保健福祉の現場から

感じるままに

レセプト審査の地域差解消が不可欠

2016年12月27日 | Weblog
M3「レセプト審査、「コンピュータチェックルール公開を」厚労省検討会が報告書、医療機関の事前確認も可能に」(https://www.m3.com/news/iryoishin/489544)。<以下引用>
<厚生労働省の「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(座長:西村周三・医療経済研究機構所長)は12月26日、レセプトの審査支払機関における審査業務の効率化・審査基準の統一化、ビックデータを活用した保険者機能の強化・医療の質の向上、支払基金の組織・体制の在り方――の3つの柱について提言した報告書(案)を議論、同日の意見を踏まえて修正、取りまとめを行うことを了承した。年明けに最終版の報告書が公表される予定。医療機関にとって注目されるのは、レセプトの審査支払機関が実施しているコンピュータチェックルールを公開し、医療機関がレセプト提出前にチェックするなどして、レセプト返戻に伴う負担を軽減するなど、審査支払業務の効率化が打ち出された点だ。審査支払業務を効率化するため、レセプトの形式を見直し、詳細記述項目については「選択式」を導入することなども提言。コンピュータチェックルールの「見える化」も進め、診療報酬点数表の解釈や地域の差異の明確化も進める。ビックデータ活用については、医療等IDを活用するなどして、健康・医療・介護の各種データベースを連結し、個人のヒストリーを追跡、分析できるプラットフォームの構築を進めるべきとしている。保険者に対しては、ガバナンス強化を求め、データを活用したデータヘルス等の推進を求めている。これら二つの柱についての構成員の意見はほぼ一致したが、支払基金の組織・体制に関しては意見が分かれ、両論併記となった。支払基金には、47都道府県に支部があり、「縮小」方針では一致したものの、「支払基金の支部の集約化・一元化」を求める意見の一方、日本医師会をはじめ三師会は、「地域の顔が見える関係を土台として、医療機関に対するきめ細かなやり取りを通じた適切な審査」を実現するため、「支部を都道府県に残すべき」と求めた。支払基金の改革は、2016年2月の規制改革会議健康・医療ワーキンググループの「論点整理」で、「現行の支払基金を前提とした組織・体制の見直しではなく、診療報酬の審査の在り方をゼロベースで見直す」とされていた。今後、支払基金と厚労省は同基金の業務効率化計画の基本方針、さらに国保中央会も加わり、ビックデータ活用計画の基本方針を、それぞれ2017年春を目途にまとめる。それらを基に具体的計画や工程表の作成を進め、2017年夏を目途に規制改革会議をはじめ、政府の方針として方向性を示し、2018年の通常国会に社会保険診療報酬支払基金等について改革の内容に沿った法整備を行うスケジュールが想定されている。支払基金は2020年1月に審査・支払システムを刷新する予定だった。本検討会報告書は、「刷新計画を見直した上で、2020年度中に、新システムを実施できるようにすべきである」とした。医療機関が、コンピュータルールに基づき、事前チェックが可能になるのは、それと併せたタイミングになる見通しだ。レセプト査定の「地域差」は解消か レセプト審査・支払については、以前から「地域差」があり、審査支払機関のコンピュータルールの公開を求める声が、医療者の間で上がっていた。ルールの公開で透明性が担保され、レセプト提出前に事前にチェックできれば、返戻が減少し、医療機関および審査支払機関の負担は軽減される。一方で、コンピュータルールをどこまで公開するかは今後の検討課題であり、同時にルール公開で審査が画一的になる懸念も生じる。「報告書」(案)では、「審査委員の利益相反の禁止」も求めている。審査される立場の医師が、同時に審査する立場にもなるからだ。(1)審査委員が自ら関連する医療機関の審査は行わない、(2)審査委員が担当する医療機関を定期的に変更していく――という現行では運用上行っている取り組みを、規則として明確化するよう求めている。26日の会議でも、この点が議論になった。副座長で、国立社会保障・人口問題研究所所長の森田朗氏は、「審査には、中立性、第三者性が求められ、医療現場の感覚といかに両立させるかが重要であり、今の状態では、利益相反となる可能性があり得る」と指摘。森田氏は以前の会議で、「審査委員を専任にしたり、審査委員の都道府県間での相互乗り入れを行うべき」との意見を述べていた。一方、日本医師会副会長の松原謙二氏は、「一番重要なのは、医療の現場が分かっている人が審査をすること」と指摘、審査委員は各自が独立して判断しており、自身のレセプトを審査しているわけではないので、利益相反という指摘は当たらないと反論した。「報告書」(案)にはほかにも、さまざまな項目が盛り込まれている。情報処理推進機構 CIO 補佐官の葛西重雄氏からは、「45個くらいのアクションが書かれているが、誰が実施するかが分からない」との指摘も上がった。前述のように、厚労省ら3者が責任を持って進めることになるが、業務効率化とビックデータ活用の計画(工程表)がどんなに内容になるか、それを基にどんなスピードで具体化が進むかが今後の注目点だ。>

メディウォッチ「審査支払改革で報告書まとまるが、支払基金の組織体制で禍根残る―質の高い医療実現に向けた有識者検討会」(http://www.medwatch.jp/?p=11771)。<以下引用>
<「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」が26日、報告書を座長一任で取りまとめました。今後、厚生労働省や社会保険診療報酬支払基金、国民健康保険中央会で▼業務効率化に向けた工程表 ▼ビッグデータ活用に向けた工程表―について練り、基本方針を来春(2017年4-5月頃)に固める予定です。また支払基金のシステム刷新計画を全面的に見直し、2020年度中に稼働するスケジュール感が示されていますが、この点について厚労省保険局保険課の宮本直樹課長は「医療機関における事前のレセプトチェックも同時に実施したい」旨の考えを示しています。レセプト審査体制、現場感覚と「公正性」確保の双方が必要 診療報酬の請求内容は、被用者保険加入者については支払基金で、国保加入者については国民健康保険団体連合会(国保連)で審査され、請求内容に誤りがあれば、査定(減額)や返戻(差し戻し)が行われます。規制改革会議は、この体制について「効率性」と「統一性」を確保する必要があるとし、▼医師の関与の下で、全国統一的かつ明確な判断基準を策定する ▼支払基金が行っている「職員による点検」「説明・指導」などの要否を検討し、不要・非効率な業務を削減する ▼民間企業を含めた支払基金以外の者を保険者が活用することが適切な業務がないかを検討し、それらがある場合の具体的な活用の仕組みを構築する ▼なお「支払基金が担うことが適切な業務」がある場合には、その具体的な組織・体制等の在り方(業務拠点も含めた職員およびシステムなどの体制、業務範囲、法人形態、ガバナンス体制、事務費負担の在り方など)を検討する―ことを求めました。厚労省はこれを受けて有識者検討会を今年(2016年)4月に設置。支払基金や国保連、保険者からのヒアリングなどを精力的に行ったほか、検討会の下に「審査業務の効率化」と「ビッグデータ活用」に関するワーキンググループを設け専門的な議論を行い、今般、報告書取りまとめに至ったものです。報告書は、21日の前回会合で示された「議論の整理」をベースにしており、大幅な変更はありません。おさらいすると、次のような点がポイントと言えます。【審査業務の効率化・審査基準の統一化】▼支払基金内に専任のCIO(Chief Information Officer)と、それを支援するICTの専門家によるタスクフォースを設置し、コストパフォーマンスが高く最適な設計思想に基づく業務・システムを実現する、現在の『システム刷新計画』は全面的に見直す ▼審査支払機関(支払基金と国保連)のコンピュータチェックルールを公開し、レセプト請求前に医療機関でのチェックを可能とする ▼コンピュータチェックルールやチェック結果の差異の把握・分析や統一化などについて、厚労省・医師会など・支払基金・国保連に加え、関連政府機関、ICT関連の有識者などが集い、具体的に点数表の解釈や地域の差異を明確化していくなど、定期的にPDCAを回して継続的に検討していく場を設ける 【ビッグデータ活用】▼保健・医療・介護のデータベース間で連携が行えるよう、支払基金・国民健康保険中央会が医療等 IDの発行を行うとともに、該IDを利用して保健医療に関するビッグデータを活用していくことを検討する ▼健康・医療・介護のデータベースを連結しプラットフォーム化していくことで、個人の保健医療に関するヒストリーをビッグデータとして民間を含めた専門家が分析することを可能にし、医療の質向上につなげる。その際、既存インフラを最大限活用する観点から、支払基金・国保連で管理・運営・分析などを行う 【支払基金の組織・体制の在り方】▼2021年1月に実現予定であった審査・支払システム刷新計画を全面的に見直し、ビッグデータ活用のためのシステムの実装時期も踏まえ2020年度中に新システムを実施できるようにする ▼システム刷新による業務効率化を踏まえ、47都道府県における支部の職員体制・規模を必要最小限のものに縮小していくが、「集約化・一元化など抜本的な見直しを求める意見」「現行の47都道府県における支部の継続を求める意見」「業務効率化の後に支部の体制を検討すべきとの意見」があった ▼審査の一元化については、積極的に進めるべきとの意見と困難であるとの意見と両論があった ▼支払基金で業務改革が進まない場合には、民間事業者の活用を含め、どのような組織・体制が適しているかをゼロベースで検討すべき このうち「支払基金の組織・体制」について、この日の会合でも激論が交わされました。森田朗座長代理(国立社会保障・人口問題研究所長)は、このテーマについて「本来であれば『審査支払機関に専従の医師』を配置することが望ましく、それが難しいのであれば『審査委員の相互乗り入れ』(利益相反を禁止するために、A県の医師がB県で審査委員を行うなど)を行うべきと以前に指摘した。審査の客観性を担保することが極めて重要である」と指摘。また林いづみ構成員(桜坂法律事務所弁護士)も、審査支払機関専従の医師について記述すべきとしたほか、「再審査を同じ審査体制で行っていることは理解が得られない」と強調しました。いずれも「審査の公正性」の確保をこれまで以上に確保すべきとの見解です。これに対し松原謙二構成員(日本医師会副会長)は、「審査業務はハードで、専従者を確保することは非常に難しい。再審査も、実際は別の審査委員が担当している。『現場を分かっている医師が審査している』という信頼感が、現在の円滑な審査体制のベースとなっている。現場も分からず改革案を作ったのでは、審査体制が崩壊してしまう」と反論しました。なお森田座長代理は「現場感覚の重要性は言うまでもない。ただし、今のままでは利益相反を疑われても仕方がない」とし、より透明で公正な審査体制の確保が必要と理解を求めています。また規制改革会議のメンバーでもある林構成員は、「有識者検討会においては支払基金の組織・体制に関する議論が極めて不十分であった。今後、規制改革会議でもフォローアップをしていく」との見解を強調しました。後述するように、厚労省や支払基金、国保中央会で改革工程表を来春までに作成することになりますが、林構成員の発言からは、その間にも規制改革会議から注文がつくことが予想されます。「支払基金の組織・体制」については、場を変えて、さらなる議論が行われる可能性もありそうです。このほか、「特に介護分野についてデータの充実が必要である。例えば郵便番号のレセプトへの記載を求めるだけで、分析が大きく進む」((山本雄士構成員:ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチャー)、「未コード化傷病名を解消し、データの質向上を目指すべきである」(山本隆一構成員:自治医科大学客員教授)、「報告書には、『支払基金に個々の保険者への支援が期待されている』とあるが、被用者保険側はそこまで望んでいない」(白川修二参考人:健康保険組合連合会副会長)といった意見も出されています。こうした意見を踏まえて、西村周三座長(医療経済研究所長)、森田座長代理、厚労省の三者で修正されます。宮本保険課長は「確定版を年明けに公表することになるのではないか」と見通しています。医療機関におけるレセプト事前チェック、2020年度中に実施へ ところで報告書では、今後の予定について(1)業務効率化(2)ビッグデータ活用―のそれぞれについて工程表の基本方針を来春(2017年4-5月)にも固める方針を明確にしています。(1)の業務効率化については厚労省と支払基金で、(2)のビッグデータ活用については厚労省、支払基金に国保中央会が加わって基本方針をまとめることになります。工程表は順次アップデート・精緻化していくものであるため、基本方針は「工程表の大枠」や「工程表のバージョン1.0やβ版」などと考えることができるでしょう。さらに宮本保険課長は、「(1)の業務効率化の工程表には、支払基金の新システム刷新計画(全面見直し版)も盛り込まれ、そのほかに組織体制の見直しなども含まれる」ことを明らかにしています。また、新システム刷新計画について、報告書では「2020年度中に実施すべき」としていますが、ここには前述の「審査支払機関(支払基金と国保連)のコンピュータチェックルールを公開し、レセプト請求前に医療機関でのチェックを可能とする」という改革内容も含めたいとの考えを宮本保険課長は明らかにしています。事前レセプトチェックが導入されるとなれば、医療機関のレセコンなどのシステムや医事課業務などにも影響が出てきます。事前チェックシステムどのような仕組みとなるのか、注目が集まります。>
 
「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=350947)の報告書案(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000147070.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000147069.pdf)が出ているが、p9「審査・支払効率化ワーキンググループにおける検討においても、審査の地域差についての具体的な内容までは吟味できていなかった」では話にならない。「医療費適正化基本方針」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138072.pdf)で医療費地域格差半減を目指すのであれば、審査の地域差解消は優先されなければならない。審査の地域差解消がなければ、「医療費の地域差分析」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/index.html)は色あせてしまう、報告書案(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000147070.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000147069.pdf)p9「支部の審査委員会については、各地域の審査委員が当該地域の診療機関で診療を行っている医師等が選任され、審査される立場の医師等が同時に審査する立場にもなることから、利益相反を禁止する必要」はいうまでもない。p9「レセプトからわかる情報以外にも地域の医療提供体制や環境、家族の状況、生活習慣等の状況を踏まえて都道府県単位で審査を行う必要」に疑問を感じる方が少なくないかもしれない。これでは「データヘルス時代の質の高い医療」には程遠い。そもそも審査に従事する高齢医師は日進月歩の医療に対応できているのであろうか。社会保険診療報酬支払基金資料(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20161024/161024iryou02.pdf)p6「統一的、客観的な判断が可能なコンピュータチェック項目は公表 (例)統計的に70%以上査定されている項目」とあるが、もっと情報公開は徹底すべきで、「統計的に70%以上査定されている項目」に限定する必要はない。厚労省(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/iryou/20161024/161024iryou01.pdf)p3「審査結果等のデータ蓄積を自動化し、統計的な分析結果の参照や過去事例の検索や人工知能の活用などにより、医学的判断を要する審査手続きの効率化、高度化を行うこと」に期待したい。
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