保健福祉の現場から

感じるままに

不採算地区病院かどうか

2017年06月20日 | Weblog
M3「不採算地区病院への支援拡大を検討、総務省審議会 非常勤医師でも多ければ経営改善」(https://www.m3.com/news/iryoishin/538385)。<以下引用>
<総務省の「地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会」(座長:辻琢也・一橋大学副学長)の第5回会合が6月15日に開催され、不採算地区病院への財政措置充実や、医師確保支援の在り方などについて議論した。研究会は地方行政を担当する総務省内に設置されており、2016年9月に第1回会合を開催。2016年度に地方自治体が策定した「新公立病院改革プラン」の影響や改革推進策について調査検討を行っている。これまでの4回の議論を基に、事務局を務める自治財政局準公営企業室は論点を4つにまとめた。論点 1.新たな公立病院の役割に応じた再編・ネットワーク化の取組をさらに促進するには、どのような方策が考えられるか。2.地域医療の確保に資する公立病院の標準的な需要をどう捉えるか。3.病院マネジメントの観点から更なる経営改革につながる方策の議論が必要ではないか。4.地方独立行政法人化が困難な要因を取り除くにはどのような方策が考えられるか。不採算地区、更なる支援必要か 同日の検討会では、論点2に関連して、不採算地区病院の支援の在り方が議論された。現在、総務省が不採算地区(病床数150床未満、直近の一般病院までの移動距離が15キロメートル以上、又は、国勢調査の「人口集中地区」以外の区域に所在など)と定義する地域にある公立病院には、運営経費や医師確保に要する経費が特別地方交付税で財政措置されている。総務省の集計では、2015年の医業収支比率では、不採算地区病院の79.5%に対し、それ以外では90.5%で11ポイントの差がある。職員給与比率では、不採算地区病院65.2%、それ以外53.7%、病床利用率で不採算地区68.1%、それ以外73.4%と、いずれの指標でも不採算地区病院では経営状況が厳しいことが分かっており、近年は病院間の乖離が広がる傾向にあるという。2017年2月の「公立病院の実態調査等」では、6割以上が非常勤医師という病院の割合は、不採算地区病院で46.3%に対し、それ以外では25.6%だった。一方で、非常勤医師の給与が常勤医師の1.5倍以上の病院のみを分析すると、不採算地区病院であっても、「医師は充足している」と回答した病院の医業収支比率は85.8%に改善しており(「全体的に不足」病院は同81.5%)、「給与が割高な非常勤医師であっても、確保できれば医業収益の改善に寄与する」と分析している。その上で、事務局は「不採算地区病院に対する財政措置を充実する方向で検討してはどうか(その際、非常勤医師の給与負担の重さを考慮すべきか)」「医師確保対策に係る財政措置の拡充が必要か」と提案した。城西大学経営学部マネジメント総合学科教授の伊関友伸氏は「看護師、薬剤師、リハビリスタッフも地方だと雇用ができておらず、調査が必要。研修体制が弱いので勤務してくれないという所もある。総務省では難しいかもしれないが、質の部分も目配りが必要」と指摘。北海道奈井江町長の北良治氏は「支援を拡充してほしい。非常勤の派遣医師では派遣医師では入院や在宅医療が十分にカバーできず、収益性低下につながっている」と訴えた。地方では公務員でないと職員来ず 論点4について事務局は、「地方独立行政法人化が困難な要因」として、(1)住民説明や組織内の合意形成、利害関係者との調整に多くの時間や労力を要する、(2)自治体が短期間に多額の財政的負担を要する――の2点を指摘し、(1)については自治体自らが解決する必要があるとする一方、(2)については、制度の見直しが必要ではと提起した。伊関氏は独法化に当たっては、「職員を全員、分限免職で解雇できるかというとなかなかできない。市役所に戻るなどして、安くつくかと思ったが、案外高くつく」と指摘。また、独法化に当たって総務省は「非公務員型」を原則としているが、埼玉県職員として働いていた自身の経験から「公務員としてのプライドを持って仕事をしている医療職も多い。一定の基準があるが、それを緩めることも必要では」と提案した。島根県病院事業管理者の中川正久氏も、独法化でうまくいっているのは都市部ではと指摘し、「田舎の県では、独法化するという噂だけで、看護師の応募が減った。公務員がステータスになっている」と実例を紹介した。事務局が示した独法化した病院の経常収支比率が、2009年の104.3%から2015年には100.1%に悪化しているという資料について、どのような背景があるかという質問が出るも、事務局は「収支低下の理由は分かっておらず、分析したい」と答えた。地方独立行政法人静岡県立病院機構理事長の田中一成氏は、自院の事例として、「独法化して黒字を出さなくてはいけないと、最初は設備投資を抑えていたが、ずっとはそうもいかない。人件費も年々、上がってくる」と紹介した。一方で、政策研究大学院大学教授の島崎謙治氏は「公立病院が抱えている問題は、ガバナンスが分散していること。独法化、指定管理にしたから良くなるわけではないが、今までとおなじようにやれないのも事実。権限が分散していると、他の病院との交渉をやっていかなくてはいけないときに迅速にできるのかと思う」と指摘した。>
 
地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chiikiiryou_kakuho/index.html)の資料が出ればみておきたい。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)を踏まえた「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)について、総務省「公営企業の経営戦略及び新公立病院改革プランの策定状況」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439913.pdf)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000149.html)で、都道府県別の策定状況(http://www.soumu.go.jp/main_content/000439915.pdf)も出ていたが、「新公立病院改革プラン」http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei06_02000103.html)が具体的に進まないのに、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)は進まない。総務省通知(http://www.soumu.go.jp/main_content/000350493.pdf)p8では、「過去3年間連続して病床利用率が70%未満」である病院に対して、抜本的な検討が要請されている。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の「地方自らの行財政改革に向けて」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2017/0511/shiryo_03-1.pdf)p3「総務省は策定の遅れている新公立病院改革プランの策定を促すとともに、病床再編等の地域医療構想との関係性をしっかり明示すべき。不採算地区以外の病院については、繰出金への依存をより減らすべき。」とある。「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)は平成32年度までの計画であり、「地域医療構想」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の前半のハイライトであろう。資料「公立病院経営に関する分析平成28年度「公立病院の経営改革による経済・財政効果に関する調査」報告より」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290417/shiryou3.pdf)p8「小規模病院の立地状況と収支」では、総病床200床未満である406病院が、「不採算地区外病院(124病院)」と「不採算地区病院(282病院)」で分けられ、p10「不採算地区外病院競合有り(89病院)」、「不採算地区外病院競合無し(35病院)」、p11「不採算地区病院競合有り(130病院)」、「不採算地区病院競合無し(152病院)」とマッピングされていたが、まずは、それぞれの公立病院がどれにあたるのか、情報共有の徹底が必要と感じる。資料(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg5/290417/shiryou3.pdf)p9不採算地区病院は「150床未満の一般病院で「最寄りの一般病院まで15㎞以上」又は半径5Km以内人口が3万人未満」である。
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