保健福祉の現場から

感じるままに

戦略的なAMR対策が必要

2016年12月07日 | Weblog
キャリアブレイン「抗菌薬の適正使用、外来診療の手引き作成へ- 厚労省がAMR小委に方針提示」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50131.html)。<以下引用>
<厚生労働省は5日、厚生科学審議会感染症部会の薬剤耐性(AMR)に関する小委員会に対し、抗菌薬適正使用の手引きを作成する案を示した。抗菌薬が効かないAMR感染症が国内外で増えていることを踏まえたもので、国がこうした抗菌薬の手引きを作成するのは初めて。外来診療に携わる医療従事者の活用を想定し、診断方法や治療方針に加え、患者や家族への説明の方法も盛り込む方針だ。同日開かれた小委員会の初会合で、厚労省は、AMR感染症が世界的に拡大している一方、新規の抗菌薬の開発が近年停滞している現状に触れ、「このままではAMRへの対抗手段が枯渇する」と危機感を示した。また、日本国内の薬剤耐性率を取り上げ、黄色ブドウ球菌のメチシリンに対する薬剤耐性率などが「他国と比較して高い」と説明した。体内に感受性菌と耐性菌が両方ある通常の状態で抗菌薬を投与した場合、耐性菌のみが残ってAMRの拡大を引き起こしている背景があるため、厚労省は外来診療の現場で、抗菌薬の適正使用に関する意識を高めてもらうことが必要と判断。抗菌薬を投与する機会が多いとみられる疾患を取り上げ、手引きをまとめる方針を決めた。手引きには、基礎疾患のない患者の急性気道感染症や急性下痢症といった具体的な対象患者と疾患を明記し、抗菌薬を使うべきか迷う状況であっても適切な診療につなげられるように、診断方法や鑑別診断、治療方針などを記載する。現場の医療従事者に読んでもらうことを重視し、ページ数を抑え、図なども入れて分かりやすい内容にする。手引きの具体的な内容については、小委員会の下に設置する作業部会を中心に今後検討する予定。対象疾患や患者の状態を限定した厚労省の提案に対し、小委員会の委員からは「高齢者で基礎疾患のない患者は、まれにしかいない」といった指摘や、尿路感染症の対応も加えてほしいとの意見が出た。こうした意見に配慮し、厚労省は必要に応じて手引きに反映させる考えを示した。>
 
感染症部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127717)の薬剤耐性(AMR)に関する小委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=401608)の資料が出ればみておきたい。国際的に脅威となる感染症対策関係閣僚会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusai_kansen/index.html)の「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000128659.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusai_kansen/pdf/yakuzai_gaiyou.pdf)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kokusai_kansen/pdf/yakuzai_honbun.pdf)で、ヒトの抗微生物剤の使用量(人口千人あたりの一日抗菌薬使用量)の2020年(対2013年比)は、全体で33%減、経口セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド系薬で50%減、静注抗菌薬で20%減の成果指標が設定されており、医療費適正化の観点からも推進したいところである。「薬剤耐性(AMR)の現状及び薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000128646.pdf)p16「地域感染症対策ネットワーク(仮称)」の中核に「保健所・自治体、ネットワーク会議」が位置付けられていることは認識したい。厚労省通知(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/dl/110623_2.pdf)では、地方自治体の役割として「地方自治体はそれぞれの地域の実状に合わせて、地域における院内感染対策のためのネットワークを整備し、積極的に支援すること」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/dl/110623_2.pdf)とあるが、診療所、薬局、高齢者施設も含めたネットワークには保健所の役割が大きいように感じる。全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p272~「アウトブレイク時の対応(多剤耐性菌を想定)」、p274「中小規模の医療機関における院内感染対策の体制および医療機関間連携」は、高齢者施設ではどうなのであろうか。一昨年9月「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行」(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2014/10/oshirase_iryoukikan_kansennoyobou_sekoukisoku_kaisei.pdf)が発出された後、通知「医療機関における院内感染対策について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20141219_01.pdf)では、「保健所は、医療機関からの報告又は相談を受けた後、都道府県、政令市等と緊密に連携をとること。とりわけ、院内感染の把握に当たり、薬剤耐性遺伝子に関する検査や複数の菌株の遺伝的同一性を確認するための検査が必要と考えられるものの、各医療機関が独自に行うことが技術的に困難である場合には、地方衛生研究所がこれらの検査において中心的な役割を担うことが望ましいこと。」とされた。平成24年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021ei1-att/2r98520000021ele.pdf)p149~で、感染防止対策チームを持つ医療機関と300 床未満の医療機関との連携、及び感染防止対策チームを持つ医療機関同士が相互に感染防止対策に関する評価を行った場合や連携して院内感染対策に当たった場合の評価が行われており、保健所・地方衛生研究所とのネットワークが推進される必要がある。そういえば、厚労省「「院内感染対策サーベイランス」に係る参加医療機関の追加募集について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20160603_01.pdf)が出ていたが、「院内感染対策サーベイランス」について、がん登録(http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html)と同様の対応は考えられないであろうか。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症;CRE(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-140912-1.html)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症;VRSA(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-13-01.html)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症;VRE(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-14-01.html)、薬剤耐性アシネトバクター感染症;MDRA(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-140912-4.html)は、感染症法の5類全数届出感染症(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html)である。WHOの専用HP(http://www.whocc.no/atc_ddd_index/)もあるように、病院のサーベイランスとして、ATC/DDDシステム;Anatomical Therapeutical Chemical Classification/Defined Daily Doseも採用したいところかもしれない。
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