保健福祉の現場から

感じるままに

医療介護のパラダイムシフトと分析データの活用

2017年01月30日 | Weblog
日刊工業新聞「ハードからサービス、サイエンスまで 患者と医師の“依存関係”を変える時がきた 医療・介護の大改革に臨む」(https://newswitch.jp/p/7754)。<以下引用>
<わが国の保険医療は少子高齢・人口減少社会に臨んで持続困難なことから、2013年8月にまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書に則り、医療介護総合確保推進法などによって大胆な改革が進められています。また、13年6月に閣議決定された「日本再興戦略」では、健康・医療を成長戦略の中核とし、先端研究振興、新産業創出、国際展開、雇用創出などのけん引役として位置付け、医療を国民負担から成長の切り札へとパラダイムシフトさせています。民間活力で保健・医療を補完することによって保険医療の守備範囲や内容が大きく変わろうとする現在、医療機関の改革と併せて国民にも受療行動の変容が求められる時代です。国民会議報告書の最初には「医療は自助を基本としつつ自助および自助の共同化としての共助で対応できない場合に公助が補完する」とあります。医療の権利的側面が取り上げられることの多い今日、義務としての自助の確認は意義あることだと思います。生活習慣病のように発症・進展に自身の関与が大きく影響する疾病もありますし、そもそも自らの主体的関与なくしては医療は成り立ちません。また、報告書には医師業務をチーム医療によって分業化し、効率的な医療提供を求めています。病院は組織を介して継続的に医療提供できることが特徴ですが、実情は個人の職能や医師への依存が大きく、組織力を発揮できずに効率が悪いと言われています。医療提供者側は分業を推進する一方で、患者さんも受療行動を変えて医師だけに依存した医療からの脱却が求められています。さらに、病院の共助も必要でしょう。経営の異なる病院間で医療提供に必要な機器や運営の仕組みの共通化を図れば、医療連携の推進や病院経営の合理化は大きく進むと考えます。共通化の対象は、医薬品、診療材料、医療消耗器具、備品などの材料、医療機器から組織運営の諸規定まで多岐にわたります。電子カルテのようなシステムはその恩恵が大きいでしょうし、医療の質向上にも貢献すると思われます。医療はその公益性ゆえにさまざまな規制と独占があるのですから、経営の独立性と運営の共通化を両立することは可能だと思います。むしろその先の質向上や特徴を競うべきでしょう。医療を受ける人も医療を提供する側も、自助と共助に努めてわが国の医療を支えることが重要な時代です。>
 
官邸「健康・医療戦略推進本部」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/)の「健康・医療戦略改訂案」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai13/siryou4.pdf)、経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「経済・財政再生計画改革工程表2016改定版」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1221_2/shiryo_03-1-2.pdf)、未来投資会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/)の「医療・介護-生活者の暮らしを豊かに」会合資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo_iryokaigo_dai4/siryou1.pdf)はセットで理解したい。平成30年度からの第7次医療計画(6年間)、第7期介護保険事業計画(3年間)、第3期医療費適正化計画(6年間)は平成29年度策定であるが、医療介護のパラダイムシフトにつながるかもしれない。平成30年度からの国保の都道府県運営化も意外に大きいかもしれない。「NDBオープンデータ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)、地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)、「在宅医療にかかる地域別データ集」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html)、日本健康会議データポータル(http://kenkokaigi-data.jp/・データマッピング(http://kenkokaigi-data.jp/datamap/)、経済・財政一体改革推進委員会(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/index.html)の見える化ポータルサイト(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/mieruka/index.html)データ集(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/mieruka/data/index.html)など各種の「見える化」が図られているが、分析データの活用は弱い感じがする。第1回NDBオープンデータ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139390.html)にはレセプト分析データや特定健診分析データが出ているのであるが、都道府県単位どまりである。厚労省「在宅医療の推進について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html)の「在宅医療にかかる地域別データ集」では市町村別の居宅死亡割合や施設死亡割合をはじめ、在宅医療に関する市町村別の各種データが出ているのであるが、なぜかレセプト分析データは除外されている。一方で、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データは二次医療圏、市町村単位で詳細に出ているが、平成27年7月28日医政局地域医療計画課事務連絡「地域医療構想策定支援ツール等から得られる情報の関係者間での共有等について」、平成28年9月14日医政局地域医療計画課事務連絡「医療計画作成支援データブック【平成27年度版】の利用について」では、医療計画作成支援データブックのNDB分析データの活用は医療計画・地域医療構想関係者に限定され、NDB分析データ(生データではない!)の活用には「国が定める誓約書」による厳格な規制がかかっており、地域包括ケアを担当する行政職員すら閲覧できないでいる。まずは、厚労省が、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データを、少なくとも行政職員に直ちに開放すべきである。そして、関係機関・団体・住民と分析データを共有できるように規制緩和すべきである。これはまさにパラダイムシフトに向かう国の姿勢が問われるであろう。
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