保健福祉の現場から

感じるままに

薬局の人材不足

2017年03月15日 | Weblog
キャリアブレイン「薬局の人材不足が招く、ちょっと怖い話」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170315124644)。<以下引用>
<人手が足りない。今の日本では、ほとんどすべての業界がこの悩みを抱えている。もちろん、調剤薬局も例外ではない。というより、他のどの業界と比べてもその問題は深刻といえるかもしれない。■ 慢性化している薬局の人材不足 その深刻さを裏付けるデータがある。医療や介護のニュースを手掛けるCBnews社では今年1月から2月にかけて、薬局経営者に対し、人材確保に関するアンケート調査を実施した=グラフ1=。このうち、「現在までどのくらいの期間、薬剤師の採用に困っているか」を尋ねた質問では、5年以上と回答した経営者が4割近くに達した。年単位で人材確保に苦しんでいる経営者は、全体の6割余りを占めた。■ 医療過誤すら招く危険性も こうした慢性的な人材不足が解消されないと、調剤薬局の運営はどうなってしまうのか―。日本M&Aセンターの渡部恒郎・業界再編部長は、次のように指摘する。「まず、起こることは過重労働。薬局に残った数少ない薬剤師は、いつまでたっても解消されない重い労働に苦しみ続けることになるでしょう」 1人の薬剤師が1日に対応する処方箋の標準的な数は、25枚程度とされているが、人手が不足している薬局では、1人で30枚でも40枚でも対応するのが普通になってくるという。ちなみに、現在の制度では1日当たり40枚までしか処方箋に対処してはいけないと定められているが、「中にはあまりに人手が足りず、40枚を超えて対応している事例も、ごくまれにあるようです」(渡部・業界再編部長)。そして、過重労働状態が続けば続くほど、ただでさえ少ないスタッフの中から、さらなる離職者が出る可能性が高まる。「少ないスタッフがさらに減ると、残った薬剤師が365日、大量の処方箋に埋もれながら仕事をし続ける状況に陥りかねません。医療過誤を招きかねない危険な状態です」(渡部・業界再編部長) ところで冒頭で示したデータでは、人材確保に困っていないと答えた薬局も2割余りあった。ただ、渡部・業界再編部長は、現段階で人員が充足しているだけでは、将来的に薬局として十分な役割を果たせなくなる可能性もあると指摘する。「健康サポート薬局など、これまでにない新たな取り組みや活動が求められていることを思えば、ほぼすべての薬局が、今のスタッフとは別に1人は新たな人材を確保すべきでしょう。それができなければ、将来的には薬局閉鎖に至る可能性もあります」■ 閉じたくても閉じられない薬局!? さらに渡部・業界再編部長は、閉鎖することすらもできない薬局が増える恐れがあると警鐘を鳴らす。「例えば、中山間地など人口が少ない地域では、その薬局が閉じてしまえば、薬を調剤する資源が消滅するような地域だってある。そういう地域では閉じるに閉じられないでしょう」 人材を確保できる見通しも立たないまま、店舗を閉じることもできず、ほんの数人の薬剤師の体力が続く限り、何とか経営を続ける―。CBnewsのアンケート調査では、そうした状況に陥りかねない危険をはらんだ薬局が、かなり存在するというデータも示された。採用に困っている理由を3つまで答えてもらった結果が=グラフ2=だ。さまざまな理由が挙げられている中で、特に答えが多かったのが、「田舎だから」。4割近くの薬局が、この答えを選んでおり、都市部に比べて人口の少ない郡部や中山間地などの方が人手不足は深刻であることは疑いようがない。そして、渡部・業界再編部長の指摘によれば、こうした地域にある薬局で人手不足に悩む薬局こそ、閉じたくても閉じられない状況に陥る危険をはらんでいることになる。■ 人材確保へ、中小薬局が意識すべきこと 深刻な人手不足に対し、調剤薬局も無為無策でいるわけではない。CBnewsのアンケート調査では、採用に困った際の対応についても調査した=グラフ3=。それによると、「人材紹介(派遣)会社に相談する」(42.4%)や「求人広告を出す」(39.3%)、「求人の条件を良くする」(31.8%)といった対策を講じる薬局が多いことが分かる。渡部・業界再編部長も、こうした対応には一定の効果はあるとしながらも、特に中小の調剤薬局は、さらなる対応を検討する必要もあると指摘する。「かかりつけ薬剤師の役割がより重視されるなど、薬剤師に求められる役割はどんどん変化しています。その結果、薬剤師の間では、規模の小さな調剤薬局より、教育や研修が充実した大企業を目指す傾向が強まっています。特に6年制課程を卒業した薬学生は、その傾向が強い。中小の薬局は、例えばお互いが連携するなどして教育・研修の機会を充実させる必要があるでしょう。大手企業の研修に参加するのも有効です」■ 「志だけでは乗り切れない危機」 ただし、日本中で人手が不足している昨今、いくら努力しても結局、必要な人材を確保することができないこともあり得る。CBnewsのアンケートでは、万一、そのような事態に陥った場合への対応についても調査した=グラフ4=。最も多かった答えは、「無理してもこれまで通り薬局を続ける」。6割余りの経営者が、この回答を選んだ。次いで多かったのは、「開局時間を調整する等して薬局を続ける」(16%)で、人を確保できなくても、薬局を続ける意思を持つ経営者が8割近くいたことになる。渡部・業界再編部長は、無理をしてでも薬局を続けようとする経営者が多い点について、「高い志の表れ」と敬意を表しながらも、次のように指摘する。「既に述べた理由から、薬局は管理薬剤師に加えてもう2人薬剤師がいなければならない状況にあります。ところが、多くの薬局は管理薬剤師ともう1人、という状態で運営されています。つまり、ほとんどの薬局が人材面で危機に瀕しているのです。この危機を志一つで乗り切るのは、ほとんど不可能です。真に地域医療を思う経営者であれば、M&Aも含めた他社との連携も真剣に模索すべきでしょう」 薬局譲渡で介護事業に専念、売り上げ倍増―アンナカ薬局の前社長・佐鳥氏 いち早くM&Aに乗り出したことで、別に展開していた事業に専念し、その売り上げを数年で倍増させた経営者もいる。群馬県安中市で「アンナカ薬局」を運営していた佐鳥俊幸さんが、その譲渡を検討し始めたのは2012年ごろ。その後、薬剤師の確保がさらに厳しさを増すと予測した佐鳥さんは、共同経営者だった父に薬局の譲渡を相談した。しかし、当初は、譲渡に至らなかった。「当時は十分に人手も確保できていました。正社員で3人、パートで5人の薬剤師がいたのです。年商も2億円はありましたし…」 しかし、この状況はすぐ暗転する。3人いた正社員の薬剤師のうち2人が退職。最後の1人も13年5月には退職することが決まったのだ。この段階で佐鳥さんは残った正社員が退職する前に薬局を譲渡することを決断。近隣の地域で複数の薬局を展開していたメディカルシステムネットワークを念頭に、仲介を依頼した。「メディカルシステムネットワークさんを考えたのは、地元で薬局を経営する実績があった上、研修制度や福利厚生が充実していたこと、そして経営が安定していたことが理由です」(佐鳥さん) メディカルシステムネットワークへの譲渡は想定していた13年5月に無事、実現した。その後、佐鳥さんは別に手掛けていた介護事業に専念。数年間で売り上げを倍増させることに成功した。薬局の譲渡について、佐鳥さんは次のように振り返る。「あと少し決断が早ければ、もう少し高い金額で譲渡できたでしょうが、逆に、もう少し判断が遅れていれば、譲渡先が見つからなかった可能性もあります。ただ、はっきりしているのは、従業員や取引先、顧客にとって最適の譲渡になったということです」 その後、佐鳥さんは介護事業も譲渡。現在は、新たな人材事業の立ち上げに向け、準備を進めている。>
 
かかりつけ薬剤師・薬局(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakkyoku_yakuzai/)について、健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-iyaku.html?tid=275402)の報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000098248.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000098248.html)による、①服薬情報の一元的・継続的把握、②24時間対応・在宅対応、③医療機関等との連携に対応する「かかりつけ薬局」の推進は地域包括ケアの観点からも重要であり、薬薬連携も推進すべきと感じる。しかし、薬局の人材不足は大きな課題であろう。昨年の薬剤師国家試験(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000117631.html)の合格率は76.85%であった(http://phar.shikakuseek.com/data/index.html)が、今年はどうなるであろうか。
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