ART COMMUNICATION IN SHIMANE みるみるの会の活動報告

島根の美術教育関係者が集まって立ち上げた対話型鑑賞の普及に努める「みるみるの会」の活動情報をお知らせするブログです。

「みるみると見てみる?」第7弾レポートです!(2017,2,26開催)

2017-03-12 23:53:55 | 対話型鑑賞
あなたはどう見る?よく見て話そう美術について 関連イベント「みるみると見てみる?」レポート
2017/2/26開催
ナビゲーター:津室和彦
「エイジ・オブ・エレガンス」うち3点
 アーウィン・ブルーメンフェルド 1984年プリント
参加者12名


【ナビとしての反省点】
①3点中右の作品については,中の作品との関連で一人が触れただけでしたが,ナビが,「3点をまとめて・・・」とひとくくりにしてしまったため,この1点に絞ったトークをせずに終えてしまいました。大きな反省点です。時計を持っていなかったため,タイムマネジメントも感覚頼りになってしまいました。初歩的なミスです。

②3点の中のどれが今現在話題になっているのか,また,「共通点について話す」場面なのか,など鑑賞者が発言について迷う場面があったとの指摘をいただきました。その場その場で,ナビが鑑賞者の視点・論点が定まるように交通整理する必要がありました。たとえば,「今度は,右の作品について話してみましょう。」「3点を比べながらみてみましょう。」などきちんとアナウンスして,その局面を作り出せば鑑賞者はもっと安心して話せ,話し合いも深まったはずでした。

③後半,拙速に「違和感・トリック感」があるということでまとめてしまいましたが,その「違和感・トリック感」そのものについて話し合い,深めるべきでした。また,早い段階でこの感覚を共通理解し,そこについて話し始めることができると,違った展開になったかもしれません。

④明らかによみ違っていると思われる発言に対しては,聞き返せばよかったです。右の作品での「男性の顔」という発言について,ナビが「どの部分が男ですか」と聞き返せばよかったです。発言者本人へしっかり見直すことを促すことになるのはもちろん,他の鑑賞者へも同様の効果や発言への動機づけとなったと思われるからです。また,別の方法として,作品のタイトル等の情報を開示することもあってよいかもしれません。「キュビズムで表現された紫のヌード」という情報を示すことで,すっきり解決しただろうと思われます。

【作品選択とナビとしての構え】
◯本展覧会でまだ取り上げられていない作品で,自身もあまり経験がないジャンルということで,この写真作品を選択しました。フォトモンタージュやソラリゼーションなどの写真技法も駆使し,ファッション雑誌に掲載される写真を多く撮った作家の作品です。
◯心がけたことは,短く言い換えること,言い換えや小まとめが妥当なのか鑑賞者に確認することでした。
◯3点が固めて展示してあることから,最終的には3点セットで見ていこうと考えていました。
◯参加者に問うてスタートの1点の要望が出ないようであれば,顔が大写しで印象的な左の作品から導入しようという腹づもりでした。図らずも,展示室に入ってきた親子連れの父親が「あっ。顔が割れてるよ。」と子どもに話している姿を見たので,やはり目を引くのだとわかり,この作品から入っていきました。


【トークの大まかな流れ】
◯視線の定まらない目や顔の中心を縦にはしる黒い影,長い眉毛が話題となりました。
◯自然と中の作品に話題が移りました。一見人物が3人並んでいるようだがというところを切り口に,様々な意見が出ました。右ふたつが同じで,左端のものだけ違う。陰の濃さが違うから,3つとも違う。身体が縦方向に見えるが,実は寝た状態の人物像を回転させて縦にしているのではないか。人物の大きさ(身体の長さ)が微妙に違う。指の具合や衣装にもよく見ると違いがある。ひとつの印画紙上に3回の撮影を重ねていった多重露光ではないか。などです。
◯3点中右の作品については,中の作品との関連で一人が触れただけでしたが,ナビが,「3点をまとめて・・・」とひとくくりにしてしまったため,この1点に絞ったトークをせずに終えてしまいました。
◯一般来館者の父親と姉妹(2年生と幼児)も参加して下さいました。2年生の女児も,2度挙手・発言をしました。中の作中の女性が同じ人物だが背が微妙に違うことに気づき,ポインティングしながら熱心に伝えようとする姿がとても嬉しかったです。大人に交じってのトークでしたが,アンケートにも楽しかった旨記述してありました。

【振り返りミーティングその他の話題】※みるみるメンバーからの意見
◯自分には,ナビとして言い換えるとき,時に発言に入っていないことまで言ってしまう癖があるがどうだろうか。→発言に入っていること以外を言ってはいけないとも思うけれども,ナビ自身も一鑑賞者として見方を言い換えに含めて伝えるということも有効かもしれない。
◯鑑賞者として留意すること。前発言者の言語のトリックに引っかからないこと。あくまでも作品に立ち返り,自分のみたことを自分の言葉で語っていくようにしたい。
また,ナビにもそれぞれの癖がある。例えば,作家の心情に迫りたい人・色に惹かれる人・構成に惹かれる人・・・など。ここでも,癖があるからこそきちんと作品に立ち返り,言葉で伝え合うことが大切になるのではないか。
◯人口の5パーセントが関心を持っていたら、その町の文化度は高いと言える。逆に関心の薄い人に関心を持たせるのには何かの戦略が必要。引き寄せて考えると,ナビとして,どうはたらきかけ盛り上げるかにも通じるのではないか。




2016年度のみるみるの会の活動(鑑賞会)は、この「みるみると見てみる?」で一区切りとなります。
2017年度は、5月から鑑賞会を予定しております。日程等決まり次第、このブログでお知らせする予定です。
新年度も、みるみるの会をよろしくお願いいたします。
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