保健福祉の現場から

感じるままに

公立病院の見える化

2017年05月15日 | Weblog
メディウォッチ「公立病院、今後3年程度で事業の広域化や経営統合・再編を加速せよ—経済財政諮問会議」(http://www.medwatch.jp/?p=13652)。<以下引用>
<公立病院について、今後3年程度の間に、▼経営体制の見える化や外部人材登用の制度化 ▼事業の広域化や経営統合・再編の加速化 ▼新公立病院改革プランの策定促進と、病床再編などと地域医療構想との関係性の明示 ▼不採算地区以外の病院に対する繰出金への依存減―などを行う必要がある—。11日に開催された経済財政諮問会議では、民間議員からこのような提言が行われました。小規模の公立病院、不採算地区以外では繰出金を減らせ 公立病院や水道事業などの地方公営企業については、小規模多数の事業体という特徴があり、資金や人材の不足が大きな課題となっており、公営企業繰出金が3兆円規模に膨らんでいます。諮問会議の民間議員は、この繰出金が地方財政を圧迫していることから、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定した上で、今後3年程度の間に次のような取り組みを加速する必要があると訴えています。▼経営マネジメント強化の観点から、「経営体制の見える化」や「外部人材の登用」を制度的に促す ▼経営戦略などの策定を促すとともに、構造改革の進捗状況と効果をチェックする ▼事業の広域化や経営統合・再編を加速する。その際、課題となる「事業体間の経営力格差」を乗り越えて再編・統合を進める先進事例の横展開を図る ▼総務省は策定の遅れている新公立病院改革プランの策定を促し、病床再編などの地域医療構想との関係性をしっかり明示する ▼不採算地区以外の病院については、繰出金への依存をより減らす 公立病院と私的病院とで医業収支比率を比較すると、とりわけ小規模の公立病院で医業収支比率が低い実態があると民間議員は指摘。さらに、不採算地区(2014年度では、「150床未満の一般病院で、最寄りの一般病院まで15km以上」または「150床未満で人口集中地区以外に所在」)以外の病院では、「他会計繰入金対医業収益比率」が、公立病院全体に比べて2ポイント近くなっていることなども勘案し、上記のように「繰出金への依存を減らす」よう求めています。今後、地域医療構想調整会議が各地で開かれ、病院・病床の機能分化・連携に向けた具体的な議論が進められます。そこでは、まず「公立病院」を含めた公的病院の役割を明確化することが求められており、再編や統合も視野にいれた改革圧力がさらに強くなってくる可能性があります。>
 
読売新聞「危機感 全職員で共有<県立病院機構>」(http://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20170514-OYTNT50050.html)。<以下引用>
<◇経営改善 ようやく本腰 債務超過の地方独立行政法人・県立病院機構が、収支改善に向けた取り組みに躍起だ。県直営から独立法人へ移行した2014年度から毎年赤字を計上し、累積赤字は51億円を超す。来春には、建て替え工事中の県総合医療センターの新病院が、奈良市七条西町にオープンする予定で、経営改善が急務となっている。■意識改革 「5月11日 前日稼働率5階北100%、ICU37・5%……」 同市平松の同センター2階にある医局近くの廊下に、倉庫で眠っていた1台の古いホワイトボードが置かれたのは4月中旬のことだ。1日3回更新される入院者数などの書き込みに、通りかかった医師や看護師は足を止め、最新の数字を確かめる。病床の稼働状況を事細かにチェックすることで、病院の経営に対する職員の意識を変えようという試みだ。大峯朝記・事務部長は「職員全員が現状を把握し、危機感を共有することが大事」と、狙いを説明する。同センターなどを運営する県立病院機構の経営改善策は、今年に入ってから本格化した。これまで各病院に勤務する看護師や薬剤師らに月額4000~5000円支給していた「病院勤務手当」を、4月に廃止。県によると「他県ではあまり見られない手当」だという。さらに、勤務する医師の給与に上乗せしていた「初任給調整手当」も減額。多くの医師は、月額約5万7000円カットされた。両手当の廃止や削減で、17年度は8200万円の経費削減につなげる。こうした改革を主導する県病院マネジメント課の岡本真昭参事は「今後、医師には業績評価を導入し、県立病院時代から据え置きになっていた給与体系の見直しにも着手したい」と話し、厳しい表情で付け加えた。「そうしないと、本当に病院を維持できなくなってしまう」 ■赤字の構図 同機構は同センターのほか、県西和医療センター(三郷町)、県総合リハビリテーションセンター(田原本町)などを運営する。県は独法化の際に16億円を出資。その後も毎年運営費を負担し、昨年度は18億円をつぎ込んだ。しかし、支出は想定を上回り、1年目の14年度は29億円、15年度は22億円の赤字を計上。負債額が資産総額を上回る債務超過の額は、15年度末で約35億円に上り、その後も増加に歯止めがかかっていない。独法化の狙いは、現場の裁量を広げて経営の効率化を進め、支出を減らすことだった。皮肉なことに、その独法化が赤字を招く結果となった。県の直営だった時代は収支不足を県が穴埋めしていたため、各県立病院の決算が赤字になることはなかった。独法化後、県が自動的に穴埋めすることはできなくなり、赤字が顕在化した。だが、それだけではない。来春、新病院へ移転する県総合医療センターでは、最大110床増の540床になる。これを見越して医師や看護師を増員した結果、人件費が膨れあがった。さらに現在の病院でも、古くなった医療機器の更新やトイレの改修などを行ったため支出が増大。県病院マネジメント課は「収入に見合った支出ではなかった。赤字の原因は小さな支出の積み重ねだ」と分析する。■課題と懸念 4月からは診療部長を管理職とし、超過勤務手当の削減を図っている。医師の中にはこれまで、論文の執筆や学会発表の準備など、診療以外の目的で残業し、手当を受給していたケースもあったという。本来の手当の趣旨とは違うとして改める方針だ。しかし、こうした様々な見直しには、優秀な医師や医療スタッフが病院から去り、人手不足に陥るリスクも伴う。センターに勤務する医師からは「地域医療のため懸命に頑張っているのに、手取りが一方的に減らされ、内部では不満が募っている。別の病院に移りたいと思っている者もいる」との声も聞かれる。県病院マネジメント課は「人件費削減などの大きな改革と、基本を大切にする小さな努力の積み重ねを大切にしたい」と強調。機構の榊寿右理事長は「医師らの理解を得ながら、公的病院として県民を守ることを約束する病院に育てたい」としている。◇<取材後記>安心できる拠点に 県立病院機構が赤字を計上し、債務超過に陥っていることを報じた昨年12月以降、機構の病院に勤める医師らから手紙やメールで反響が届いた。県民の命と健康を守るという使命を果たすため、身を削って医療に取り組んでいるスタッフが数多くいることを、改めて知った。我が家の双子の息子は、県総合医療センターで生まれた。昼夜を問わず献身的に治療にあたり、患者や家族に寄り添う医師や看護師らの姿を間近に見てきた。新病院の開院を機に、何としても経営を立て直し、安心して暮らせる奈良を支える拠点になってくれることを願っている。>

経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「地方自らの行財政改革に向けて」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0511/shiryo_03-1.pdf)p3「総務省は策定の遅れている新公立病院改革プランの策定を促すとともに、病床再編等の地域医療構想との関係性をしっかり明示すべき。不採算地区以外の病院については、繰出金への依存をより減らすべき。」とある。「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)は平成32年度までの計画であり、「地域医療構想」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の前半のハイライトであろう。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の評価・分析ワーキング・グループ(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290417/agenda.html)の資料「公立病院経営に関する分析平成28年度「公立病院の経営改革による経済・財政効果に関する調査」報告より」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290417/shiryou3.pdf)p8「小規模病院の立地状況と収支」では、総病床200床未満である406病院が、「不採算地区外病院(124病院)」と「不採算地区病院(282病院)」で分けられ、p10「不採算地区外病院競合有り(89病院)」、「不採算地区外病院競合無し(35病院)」、p11「不採算地区病院競合有り(130病院)」、「不採算地区病院競合無し(152病院)」とマッピングされていた。まずは、それぞれの公立病院がどれにあたるのか、見える化の徹底が必要と感じる。そもそも自治体立病院がある地方議会では認識されているのであろうか。
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