保健福祉の現場から

感じるままに

地域医療構想に対する誤解をなくすべき

2017年05月17日 | Weblog
キャリアブレイン「14万床が不要に? グラフで見る25年の必要病床数 許可病床の3割超が余る所も」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170516121925)。<以下一部引用>
<2025年時点の需要にマッチする医療提供体制の姿を示す「地域医療構想」を、全都道府県が策定した。厚生労働省によると、入院医療の需要を賄うために必要な病床数は計119万821床で、15年時点での許可病床数を約14万床(10.5%)下回る。病院経営者は思わず耳をふさぎたくなるかもしれないが、事情は地域ごとに大きく異なり、中には増床しないと需要を賄えそうにない所も。そんな地域差を都道府県単位で紹介する。■少子・高齢化で医療需要は様変わり 地域医療構想の必要病床数は、少子・高齢化や人口減少が進む25年時点での入院医療の需要を推計し、常時必要な一般病床と療養病床の数を割り出したもの。少子・高齢化の進み具合は地域ごとに差が激しいため、二次医療圏単位で推計するのが原則だ。病床の医療機能を「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」の4つに分け、それぞれで算出する。各都道府県の推計結果はグラフ1の通り。25年には、人口ボリュームが大きい団塊世代が75歳以上になる。これに伴って医療の需要は大きく様変わりし、高度な手術が必要な患者よりも、肺炎や骨折で入院して、在宅復帰に向けてリハビリテーションを受ける患者らが増えると考えられる。つまり、急性期機能などの需要が減る一方で、回復期機能の需要が増加すると見込まれる。また慢性期機能に限っては、人口構造の変化とは別の理由で需要を少なく見積もる。国は、医療の必要度が低い入院患者が一定数いて、そうした人が今後は在宅で暮らせるようになると見込んでいるのだ。そのためには在宅患者を支える医療・介護サービスが不可欠で、都道府県は地域医療構想に、在宅医療の提供体制の充実策も盛り込んでいる。■医療界に走った衝撃、実際はそれほどでも? 都道府県の必要病床数の推計は、そうしたことを前提にしているが、これに先立つ形で政府の「医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会」が各都道府県の必要病床数を推計、15年6月に結果を公表している。>
 
地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)について、「地域医療構想に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf)p31~「各構想区域における4機能ごとの病床の必要量」に掲載されていることは常識にしたい。いまだに地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)に関して、「地域医療構想=病床削減⇒医療難民」の根強い誤解がみられるようである。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p13にあるように、高度急性期・急性期・回復期の構想区域の2025年の医療需要=[当該構想区域の2013年度の性・年齢階級別の入院受療率×当該構想区域の2025年の性・年齢階級別推計人口]を総和したもので推計され、ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p23の必要病床数を計算する際の病床稼働率は、高度急性期75%、急性期78%、回復期90%、慢性期は92%である。2013年の入院受療率をベースとし、かつ比較的余裕のある病床稼働率が勘案されていることは認識したい。例えば、急性期病床過剰と判断される地域は、市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少だけでなく、「病床利用率が低い一般病床」の存在が大きい。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの「許可病床数・稼動病床数」が報告され、また、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床及び前年度1日平均患者数が出ており、各医療機関の病床利用率がわかり、病床稼働率が高くても病床利用率が低い医療機関が少なくない状況にある(特に一般病床)。それぞれの地域において、「病床利用率が低い一般病床」の存在と市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)を理解したい。もはや、どの病院も医師・看護師を確保して病床利用率を上げる時代ではない。それは「地域住民にもっと病気になってくれ、ケガしてくれ」と要請することにもつながりかねない面もあることは認識したい。また、慢性期病床が過剰とされる地域では、地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p17「医療区分Ⅰの70%を在宅医療等で見込む」と「療養病床入院受療率の地域差解消」が大きい。但し、ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p15、p21の図6「慢性期機能及び在宅医療等の医療需要のイメージ図」に「在宅医療等とは、居宅、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、その他医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であって、現在の病院・診療所以外の場所において提供される医療を指し、現在の療養病床以外でも対応可能な患者の受け皿となることも想定。」とあることの認識が不可欠である。在宅医療等であって、意図的に「等」を抜いてはならない。既に「療養病床の在り方等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=282014)の「サービス提供体制の新たな選択肢の整理案」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000110443.html)を踏まえ、「療養病床の在り方等に関する特別部会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=353786)の報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146258.html)が出たが、医療ケアなしの新たな類型施設はあり得ない。介護給付費分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho.html?tid=126698)のスケジュール(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000163529.pdf)では夏頃までに「介護医療院の報酬・基準や各種の転換支援策」「特別養護老人ホームの施設内での医療ニーズや看取りに、より一層対応できるような仕組み」等が議論されるが、前回改定以上に注目度が高いであろう。なお、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)を踏まえた「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)について、総務省「公営企業の経営戦略及び新公立病院改革プランの策定状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439913.pdf)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000149.html)で、都道府県別の策定状況(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439915.pdf)も出ていたが、「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)が具体的に進まないのに、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は進まない。総務省通知(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)p8では、「過去3年間連続して病床利用率が70%未満」である病院に対して、抜本的な検討が要請されている。まずは公立病院の「稼働していない病床」「利用率が低い病床」の検討を先行すべきであろう。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「地方自らの行財政改革に向けて」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0511/shiryo_03-1.pdf)p3「総務省は策定の遅れている新公立病院改革プランの策定を促すとともに、病床再編等の地域医療構想との関係性をしっかり明示すべき。不採算地区以外の病院については、繰出金への依存をより減らすべき。」とある。「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)は平成32年度までの計画であり、「地域医療構想」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の前半のハイライトであろう。資料「公立病院経営に関する分析平成28年度「公立病院の経営改革による経済・財政効果に関する調査」報告より」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290417/shiryou3.pdf)p8「小規模病院の立地状況と収支」では、総病床200床未満である406病院が、「不採算地区外病院(124病院)」と「不採算地区病院(282病院)」で分けられ、p10「不採算地区外病院競合有り(89病院)」、「不採算地区外病院競合無し(35病院)」、p11「不採算地区病院競合有り(130病院)」、「不採算地区病院競合無し(152病院)」とマッピングされていたが、まずは、それぞれの公立病院がどれにあたるのか、情報共有の徹底が必要と感じる。しかし、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の推進にも限界があることは認識しておきたい。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)は一般病床と療養病床を有する医療機関だけであって精神病床は対象外である。また、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では、精神疾患も柱の一つであるが、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)での必要病床では精神病床は除外されている。「経済・財政再生計画 改革工程表」(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia281027/03.pdf)にも精神関係はないし、財政制度等審議会財政制度分科会(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の「社会保障② 年金、生活保護、雇用、障害福祉、医療提供体制)」(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia281027/01.pdf)でも、なぜか精神関係は出てこない。精神病床、精神科を特別視する時代ではないように感じるのであるが...。
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