河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

6/22(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.56全曲、ワルツ「ソステヌート」他

やっと書けた-「アマデウスへの手紙」2-6

2007-06-06 03:34:48 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、よろこんで。

やっと書けました。
さきほど、原稿をメール送信。
明日から音楽に没頭できます。

うれし~!!

モーツァルトさんの場合、
作曲=書くこと
ですが、
練習する時間なんてなかったでしょう?

エピソードとして、
モーツァルトさんは
ヴァイオリンをほとんど習ったことがないのに、
クヮルテットの第2ヴァイオリンを弾かせると
なんとかなった。

が、第1ヴァイオリンは×だった。

というのをどこかで読みましたが、

要するに、
内声は、上下聞いていれば
耳がその音を欲して
手や指がなんとかしてくれる。

でも、
第1ヴァイオリンのソリスティックなメロディは
そうじゃなかったのですね。

こう弾きたい、
というのが強くあれば
指はなんとかしてくれる。

ということを信じて、
明日から集中します。

とりあえず、今日は
カンパイします。♪
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いたばさみ-「アマデウスへの手紙」2-5

2007-06-04 04:18:27 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

10日本番のピアノトリオについて
書きたいこと一杯あるのですが、
短歌の批評の締切が迫っていて
どうしても書く時間がありません。

一両日中にはなんとしても原稿を仕上げて(原稿用紙14枚分です!)、
晴れて音楽だけに没頭できる日を夢みてます。

原稿が終わったら
ピアノ弾くの、どんなにうれしいでしょう!

はっきり言って、今
けっこうピンチなのですが、
こういうタイヘンな日々(マイナス)があるからこそ
最後にそれをプラスに変えて
演奏に結晶させる、ということでしょう。

このごろは、
こういうピンチが来たとき、
「ほらほら来たぞ来たぞ来たぞ!!」と思って、
それがタイヘンであればあるほど、
最後が楽しみ、と思えるようになってきました。

モーツァルトさん、ちょっと待っててね。♪
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ホ長調トリオの秘密-「アマデウスへの手紙」2-4

2007-06-01 02:15:50 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

前回の続き、
なぜこの曲がこんなに魅力あるのか
その秘密をさぐりたいと思います。

特に第1楽章、
モーツァルトさんの全作品の中でこのホ長調トリオは
たいへん特殊なものですね。

私がこんなにこだわるのも、実は、
この冒頭部分を弾くのにずいぶん苦労してるからです。

苦労といっても、
指がややこしいとか、綺麗に音の粒が揃わないとか
そういう問題じゃない。

初見でも弾けそうな
4分の3拍子、4分音符下降の連なりですが、
このデリケートで美しい音楽を
どうやったらお客さまに届けることができるか
何回も何回も試しています。

モーツァルトさんの他の作品で、
こういう苦労をすることって
今まで全然なかったと思います。

…ところで、この前書いたのは、
1小節目がトニカ、
5小節目がドミナントという話でした。

書いているうちに、
いろんなことに気づきました。

トニカの部分:
冒頭、ソプラノとアルトは3拍+1拍伸びていて
2小節目に入って下降しますが、
この下降は半音の動き=デリケート

ドミナントの部分:
3拍+1拍伸びたあと下降するソプラノとアルトは
ホ長調の音階の動き=幅広い

だから、ドミナントの6小節目第1拍は、
p でなく f なのですね。

トニカの時は、2小節目第1拍は p なのに。

それからもうひとつ。

冒頭の2小節は、さきほども書いたように
半音階下降(ソプラノとアルトが3度で重なりながら)の
本当に美しい線。

対して、
それを受ける3小節目4小節目ソプラノは
4度(♯ソ→♯ド)、3度(シ→♯レ)、5度(♯レ→ラ)と
半音と比べるとたいへん大胆な上行形。

この音型って、
けっこうスゴイですよね。

このスゴさを受けて
だから、7小節目8小節目で
メロディラインは
ただただ音階の音をそのまま
下るのみ。

で、9小節目、10小節目で
うなづくような5度の下降が2回。

5度の動きから一転、
11小節目では、
半音のデリケートさ(♯レ→ミ)。

そしてまたいきなり
4度上る(→ラ)。

この冒頭の12小節、
本当によくできてますよね。

いや、よくできてるのは結果であって
とにかく綺麗で
絹のような手ざわりです。

……
モーツァルトさん、また次回
つづきを書きます。

本番まであと10日ほど。
どうぞこの冒頭部分の素敵さが
音として耳に届きますように。♪



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ピアノトリオホ長調-「アマデウスへの手紙」2-3

2007-05-28 23:37:24 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

ご自慢のホ長調トリオの楽譜、
冒頭をアップしました(新全集=原典版です)。

気づくのは、
f (フォルテ)と P (ピアノ)、
それからスラーの書き方について。

モーツァルトさんの場合、
ベートーヴェンさんほど f や p の書き方が
厳密でないイメージがありますが、
これを見ると、そんなことはないことよくわかります。

1小節目、右手、左手それぞれに f が別に書かれてる。
つまり、とてもポリフォニックだということですね。

右手はソプラノとアルト、両方とも1拍目から始まり、
左手のバスは、1拍目お休みで、2拍目から始まる。
それがちゃんと意識して f が二つ別々に書いてあるのですね。

で、第2小節目は p。
これは、第1小節目第1拍から、ややディミヌエンドがかかる感じ。
つまり、冒頭の1拍目が重くて、2小節目に向かって軽くなる。

この第1、第2小節目に対応するのが、第5、第6小節目の f と p。

でもここでは、
f と p の位置は、先ほどの第1、第2小節目とは
ずれていますね。

第6小節目の1拍目は、まだ f (第2小節目は p でした)!で、
2拍目で p になります。
左手のスラーの掛け方も、こちらの方が長い=重い。

このことから言えることは以下のようのことでしょうか?

第1小節目は、トニカ(Ⅰの和音)。
第5小節目は、ドミナント(Ⅴの和音)。

つまり、機能が異なる。
ドミナントの方が、ずっと重い。

これは自明のことではあるんですけど。

でも私が面白いと思うのは、それから先のことです。

右手のアーティキュレーションです。
第1、第2小節目がスラーがつながってるのに対し、
第5、第6小節目は、切れてる。

この感じ、なるほどなぁって思いますねー。
5小節目のⅤの和音(H、♯D、♯F、A)は量的に「多い」ので
3拍+1拍伸ばしたあと、まだ余韻が残るから、
一度、手を上げたいのですね。

……続きはまた明日。♪

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曲順について・アマデウスへの手紙2-2

2007-05-24 00:43:26 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

今日は相談があります。
6月10日「ピアノトリオ」本番の演奏順についてです。

①ハ長調K.548 
②ホ長調K.542 
  休憩
③(断章)ニ短調K.442 
④変ロ長調K.502

という順をもともと考えていて、
一応そのようにアナウンスしていますが、
①と④を入れ替えた方がいいかな?と
最近思うようになりました。

ベートーヴェンさんの曲なら
やはり作曲年代順に演奏するのが一番面白いでしょうけど、
モーツァルトさんの場合は
必ずしもそうじゃないのですね。

断章を除いた3曲は、
みんな晩年(1786年~1788年)の作品です。

それぞれがホントにいい曲で、
私としては、

①それぞれの特徴が際立つこと
②演奏会の始まりから終わりまでの流れ(お客様の立場)

を考えた上で決めたいのです。

最初に書いた案を決めた理由はいろいろあります。

つまり、
ホ長調の、あの優雅で柔らかい3拍子のダンスは
どうしても休憩の前に弾きたかった。

いきなりだと、
あのデリケートさにお客様がついていけないし、
かといって、
最後に弾くには、やっぱりデリケートすぎる。

ホ長調が2番目だとすると、
その前に変ロ長調を弾くのはいやだ。
変ロ長調とホ長調って
増4度という、気持ち悪い離れ方しているので。

ハ長調を冒頭に弾けば、
ハ長調の、わりと太い平明な調性に対して
2番目のホ長調の
潤いのある調性が際立つのではないかしら、
と思ったわけです。

でも逆に、最近感じるようになったのは、

変ロ長調を最後に弾くとすると、
フィナーレが Allegretto なので
聞いて下さるお客様の感じとして
もう一つ高揚しないのではないか、ということ。

もしハ長調を最後に弾けば、
8分の6拍子 Allegro のフィナーレで
ずいぶん気持ちがハイになります。

前半の、変ロ長調とホ短調の増4度関係の問題も、
1曲目が終わった時点でお話が入るので、
あんまり気にならないかな、
と思うようになりました。

変ロ長調を最初に弾くとすると
あの冒頭の生き生きとした感じも
演奏会の始まりとして
なかなかいいんじゃないでしょうか?

どうでしょう?
モーツァルトさんなら、どうします?
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再現部の味―アマデウスへの手紙2-1

2007-05-20 00:47:48 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

昨年11月のソロ演奏会「モーツァルトに会いたい」の練習過程で書いた
20通あまりの手紙。
今、思い出してみても、
書いていてなかなか楽しかったです。

しばらくご無沙汰していましたが、
また書き始めることにしました。

07年、今回の「モーツァルトに会いたい・2」は、
室内楽を特集します。

まず6月10日は「ピアノトリオ」。

モーツァルトさんが書いたピアノトリオは
現在7曲残されています。

1776年作曲の、「K.254 変ロ長調」以外、
残りの曲はすべて晩年の作品なのですね。

3曲は、1786年、あとの3曲は、1788年。 
さすが、味わい深いです。

その中で、今日は「K.542ホ長調」について。

この曲、
私は前世紀(20世紀のことです)に本番で弾いたことがあります。

あまりの上等さに、当時、本当に驚き感激しましたが、
21世紀に入って久しぶりに弾いてみて、
以前には意識されなかった、玄妙な味に気がつき始めています。

特に、再現部にヤラレてます。

再現部というのは、
つまり 「A」「B」「A'」の、「A'」 です。

すなわち、冒頭の「提示部A」のテーマが
「展開部B」を経て「再現A'」される。

でも、「A」 と 「A'」 は、
そっくりではないの(あたりまえ)。

この曲では、
冒頭から、ホ長調という♯4つのやや特殊な調性。
その潤いを帯びた調性の中で、
優雅なダンスの3拍子のテーマ。

それが「再現部」に戻ってきて
第2テーマに入るまでの
約34小節間の、
なんというデリケートな移ろい方!

光と影が入れ替わって
水の反射が葉に揺れているような、
日の光の虹色がときおり見えるような。

ホ長調→ホ短調→ハ長調(一瞬)→ホ短調(一瞬)→ト長調→ホ短調→ニ短調(一瞬)→ハ長調(一瞬)→イ短調(一瞬)→ホ短調→ホ長調

(「一瞬」と書いたのは、約1小節間=3拍=1秒あまり)

たった34小節(1分足らず)の間に、
これだけの調にわたってひらひらと移ろうのです。

あれよあれよと弾いているうちに
色のグラデーションの中をあちらこちらに旅するみたい。

それを、誰も気づかないような自然さで
モーツァルトさんはそっと差し出す。

さりげなく運ばれる音たち。

モーツァルトさんは、
書き終えたこの曲を、
お姉さんのナンネルさんに送ったとき、
「ミヒャエル・ハイドンに聞かせてください。」と
手紙をわざわざ書いたそうですが、
相当の「自負」があったのですよね。

その、モーツァルトさんの密かな自信、
ものすごくものすごくよくわかります。

ほんとにこの曲を弾くのって「喜び」です。
指と、脳と、それから魂がきれいに上等になります。

近いうちにご自慢の楽譜をアップするつもりですので
待っててくださいね。♪


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アマデウスへの手紙・24(最終回)

2006-11-13 19:00:15 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

11月7日の「モーツァルトに会いたい」演奏会、感想がいろいろ届いています。

全体としては、やはり、ランドールとイ短調ソナタの存在感があった、というところでしょうか。が、反応は、けっこう個別的でした。その一部をちょっとお知らせしておきます。

・アマ手紙を読んで、CD聞いて予習を重ねた方もいらっしゃって、私の作ったカデンツァの前はどきどきしたとか。
・カデンツァのカワイイ所(私自身もチャーミングと思って弾いてた所)が印象的。
・カデンツァの入り口と出口はモーツァルトさんのオリジナルを使ったのですが、入り口はともかく、その出口のつなげ方がけっこうタイヘンそうだけど(終わり方が変わってるのです。)うまく繋がってた。
・一応「河野美砂子作の小カデンツァ付き」としたのですが、もっと長いカデンツァを聞きたい、とか。
・ヘ短調アダージォの弱音が良かった。
・イ短調ソナタ第3楽章、アマデちゃんが天井のあたりで足をぶらぶらさせて聴いていたような気がしたとか。
・アダージォ2曲が物凄く気に入った方。これは二人。(お一人は、映画に使いたいとのこと)

個性的な組み合わせとしては、
・少年時代の小曲とランドールが良かったという方。
・ジーグとメヌエットが気に入ったという方など。

・最後の「自動オルガンのためのアンダンテ」の音(タッチ)がきれいで、あの楽器からこんな美しい音が…というのも嬉しかったかな?調律の人だったので。

それこそモーツァルトさんの多様性をみるようです。
他にもいろいろありましたが、また追い追い。

あと、京都芸術センター(もと明倫小学校の古い講堂)という会場の雰囲気と個性的な楽器(100年前のペトロフ)、それにお客様全体の暖かい雰囲気も好評でした。

このところ、急に冷えてきました。
どうぞお元気でね。♪
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アマデウスへの手紙・23

2006-11-09 00:51:58 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

火曜日本番では、お会いできてうれしかったです。
お姿自体は見えなかったけど、本番中、何回か、助けてくれましたよね。

おっとっと、という所、実はあったのですが、なんかユビが勝手にうまく弾いてくれました。
たしか、2回くらいかな?

そのたびに、私はモーツァルトさんが助けてくれたのだ、と確信したのですよ。

個々の演奏のできは、自分ではなんとも言いようがないのですが、今回、お話+演奏、というのは、約200名という多人数の前では初めてだったので、けっこうタイヘンでした。

いろいろ感想が届いているのですが、またそのうちまとめてお知らせしますね。

とにかく、それぞれの曲についていろいろと20回あまり書いてきて、それが昨日の演奏に少なからず反映されたのは本当で、その点で、書く、ということは、私にとっては大切なこととあらためて思いました。

また、そのうち手紙書きますから。
それまでお元気で。

風邪などひかないようにね。♪

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明日を楽しみに・アマ手紙22

2006-11-06 23:09:10 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

いよいよ明日「モーツァルトさんに会いたい」モトイ、「モーツァルトに会いたい」本番です。
京都芸術センターのどこかに来てくださって、お会いできること、とても楽しみにしています。

手紙をたくさん書いてだんだんと気づいたのですが、私は、モーツァルトさんの音楽の凄さ(ステキさはもちろんですが)を何とか皆さんにご紹介したい、と思うのです。

生きていらっしゃったとき、モーツァルトさんは、時々、自分の音楽にとても自負があるにもかかわらず、それを理解されないことにいらだってらっしゃいましたよね。

その気持ち、とても良くわかります。
だって本当にすごいんだもの。

その音楽の魅力を、明日は心から存分に楽しみたいと思っています。
モーツァルトさんも、どうぞいっしょに楽しんでくださいね。

で、終わったら、いっしょにカンパイ!しましょうね。♪

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自動オルガンの為のアンダンテ・アマ手紙・21

2006-11-06 02:00:07 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、ありがとう!

7日の演奏会「モーツァルトに会いたい」のための練習も佳境に入って来ているのですが、やっと今になって、プログラム番外の「自動オルガンのためのアンダンテk.616」をさらってます。

この曲を練習したことによって、モーツァルトさんの曲の、あの独特の音色、タッチ、これがみごとに私のユビに宿ってきました!!

この曲は、モーツァルトさんが、晩年の借金のために仕方なく引き受けた仕事で、楽器やお客(蝋人形館)の制約のため、「すぐに退屈する」と嘆いてらっしゃったものですね。

でも、左手がすべてト音記号で書かれていることでもわかるように、とても清浄な音色、メルヒェン的な響きがします。
無垢、とでもいうのでしょうか。

それを、現代のピアノ(私の場合はスタインウェイBですが)で再現しようとすると、本当に鋭敏なタッチが必要なのですね。

曲が要求する音を探しているうちに、このタッチが、なんというか、本当に恩寵のようにやってきました。

ずっと前、やはりモーツァルトさんの曲を集中的にさらっていた時も、このタッチは知っていたのですが、その後、ロマン派をはじめ、他の曲を多く弾いて、この独特のタッチが少し遠のいていたのです。

やっぱり、モーツァルトさんの曲を弾く時には、モーツァルトさんの曲だけ弾きたい。
ロマン派や、その他、いわゆる濃い曲を同時に弾くと、少なくとも私のユビは、なんというか、混乱?…なんか猥雑になるのですね。

この感覚、知っていたけど、今回、やっと今よみがえって来た感じです。
とてもすがすがしくって、気持ちいい。

ありがとうございます。
モーツァルトさんの音楽が、これを教えてくれたのです。♪


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ランドールとイ短調・アマ手紙・20

2006-11-04 01:42:14 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

やっと当日のプログラムノートが書けました。
それで今頃気づいたんですが、第1部最後に弾く「ランドール変奏曲」と、第2部最後の「イ短調ソナタ」、ともに、モーツァルトさん22歳のときの曲。
「ランドール」の方が早くて、その何ヶ月かあとに「イ短調」ができたようですね。

この二つの曲、存在感という点では共通するものがあるかもしれないけど、他のあらゆる点で違ってますよね。

「ランドール」は、作曲技法というか、いろんな展開の方法をモーツァルトさん自身が楽しみながら書いていて、プラス、お客さんに喜んでもらうのがまたうれしい。

「イ短調」の方は、技法やお客さんという「外」のことにはあんまり興味がなくて、総合的な「音楽」として、というのかな、うまく言えないけど、つまり「ランドール」と対照的。

きっと、どちらかが本当のモーツァルトさんで、どちらが仮面、ということではないのでしょうね。
どちらもモーツァルトさん。

この2曲、何ヶ月か違いで生まれた兄弟って、わたし、全然わかってなかった。
はずかし~。

でも、偶然この2曲を、第1部第2部のトリに選んだこと、ウレシイです。♪
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調性の可能性・アマ手紙19

2006-11-02 02:21:50 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

「ロンド ニ長調 K.485」(1786年)とか、「アダージォ ロ短調 K.540」(1788年)を弾いていて気づくのは、晩年に近いこの時期、モーツァルトさんは、「各調の持つさまざまな色合い」に、あるいは、「転調すること」に、すごく興味を持っていたのですね。

別の言い方すれば、長短24調の可能性?

「ロンド」も「アダージォ」も、一つのテーマが、6つとか7つの調で出てきますが、これって、オペラ「コジファントゥッテ」(1789年~1790年)の調性構成に通じるんではないですか?

私は「コジ」は、今スコアを見てどうのこうの言う余裕がないのですが、「モーツァルト大事典」のジョン・ストーンによると、「コジ」の調性構成は、シェ-ンベルクの12音技法に遠く通じるとか(詳細は事典参照してね)。

それを読んで、私は「ロンド」や「アダージォ」を思い出したわけです。

……もっと書きたいのだけど、プログラムノート執筆+練習があるので、また明日書きます。

おやすみなさい。♪

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カデンツァその後・アマ手紙18

2006-10-31 00:19:29 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

日曜日の本番、「私はランドール」変奏曲の、私ヴァージョンの曲順とカデンツァ初演、皆さんに喜んでいただきました。

「聞いていて、曲順はこれしか考えられない。」と言ってくださった方もいて、うれしかったデス。
カデンツァも、今日になって、若干の修正を入れながら、この線で行くつもり。

ところで、
モーツァルトさんが模倣したとされる、アイネクライネジーグK.574のテーマのモトになった、ヘンデルの「組曲ヘ短調第一集第8番」ジーグの楽譜、手に入れました。
これもなかなかいい曲で、ちょっと驚きました。
きっと、モーツァルトさんはいい曲に刺激されるんですね。
ただ、モーツァルトさんのジーグの方が、小曲だけど、ちょっと凄みがある。
もっとこういう曲、書いてほしかったわぁ。

明日は学校です。
帰りに、桂川を渡って、渡月橋から嵯峨野、御室のあたりをドライブするの、楽しみです。♪

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ランドールカデンツァ・アマ手紙17

2006-10-29 03:12:59 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、よろこんで!

「ランドール変奏曲」の、最後のメヌエットの、あたしヴァージョンのカデンツァ、できました!!

明日日曜、小さな本番あるので、そこで試してみます。
わるくない、と自分ではおもうのですが。

以前にも、モーツァルトさんのピアノコンチェルトK.467 ハ長調のカデンツァを、私は自作したことがあったのですが、今回、久しぶり。
なかなか楽しいもんですね。

カデンツァだから、気楽。
でも、モーツァルトさんの、もとの楽譜にある、カデンツァの出だしと、それから一番最後の終わり方はそのまま生かそうと思うので、その続け方が(特に最後・ちょっと変わってますよね)ムズカシイです。

ともあれ、明日、ご感想をぜひお願いしますね。♪
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アマデウスへの手紙・16

2006-10-27 23:51:50 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

「私はランドール」による12の変奏曲K.354 について、今日はおたよりします。

以前に、12曲の変奏曲の順番について、ちょっと疑問を持ったことがありました(プログラムメモ・9月24日参照 http://music.geocities.jp/misakn95/event/20061105/program.html)。

ヘンレ原典版、ウィーン原典版、新モーツァルト全集いずれも、第7変奏曲のあとに Tempo di Menuetto の変奏曲が来ます。そして、1番最後の変奏曲が Molto Adagio Cantabile で、その後に「ランドール」のテーマが回帰して終わる、という形。

でも、何回弾いても、エネルギー一杯の第7変奏曲の後に Menuetto を弾くのはぴったり来ませんでした。
さらに、Molto Adagio の後に、テーマが帰ってくるのも、どうしても変に感じました(最後にテーマが回帰する変奏曲はまったく一般的なのですが、なぜかこの曲に限っては変)。

調べてみると、変奏曲の順番に別ヴァージョンがあり、それは、メヌエットが最後に来る、という形。
テーマの回帰なしに、メヌエットの最後のカデンツァで曲を終わる、というものです。

弾いてみると、こっちの方がずっと良い。
ぴったりはまります。

第7変奏まで、どんどん派手になり、第8変奏で一転、変ホ短調(♭6個!)。
その後、オクターヴトレモロがソプラノとバスで続く、鏡のような構造の第9、第10変奏曲。
で、第11変奏の Molto Adagio で綿々と歌って、そして最後、メヌエットの大団円……オペラみたい!!

しかも、そのメヌエット、つまり全変奏曲のシメはカデンツァ。
ここは、楽譜には、減七和音のアルペッジョとスケールのみでメモ程度にしか書かれていませんが、実際にモーツァルトさんが人前で弾いた時は、きっと即興的にものすごく自由に弾いたことでしょう。

モーツァルトさんの当時の手紙には、その様子が生き生きと書かれています。
「…ぼくがこの曲を公開演奏すると、いつも最高の喝采を受けてきました。―というのは、それぞれの変奏にいろいろと巧いコントラストがあって、しかも誰もが楽しめるようになっているからです。…」(1781年3月24日・レオポルト宛)

新モーツァルト全集の解説(ドイツ語)によると、初版のエーナ版(1778年)は、メヌエットが第8番目という形でした。
つまり新モーツァルト全集はこの初版をモトに編集されているのですが、その後、Offenbach(1792年)が、別ヴァージョン(メヌエットを最後にした版)を出版、その後はこちらの方が普及していたそうです。

が、コンスタンツェが、モーツァルトが死んだのち(たぶん1799年)、出版社に「その順番はオリジナルではない」と手紙で抗議したらしく、また20世紀後半のオリジナル重視の気運もあって、現在は初版のものを「オリジナル」としているわけですね。

でも、私は、断然、メヌエットを最後に弾きます。
だって、その方が、「音楽」としてずっと素敵ですから。

モーツァルトさんだって、このご自慢の曲を、悪口言われてるのは心外でしょう?
先日も、「名曲解説辞典」をたまたま見たら、ヒドイこと書いてありました。

でもそれは、一部の学者さん、あるいは、良くない演奏を聞いた人たちが誤解してるにすぎません。

わたし、今度の演奏会で、この曲の名誉回復のため、ずごく気合いれて日々さらっています。
できれば、最後のメヌエットのカデンツァも、私ヴァージョンのものを作って弾きたいのですが…?

ともかく、モーツァルトさん、ちょっと待っててね。
7日を、ぜひお楽しみに。♪

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