保健福祉の現場から

感じるままに

医療保護入院の見直しと地域包括ケア

2016年10月14日 | Weblog
キャリアブレイン「非自発入院、スーパー救急病棟などに限定を- 精神科救急学会、長期在院抑制で提言」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49796.html)。<以下引用>
<日本精神科救急学会は、患者の意思ではなく精神保健福祉法に基づいた「非自発入院」に関する提言を発表した。初めて非自発入院となる場合、精神科救急入院料(スーパー救急)病棟など一定の規格を備えた精神病床に限定し、「新たな長期在院の発生を抑制すべき」としている。提言では、良質な医療サービスの下、短期間で精神病状態を終息させ、速やかに地域ケアに移行して社会復帰への道筋を付ける体制が、「わが国の精神科入院医療体系に最も必要」としている。良質な入院の要件として、▽非自発的な治療における患者の人権と尊厳を尊重する理念の徹底▽安全性とプライバシー、治療効果に配慮した療養環境、病棟設備の整備▽良く訓練された医療スタッフの十分な配置によるチーム医療の実践▽適正な薬物療法や専門治療プログラムを提供できる院内体制の確立―などを挙げている。こうした役割を期待できる代表例として、スーパー救急病棟を示した。この病棟については、「患者の退院速度が速く、新たに在院1年を超える患者の発生を全国平均の16.1%の水準までに抑止することが明らかとなっている」と説明。長期在院の抑止や地域ケアへのシフトを推進するためには「一定規格の精神病床に限定することが最善の策」としている。ただ、スーパー救急病棟のない医療圏もあるため、「今後、地域医療計画の最優先課題として、速やかにこの病棟の整備が図られるべき」との見解も示している。スーパー救急病棟は、急性期の集中的な治療を必要とする精神疾患の患者を対象にした認可施設。診療報酬で規定されており、精神保健指定医(常勤医)が病院全体で5人以上といった基準をクリアする必要がある。同学会によると、全国で130施設(昨年10月現在)が認可されている。>

これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai.html?tid=321418)の「医療保護入院のあり方分科会における論点整理」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000138404.pdf)では、①医療保護入院制度についてどのように考えるか、②医療保護入院の同意のあり方についてどのように考えるか、③医療保護入院の必要性・妥当性をどのように審査するべきか、④移送を含む医療へのアクセスを確保するための手段について、どのように考えるか、⑤入院中の患者の意思表明支援について、いわゆる「代弁者」のあり方も含めどのように考えるかの論点が掲げられている。「新たな長期在院の発生を抑制すべき」は当然であるが、セットで退院支援と継続的な地域包括ケアが不可欠である。平成26年度衛生行政報告例の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/14/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/14/dl/kekka1.pdf)で、平成26 年度の「医療保護入院届出数」が170,079 件で前年度に比べ41,901 件(19.8%)減少しているが、これは法改正による退院支援による影響も小さくないであろう。さて、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000138403.pdf)p5「一億総活躍の実現に向けて精神障害に対応した地域包括ケアシステムの構築(イメージ);精神障害者が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神保健医療・一般医療、障害福祉・介護、社会参加、住まい、地域の助け合いが包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築を目指す必要がある。このような精神障害に対応した地域包括ケアシステムの構築にあたっては、計画的に地域の基盤を整備するとともに、市町村や障害福祉・介護事業者が、精神障害の程度によらず生活に関する相談に対応できるように、保健所が連携調整の主体となって、精神医療圏(二次医療圏を基本)毎に、精神科医療機関、一般医療機関、地域援助事業者、市町村などとの重層的なネットワークを構築する。この際、都道府県本庁及び精神保健福祉センターが補完的に支援する。」、p11「多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制(イメージ);精神障害者が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神保健医療・一般医療、障害福祉・介護、社会参加、住まい、地域の助け合いが包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築を目指す必要がある。このため、保健所が連携調整の主体となって、精神医療圏(二次医療圏を基本)毎に、精神科医療機関、一般医療機関、地域援助事業者、市町村などとの重層的なネットワークを構築する。この際、都道府県本庁及び精神保健福祉センターが補完的に支援する。また、難治性精神疾患や処遇困難事例等にも対応できるよう、都道府県立精神科病院等の医療機関が役割を果たす。」は注目である。自立支援医療(通院公費)をはじめとする障害福祉は市町村が主体であるが、市町村では医療保護入院・措置入院や医療計画(精神疾患)には直接担当していない。また、精神医療は市町村で完結しない地域が多いことも認識する必要がある。精神障害に対応した地域包括ケアシステムを進めるには保健所が連携調整の主体となる必要があるが、「精神科医療機関、一般医療機関、地域援助事業者、市町村などとの重層的なネットワーク」が不可欠である。「何でも市町村」「何でも委託」では進まない。
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