パリの西30㎞にある町 POISSY に行く。
ポワシーは、セーヌ河畔の人口3万7千ほどの町だ。
5世紀にはすでに農業と漁業で栄え王宮があったようだ。現在は、車産業が盛んだ。
1214年 聖王ルイが洗礼を受けたことで知られ、その洗礼台は、現在のノートルダム教会のなかにあるが、
長い間この聖台の石を削った粉末を呑むと熱病に効くと信じられており、今はその形すら判別できない。
La Collegiale Notre-Dame コレジアルノートルダムが、町の中心にある。
11世紀から12世紀に建てられたロマネスク様式の教会である。
美しく花のポールで飾られており、市民に愛されていることがわかる。
教会の近くに Musee du jouet 玩具博物館がある。
テレビが出てくる前の玩具や人形が飾られている。
玩具博物館の中庭
中庭には色とりどりの落ち葉がすでに秋が深まっていることを教えてくれた。
朝食をしないで出てきたからか、昼前というのにお腹が空いたので、ベンチに座り持ってきていた柿の種の小袋を出して食べていたら、男の子がじっと見ているのに気がついた。
「Bonjour!食べてみる?少し辛いけれど大丈夫かな?」
「Merci,madame.平気だよ。ムタルド(辛子)好きだよ」との答え。
_カライ_、と言いながら手が止まらない。
「美味しいね。これは中国のお菓子?」と聞いてきた。
「Non、それは日本のおせんべいよ。」
よほど美味しかったのか、男の子は皆食べてしまった。
私はまだ二口くらいしか食べていなかったのに。
「この近くに住んでいるの?」と尋ねると。
「ウン、そこの刑務所にお兄ちゃんがいるから、会いにきたんだ」
「え?prison?」私は思わず繰り返してしまった。
そういえば、玩具博物館の前にそのような施設があるとは聞いていた。
「ウン、でもお兄ちゃんは悪くないんだよ。パパがママンを殴るからさ。ママを助けただけなんだ」
「そうなんだ。長くここに居ないといけないの?」
「ううん、パソコンの学校(職業訓練)が終わるから、もうすぐお家に帰れるんだって。」
「そう、よかったね」
そこに、ママンが小走りにやってきて「ニコルご免、手続きが長くなった、行こう」と男の子に声をかけている。
私は、ベンチを立ち上がり、もう一袋持っていた<柿の種>の小袋を男の子に差し出した。
「え?いいの?メルシーマダム。お兄ちゃんに持っていってあげるよ」
男の子は、可愛い笑顔を見せてくれた。
Autumn Leaves(枯葉) - keith jarrett