保健福祉の現場から

感じるままに

サ高住の実態と公的保険外サービス

2016年10月19日 | Weblog
毎日新聞「サービス付き高齢者住宅 制度5年 利用者、想定とずれ」(http://mainichi.jp/articles/20161019/ddm/016/100/023000c)。<以下引用>
<見守りなどのサービスがあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が、2011年10月の制度開始から5年を迎えた。参入規制が緩いうえ国から補助金が出るため、急速に建設が広がり、20万戸を超えている。当初は早めの住み替えを検討している高齢者の利用を想定していたが、実態は介護の必要な高齢者の受け皿に。このため、制度と入居者の実態にずれが生じている。実態は介護施設 「諸般の事情により10月末日を持ちまして業務を終了する運びとなりました」。三重県四日市市で昨年9月30日、サ高住の運営事業者が突然、廃業を通知し、認知症だったり生活保護を受けていたりする高齢者を含む入居者22人に1カ月後の立ち退きを迫った。14年秋に開業したばかりだった。廃業の通知を知ったケアマネジャーの斎藤則子さん(59)は市に通報。他の事業者が引き継がなければ入居者の行き先がなくなるため、すぐに他のケアマネジャーとともに受け入れ先探しに奔走し、月内に全員を転居させた。サ高住は高齢者が暮らしやすい環境を整えた賃貸住宅で、都道府県などへの登録制になっている。入居者は高齢者のため、登録基準に「居住の安定が図られた契約」があり、10年以上は運営するよう求められている。譲渡する場合でも事業者が引き継ぎ先を探すのが通例だ。しかし、四日市市のケースでは事業者と連絡が取れなくなり、県や市が「対応困難」と判断したのは月の半ばを過ぎていた。担当部署は県の住宅担当の課のほか、市の高齢福祉や生活保護の担当課など複数にわたり、情報共有や連携にも時間がかかった。斎藤さんは「行政に情報を伝えて働きかけても明確な返答や指導がもらえなかった。私たちが動かなかったら利用者はどうなっていたか。今でも何もしてもらえなかったとの思いが残る」と話す。この反省を踏まえ、県と市は今年2月、廃業により入居者の住まい確保が必要になった場合の取り組みをまとめ、県が主体となって関係者と連携することを確認した。入居者の9割が要介護認定を受けているとの調査もあり、多くのサ高住は実態として介護施設化している。だが、入居希望者向けに公開されている登録情報は「賃貸住宅」並みで安心して暮らせるかどうかはわかりにくい。医療や介護が十分に受けられない物件もある。東京都内のサ高住で訪問診療する医師は「ヘルパーは日中しか来てくれないので、ある末期のがん患者は、最期の2週間は24時間付き添いヘルパーを入れた。サ高住には医療も介護もそろっていると勘違いしている家族がいる」と話す。有料老人ホームなど高齢者住宅の事情に詳しいタムラプランニング&オペレーティングの田村明孝社長は「『早めの移り住み』とか『自立した高齢者の生活の場』といわれたが、現実は介護度が高く行き場のない高齢者の受け皿になっている。政府は、多額の建設・運営費がかかる特別養護老人ホームの増設には消極的で、介護費用の高い介護付き有料老人ホームも介護保険財政を悪化させるとして総量規制をしている。それをサ高住が担う形になっている」と指摘。情報の公開も不十分だとし、「介護サービスを受けたくても『うちはできない』と言われればそれで終わり。入居の際に確かめるしかないのが現状だ」と話す。こうした状況を受け、国土交通省は、登録情報を閲覧する際に、より詳細な情報がみられるよう事業者に求める方針を決めている。一方、医療も介護もそろっていても問題のあることも。あるケアマネジャーは「事業者が指定するデイサービス、ホームヘルプ以外、一切使わせないところもある」と明かす。入居者に系列の介護事業者を使わせて確実に利益を確保する事業者もある。「囲い込み」と呼ばれ、利益のために必ずしも必要ではないサービスまで受けさせられるケースもある。空き家活用の動きも 負担より軽く サ高住は、社会福祉法人や医療法人だけでなく株式会社も手がけることができる。老人福祉法の規制を受ける有料老人ホームより参入しやすい上、国などの補助金もあり、急激に成長した。政府は、サ高住だけでなく高齢者向けの住宅について、20年までに12年(約54万戸)から倍増させ、100万戸以上とする目標を掲げている。15年度補正予算でサ高住約2万人分の整備費が盛り込まれた。ただ、大都市圏では家賃・共益費に生活相談・見守りサービスをつけると平均月11万円を超え、食費や介護費用も別途必要で、生活資金に余裕のない高齢者にはハードルが高い。そこで、空き家などを活用した高齢者向けの住宅を提供する試みも始まっている。東京都町田市の住宅街にあるアパートに住む男性(78)は2年前、静岡県から夫婦で転居してきた。対応した不動産業者は男性の様子から認知症を疑い、特養などを運営する同市内の社会福祉法人「悠々会」を紹介した。悠々会は、高齢者の生活を支援する見守り付き賃貸アパート「あんしんハウス」を運営する。要介護2の男性は妻(67)とハウスに入居した。あんしんハウスでは、室内に生活の状況から異変を察知したり、ガス漏れをチェックしたりするシステムが整い、職員が日常生活の相談にも応じてくれる。費用は月額6万4000円だ。空き家のオーナーに賃貸料の引き下げを交渉して借り上げることで入居者の負担軽減を図っている。あんしんハウスの事業を始めたきっかけは、介護を必要とする人の相談などに応じる地域包括支援センターの運営を市から委託されたことだ。持ち家がなく生活に困っているうえ、介護が必要な高齢者や、保証人がいないため賃貸住宅に入居しにくい高齢者らの多いことを知った。物件は入居希望者と一緒に探し、現在は7組8人が別々のアパートに暮らす。担当の鯨井孝行さん(36)は「法人が借り上げるためオーナーも貸しやすい。今後は、入居者の孤立を防ぐ社会参加や就労の機会を提供していきたい」と話す。立地の偏りに課題 サ高住の登録制度は「高齢者住まい法」の改正で創設された。原則25平方メートル以上 ▽バリアフリー構造 ▽見守りサービス ▽生活相談−−の四つを満たすことが条件で、事業者が都道府県や政令市、中核市などに登録。家賃やサービスに関する情報が公開されている。新築だと1戸につき最大120万円の補助金が国から出る。入居費用は家賃、共益費、生活相談・見守りサービス費用の合計で全国平均9万9000円。地価が安いところほど多くつくられる傾向にあり、立地の偏在が課題だ。入居者の3割以上が要介護3以上で、認知症で日常生活に支障が出るとされる2以上も4割を占める。約8割は通所介護事業所など高齢者支援施設を併設しているが、デイサービスや訪問介護、泊まりなどの機能を持つ「小規模多機能型居宅介護」の併設・隣接は1割程度にとどまる。>

読売新聞「在宅医療費、保険で軽減」(http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20161018-OYT8T50025.html)。<以下引用>
<特約、各社から続々…一時金や終身保障も 高齢化が進み、入院せずに自宅などで療養する在宅医療を受ける人が増えている。病気やけがをした際に給付金が支払われる民間の医療保険は、これまで入院保障に重点を置いてきたが、在宅医療も特約で保障の対象にするものが出てきた。患者数2.4倍に 日本在宅医療学会の理事長で、横浜市の「睦町クリニック」の城谷典保医師は、自宅や介護施設で療養を続ける患者の訪問診療を行っている。末期がんや人工呼吸器を必要とするような重症患者も多いという。「自宅で最期を迎えることは、もはや珍しくありません」と話す。厚生労働省の推計では、2014年に在宅医療を受けた患者数は1日あたり約15・6万人で、05年の約6・5万人から2・4倍に増えている。政府は医療費を抑制するため、療養患者の入院ベッド数を減らしており、長期の入院はますます難しくなりそうだ。城谷理事長は「高度な治療を行う病院を退院して、在宅医療を勧められるケースは増えていく」とみている。条件はさまざま こうした流れの中、民間の医療保険で、在宅医療の保障付き特約が登場している。基本の保険料などに数十円から千数百円の特約保険料を加えることで契約できる。SBI生命が今年2月発売した終身医療保険「も。」の在宅医療向け特約は、給付金が月6万円(70歳以上は3万円)、最長36か月まで支給される(入院保障1日1万円の場合)。 明治安田生命の医療保険「メディカルスタイルF」は、退院翌日から180日(がんの場合は730日)間、医療費の自己負担分の全額を支給するほか、一時金として1万円を給付する。この2社は、入院時と同じ病気やけがで在宅医療を受けた場合が対象となる。また、医療機関以外で自己注射、人工透析、酸素療法のいずれかを受けた場合を保障の対象にする特約もある。 マニュライフ生命の「こだわり医療保険 with PRIDE」は毎月3万円が60回を限度に、フコクしんらい生命の「医療自在FS」は、85歳まで5万円~50万円の一時金が、それぞれ支給される。介護ジャーナリストの小山朝子さんは「負担感を和らげるのに役立つが、年齢や治療内容によっては給付の対象外の場合もあるので、条件を調べて契約する必要がある」と話す。高まるニーズ 在宅医療にかかる医療費は一定の範囲に収まるのが一般的だ。公的医療保険の高額療養費制度によって、70歳以上の高齢者ならば、収入に応じて月8000円~4万4400円を超える医療費は支払いが免除される。ただ、小山さんによると、滅菌ガーゼ、カテーテルなど、日常のケアに使う医療関連品を自己負担する場合もあるという。さらに在宅医療では、生活費や介護費などの費用がかさむことになる。医療情報サイト「QLife(キューライフ)」の昨年の調査では、、在宅医療を受ける患者の家族500人のうち76%が費用を「負担に感じている」と回答した。保険の役割は今後も高まり、利用者のニーズを把握した内容の充実が求められそうだ。>

国土交通省「今後の高齢者向け住宅のあり方と施策の方向性についてとりまとめ」(http://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000153.html)(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house07_hh_000120.html)(http://www.mlit.go.jp/common/001132653.pdf)p7「サ高住には、自立から軽度の要介護の方が多いが、要介護度3以上の方が約3割、認知症自立度Ⅱ以上の方が約4割入居するなど、既に介護や医療の必要な方の入居も相当進んでいる。」の認識は持ちたい。地域包括ケアシステムを進めるには「「住居がバリアフリー、安否確認サービスを行う、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」(https://www.satsuki-jutaku.jp/)の地域実態をしっかり把握する必要がある。厚労省の介護事業所・生活関連情報検索(http://www.kaigokensaku.jp/)による介護施設情報と同程度の情報公開が期待される。また、市町村の地域包括支援センターが地元周辺の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」(https://www.satsuki-jutaku.jp/)の実態の詳細を把握しておく必要がある。民生委員や健康づくりボランティア等での見学会も良いかもしれない。これだけ地域包括ケアシステム(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/)が強調される中で、あまりに知らなさ過ぎるように感じる。そういえば、総務省「有料老人ホームの運営に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/107317.html)が出ていた。「高齢者施設の食事、殺菌や温度管理徹底を-厚労省が集団食中毒踏まえ通知」(http://www.kaigo-s.com/news/newsfeed/2585/)、「高齢者施設などの防犯対策で留意点- 相模原事件受け、厚労省が点検項目を作成」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49656.html)も出ているが、行政側による高齢者施設に対する監視はどうなっているであろうか。ところで、今年3月「「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集」(保険外サービス活用ガイドブック)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000119256.html) (http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160331007/20160331007.html)が出ているが、金融商品(民間保険)を含めても良いように感じる。「老いるマネー」の不安解消策が必要であろう。平成28年版厚生労働白書(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/)のテーマは「人口高齢化を乗り越える社会モデルを考える」であり、本文(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/dl/1-02.pdf)p77~78ではコンビニによる宅配サービスが紹介されている。
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