保健福祉の現場から

感じるままに

DPCと退院支援加算1

2016年09月28日 | Weblog
メディウォッチ「医療費の伸びの相当部分が「薬剤料の伸び」、薬価制度の抜本改革を早急に議論せよ―中医協総会で日医の中川委員」(http://www.medwatch.jp/?p=10545)。<以下引用>
<2015年度(平成27年度)の医療費は、前年度に比べて3.8%伸びているが、そのうち2%程度は薬剤料の伸びと推計できる。今後、薬価制度の抜本的な見直しを早急に検討する必要がある―。28日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会で、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)はこのようにコメントしました。抗ウイルス剤の薬剤料が急増、ハーボニーやソバルディの影響 メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、厚生労働省が15日に公表した2015年度の概算医療費(国民医療費の98%に相当)は41兆5000億円となり、前年度に比べて3.8%という高い伸びを示しました。28日の中医協総会では、厚労省保険局調査課の山内孝一郎が、2015年度概算医療費について詳しく説明。それによると、対前年度3.8%のうち0.7-08%は、画期的なC型肝炎治療薬であるハーボニーやソバルディなどの抗ウイルス剤(院外処方分)によるものと推計されます。また山内調査課長は「院内処方も含めると、さらに割合は大きくなる」としたものの、「2016年度の薬価見直しによって、ハーボニーなどは巨額再算定(特例の市場拡大再算定)によって3割超の薬価引き下げが行われており、その影響がどうなるかは今後も注視していく必要がある」と説明しています。なお、IMSジャパン社のデータによると、ソバルディの売上高(薬価ベース)は▽2015年7-9月に435億円▽同年10-12月に643億円▽16年1-3月に391億円▽同年4-6月に246億円、ハーボニーの売上高(同)は▽2015年10-12月に1101億円▽16年1-3月に1517億円▽同年4-6月に698億円―となり、山内調査課長は「両医薬品とも2016年度の巨額再算定による薬価引き下げを超えた減少となっており、ピークは過ぎたのではないか」ともコメントしました。この点について診療側の中川委員は、「日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の分析によれば、3.8%の概算医療費の伸びのうち、院外処方の薬剤料だけで1.5%程度、院内処方を含めれば2%程度になっており、医療費の伸びの相当部分は『薬剤料の伸び』であることが明らかになっている。今後、薬価基準制度の抜本的な見直しを早急に検討すべきである」と強く求めました。中医協では、薬価専門部会を中心に「オプジーボなどの超高額薬剤の薬価制度見直し」を当面の最重要検討テーマに掲げています。その後、2016年度改定に向けて、薬価制度全般に関する議論が行われそうです。DPCの病院情報、10月1日公表が原則だが、柔軟な対応も 28日の中医協総会では、次のようなテーマについて議論し、了承しています。(1)2017年度のDPC機能評価係数II「地域医療指数(体制評価指数)」などを設定するため、2016年度の定例報告では、新たに▼A246【地域連携診療計画加算】(退院支援加算の加算)とB009【地域連携診療計画加算】(診療情報提供料Iの加算)の算定状況(2016年度改定で従前のB005-2【地域連携診療計画管理料】などが廃止されたため)▼10月1日時点での病院情報の公表状況―について報告を求めるとともに、「地域がん登録」「新型インフルエンザ等対策にかかる地方公共機関の指定」については報告を求めない(2)麻薬及び向精神薬取締法の向精神薬に指定されたエチゾラム(販売名:デパスなど、精神安定剤)とゾピクロン(販売名:アモバンなど、睡眠障害改善剤)について、診療情報上の処方日数上限を30日に設定する(現在は上限なし、10月13日の告示などにおいて適用日を明確にするが、厚労省は11月1日からを念頭に置いている) (3)新機能の医療機器として、腹部切開創下、腹膜損傷部位(腹壁、腹部臓器、子宮、子宮付属器の損傷部位など)について、術後癒着を防止する『アドスプレー』を保険収載する(1ml当たり7300円、12月1日収載予定) (4)皮膚筋炎の診断補助を行う新たな臨床検査として、『MESACUP anti-MDA5テスト』(血清中の抗MDA5抗体の測定)、『MESACUP anti-T1F1 -γテスト』(血清中の抗T1F1-γ抗体の測定)、『MESACUP anti-Mi-2テスト』(血清中の抗Mi-2抗体の測定)を保険収載する(ELISA法で実施した場合に270点、10月1日収載予定) (5)新たな先進医療として、微小肺病変に対する『切除支援気管支鏡下肺マーキング法』(CTで病変部位を確認してマーキングを行い、そのマーキングに沿って肺葉の縮小手術を行う)の保険外併用を認める(報告事項) (1)は、2017年度の地域医療指数を設定するために、必要な報告を求めるものです。このうち「病院情報の公表」については10月1日現在での病院ホームページによる公表が要件となりますが、厚労省保険局医療課の担当者は「ホームページの準備は10月1日までに完了しているが、院内の決済待ちで10月1日に公表できないような病院については、柔軟に対応する。ただし、地方厚生局でホームページの準備状況などを提示することが必要である」旨を説明しています。なお28日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響調査(結果検証特別調査)の調査票も了承しています。これについては、別途、お伝えいたします。>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の資料「平成28年度定例報告について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000137948.pdf)で。DPC地域医療指数にかかる定例報告で、B005-2 地域連携診療計画管理料、B005-3 地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)がなくなり、A246 地域連携診療計画加算(退院支援加算)の報告が求められることは認識したい。「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p44の「地域連携診療計画加算」について、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335811&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114867.pdf)A246 退院支援加算「地域連携診療計画は、疾患ごとに作成され、一連の治療を担う複数の保険医療機関又は介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者若しくは施設サービス事業者等(以下「A246」において「連携保険医療機関等」という。)との間であらかじめ共有して活用されるものであり、病名、入院時の症状、予定されている診療内容、標準的な転院までの期間、転院後の診療内容、連携する保険医療機関を退院するまでの標準的な期間、退院に当たり予想される患者の状態に関する退院基準、その他必要な事項が記載されたものであること。」、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)p54「連携保険医療機関等の職員と当該保険医療機関の職員が、地域連携診療計画に係る情報交換のために、年3回以上の頻度で面会し、情報の共有、地域連携診療計画の評価と見直しが適切に行われていること。」とされたが、以前の地域連携診療計画管理料と異なるのは、疾患限定(脳卒中、大腿骨頚部骨折)ではないこと、「急性期・回復期 ⇒ 慢性期・介護事業所」が評価されていることが挙げられる。但し、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)p54「地域連携診療計画加算に関する施設基準」には「退院支援加算1又は退院支援加算3に係る施設基準の届出を行っている保険医療機関であること。」の要件がある。そして、「平成28年度診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112857.html)医科資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000115977.pdf)p42~43「退院支援加算1」では、「3日以内に退院困難な患者を抽出」「7日以内に患者・家族と面談、カンファレンスを実施」、「介護支援連携指導料の算定回数」、「20ヵ所以上の医療機関・介護サービス事業所(特別の関係があるものを除く)との年3回以上の定期的な面会要件」等の要件がある。「退院支援加算1」について、通知「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335825&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114881.pdf)第26の5「退院支援加算1に関する施設基準」では「連携する保険医療機関又は介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者若しくは施設サービス事業者等(以下「連携保険医療機関等」という。)(特別の関係にあるものを除く。)の数が20以上であること」とされている。事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その2)」(http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=352020&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000122794.pdf)問8「退院支援加算1の施設基準において、当該医療機関の退院支援・地域連携担当者と、20以上の連携保険医療機関等の職員が年3回以上面会することとされているが、他の20以上の連携保険医療機関等の職員と、会合や研修等で一同に会すれば、当該要件を満たすこととなるか。」は「(答)それぞれの連携保険医療機関等の職員と、直接に対面して業務上の意思疎通を行うことが必要であり、会合や研修で一同に会することでは、当該要件を満たすことにならない。なお、退院支援において数か所連携保険医療機関等と退院調整の打ち合わせを行う等の場合には、全ての連携保険医療機関等の職員と相互に十分な意思疎通を図ることができれば、それぞれの連携保険医療機関等の職員と面会したものと扱うことができる。」とされた。急性期病院を中心に、退院支援加算1を算定する病院は少なくないであろうが、介護施設は複数の病院とつながっていることが多い。退院支援加算1の要件を満たすべく、介護サービス事業所も含めた「数か所連携保険医療機関等と退院調整の打ち合わせを行う」対応を、退院支援加算1を算定するそれぞれの病院ごとに行われれば、現場は混乱するであろう。拠点的な病院(救命救急センター、がん診療連携拠点病院、周産期母子医療センター等)がある市町村には周辺市町村からの入院は普遍的である。ここは、二次医療圏単位で、退院支援加算1を算定する病院協働での取り組みが不可欠と感じる。ところで、医療介護連携に関する介護報酬には、入院時情報連携加算(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/242/447/02-11-14nyuuinnjijyouhourennkei.pdf)、退院退所加算(http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/345/867/02-15-21taiinntaisho.pdf)、地域連携診療計画情報提供加算(http://rehatora.net/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E9%80%A3%E6%90%BA%E8%A8%BA%E7%99%82%E8%A8%88%E7%94%BB%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%8F%90%E4%BE%9B%E5%8A%A0%E7%AE%97%E3%81%AE%E7%AE%97%E5%AE%9A%E8%A6%81%E4%BB%B6%EF%BC%88%E8%80%81%E5%81%A5/)等がある。平成30年度の同時改定では、医療介護連携に関する評価が注目される。

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