・
ラヴェルの作品について、今回私が気づいたこと。

①属和音(正確には「属七和音」・・ソシレファ)→主和音(ドミソ)という形がほとんど見られない。

②五度(正確には「完全五度」・・たとえば ドソ とか レラ とか ミシ など)がたいへん多い、というより、バスの五度の上に和音が重なる、というハーモニーが基本。

その他
・父親がスイス出身の技師、母親がバスク地方出身で
フランス南西部スペインとの国境の町シブールで生まれたこと(3ヵ月後にパリ移住)

・14歳のときに
パリで開かれた万国博覧会で、ガムランをはじめとする東方の音楽を聴いたこと

などが
ラヴェルの音楽の特徴に重なる。

つまり
ストラヴィンスキーがラヴェルの音楽を評して言った「スイスの時計職人のようだ」という言葉に象徴されるごとく

③職人的完璧さ・・・ラヴェル自身が、精巧な時計や工業的なものに魅力を感じていた・・・父親の影響

次に、「ハバネラ」などに代表される
④スペイン的要素・・・母親はスペイン語も話した

また、パリ万博で聴いた音楽につながる
⑤非ヨーロッパ音楽的要素・・・これは、属七和音→主和音がほとんどない、ということ

さらに
⑥怪奇趣味、魔法など、いわゆる不思議なものに対する興味・・・母親の出身地バスク地方の特殊な文化

・・・などが挙げられるでしょう。

私が、特に面白い、と思ったことは

⑦その作品は、職人的完璧(③のような)さが一方で在る(だから作品数は必ずしも多くない)にもかかわらず、そのハーモニーの低音を支える音が、最もプリミティヴな音程である五度であること。

完全五度の響き、というのは独特のもので
私自身は、原初的ということの他に、宇宙的、とも感じます。
人間は関係ない。

この完全五度(たとえば、ドソ)の原初的、宇宙的な響きのなかに
第3音(ミ、または、♭ミ)が入った時に、はじめて人間の感情を感じる・・・。

・・・
きょうはここまで。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ラヴェルについてお話します

2009-07-06 17:23:21 | ラヴェル
以下、お知らせです。
今週の木曜日です。

   ミニ演奏付き講演会 「ラヴェルを聴く」  

 ― お話と電子ピアノによるミニ生演奏で楽しむ新しいスタイルのクラシック音楽セミナー―

「ボレロ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」の作曲者として、また「展覧会の絵」(ムソルグスキー作曲のピアノ曲)の魔術的なオーケストレーションで知られるモーリス・ラヴェル。その生い立ちと作品の魅力を、実際に楽器を弾きながらお話します。
「ピアノ三重奏曲」「ヴァイオリンソナタ」等の室内楽の、隠れた名曲もご紹介する予定です。

      ■2009年7月9日(木)午後2時~4時
      ■受講料 2200円(資料代含む) 
      ■京都リビング新聞社内(京都大丸南向かい))
      ■主催(問い合わせ・申し込み) 電話075-256-8418 京都リビング新聞社
                                 (月~金曜・10時~5時、祝日休み)
コメント
この記事をはてなブックマークに追加