保健福祉の現場から

感じるままに

民間中小病院と在宅医療

2017年02月13日 | Weblog
財経新聞「民間中小病院、在宅医療に積極的なのは4割にとどまる」(http://www.zaikei.co.jp/article/20170211/352191.html)。<以下引用>
<矢野経済研究所は民間中小病院を対象にアンケート調査を実施した。調査結果によれば「経営上の問題や課題では「職員の不足」が80.0%となり、ほかにも「建物の老朽化」で51.1%となった。一方で「入院患者の減少」というものも33.3%と一定数が課題として認識していることがわかった。矢野経済研究所は民間中小病院を対象にアンケート調査を実施した。調査結果によれば「経営上の問題や課題では「職員の不足」が80.0%となり、ほかにも「建物の老朽化」で51.1%となった。一方で「入院患者の減少」というものも33.3%と一定数が課題として認識していることがわかった。団塊の世代が75歳になり、医療・介護需要が最大化する「2025年問題」への対応が医療分野で叫ばれている。要介護者や慢性期の患者が地域で生活していくためには、医療や介護といった専門機関からの生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築が必須となる。また、現在は地域によって偏っている医療資源の地域格差をなくし、すべての人が安心して医療サービスを受けられる医療提供体制の構築が求められている。各都道府県では地域医療構想の策定とその実現が推進されており、今後増大する医療需要に対応するため、病床の機能分化と連携や、それによる療養病床以外で対応可能な患者に関しての在宅医療での対応促進など、医療資源配分の最適化を図る方針が厚生労働省により示されている。こうしたなか、矢野経済研究所は民間中小病院を対象にアンケート調査を実施した。調査結果によれば「経営上の問題や課題では「職員の不足」が80.0%となり、ほかにも「建物の老朽化」で51.1%となった。一方で「入院患者の減少」というものも33.3%と一定数が課題として認識していることがわかった。限られた医療資源のなかで住民が安心して地域医療を受けるためには、在宅医療等の整備が不可欠となる。地域医療構想では構想区域ごとの医療需要から必要病床数を推計。都道府県間を含む構想区域間の医療提供体制の役割分担も検討されている。地域医療構想の実現のためにはそれぞれの医療機関の自主的な取り組みや医療機関相互の協議の推進が欠かせない。しかし、中小民間病院に関していえばこうした取り組みに対してあまり積極的とはいえないようだ。同研究結果によれば、地域医療構想による病床機能区分については、「病床の機能区分の見直しは必要ない」との回答が62.2%にのぼり、「見直しが必要」と答えたのは28.9%だった。このことから、多くの民間中小病院では地域医療構想による病床機能区分への影響はあまり受けないと捉えているといえそうだ。また、在宅医療に対しても「積極的」な病院は42.2%にとどまり、「どちらともいえない」で33.3%、「在宅医療に関して消極的」が24.4%という結果となった。地域医療構想に関しては、各都道府県が15年4月から策定を開始しているが、取り組みの重要性については中小民間病院にまでは浸透していないのが現状だ。「地域医療構想調整会議」などを通して広く啓蒙し、実現に向けて推進していくことが肝要だ。>
 
メディウォッチ「慢性期病院、介護療養から新類型への転換やリハ機能充実で大幅収益改善も―日慢協・武久会長」(http://www.medwatch.jp/?p=12341)。<以下引用>
<慢性期に力を入れている病院が、介護施設の新類型(介護医療院・仮称)とのケアミクスを選択した場合には相当な増収が見込まれる一方で、急性期を自認する病院が、空床対策として新類型などとのケアミクスを選択しても大きな増収は見込めない―。日本慢性期医療協会の武久洋三会長は9日、定例記者会見の中でこのような試算結果を発表しました。例えば200床の慢性期病院(20対1医療療養:100床、25対1医療療養:50床、30対1介護療養:50床)が、【15対1回復期リハ2:50床、20対1医療療養:100床、新類型I-2:50床に転換】に転換すると1か月当たりの収支差が1719万円増加しますが、200床の急性期病院(10対1一般:150床、回復期リハ1:50床)が、【10対1一般:50床、回復期リハ1:50床、20対1医療療養:50床、新類型I-2:50床】に転換すると逆に279万円収支差が悪化する、などと試算しています。看護配置の手厚い慢性期病院、「少しの頑張り」でも大きな収益増が見込める 日慢協では昨年(2016年)12月8日に、介護療養から各新類型へ転換した場合の収支状況について、一定の前提をおいて試算。その結果、新類型への移行により収支差が改善する可能性が高いことが分かりました。今般、日慢協では慢性期・急性期の病院が、新類型を含めたさまざまなケアミクス形態に転換した場合、収支差にどのような影響が出るのかを試算しています。まず看護配置を手厚くしている慢性期病院(20対1医療療養:100床、25対1医療療養:50床、30対1介護療養:50床)について、「リハビリ機能の充実」した場合や「介護療養から新類型への転換」を進めた場合の試算結果を見ると、次のようになっています。【パターン1】13対1地域包括ケア1:50床、15対1回復期リハ2:50床、20対1医療療養:50床、新類型I-2:50床に転換 → 主に増収によって、収支差が1か月当たり1776万円増加(従前の218万円から1994万円に)【パターン2】13対1地域包括ケア1:50床、20対1医療療養:100床、新類型I-2:50床に転換 → 主に増収によって、収支差が1か月当たり365万円増加(従前の218万円から583万円に)【パターン3】15対1回復期リハ2:50床、20対1医療療養:100床、新類型I-2:50床に転換 → 主に増収によって、収支差が1か月当たり1719万円増加(従前の218万円から1937万円に) とくにパターン3について武久会長は、「少しの頑張り(リハ専門職や看護師の確保)で、大きな収益増が見込める」旨を説明しています。25対1医療療養と介護療養のミクス型病院、新類型への転換で収益増が見込める 次に、200床の老人収容型の慢性期病院(25対1医療療養:100床、30対1介護療養:100床)においては、医療療養・介護療養のいずれもが設置期限が2018年3月で消滅するため、すべての病棟について何らかの転換措置が必要になります。日慢協は、次の3つの転換パターンを想定して収支差を試算した結果、相当な収支改善が見込めることが分かりました。【パターン1】20対1医療療養:50床、回復期リハ2:50床、新類型I-2:50床、新類型II(特定施設入居者生活介護):50床に転換 → 主に増収によって、収支差が1か月当たり2046万円増加(従前の69万円から2115万円に)【パターン2】20対1医療療養:50床、新類型I-1:50床、新類型I-2:50床、新類型II(同):50床に転換 → 主に人件費減によって、収支差が1か月当たり667万円増加(従前の69万円から734万円に)【パターン3】20対1医療療養:50床、新類型I-2:100床、新類型II(同):50床に転換 → 主に人件費減によって、収支差が1か月当たり822万円増加(従前の69万円から891万円に) 武久会長はこの結果を踏まえて、「パターン1は『回復期リハ病棟を設置する』もので、収支差が大幅に改善する。しかし現実的に『回復期リハ設置にはリハ専門職確保など、敷居が高い』と考える病院ではパターン2・3を選択することになり、それでも収支は大きく改善する」と見ています。一般や地域包括ケア・回復期リハなどのケアミクス病院、機能強化が収益改善の鍵 また、【7対1一般:50床、10対1地域包括ケア1:50床、25対1医療療養:50床、30対1介護療養:50床】というケアミクス病院が、地域ニーズの変化や、介護療養の廃止などを踏まえ、次のような病床戦略を行った場合の試算を見ると、やはり一定の増収が見込めることが分かりました。【パターン1】7対1一般:50床、10対1地域包括ケア1:50床、20対1医療療養:50床、新類型I-2:50床に転換 → 主に人件費減によって、収支差が1か月当たり309万円増加(従前の1094万円から1403万円に)【パターン2】7対1一般:50床、10対1地域包括ケア1:50床、新類型I-2:50床、新類型II:50床に転換 → 主に人件費減によって、収支差が1か月当たり492万円増加(従前の1094万円から1586万円に)【パターン3】7対1一般:50床、10対1地域包括ケア1:50床、15対1回復期リハ2:50床、20対1医療療養:50床に転換 → 主に増収によって、収支差が1か月当たり1596万円増加(従前の1094万円から2690万円に) ケアミクス病院では、リハ充実などの機能強化を図ることが大きな増収に結びつくようです。空床目立つ急性期病院から慢性期などとのケアミクスへの移行、収益増は厳しい さらに、200床の急性期病院(10対1一般:150床、13対1回復期リハ1:50床)で、「空床増」や「人材確保困難」などの事情で次のような病床再編を行った場合、経営的には維持あるいは悪化となるようです。【パターン1】7対1一般:50床、10対1地域包括ケア1:50床、13対1回復期リハ1:50床、20対1医療療養:50床に転換 → 主に材料費減などによって、収支差が1か月当たり271万円増加(従前の1905万円から2176万円に)【パターン2】10対1一般:50床、13対1回復期リハ1:50床、20対1医療療養:50床、新類型I-2:50床に転換 → 主に減収によって、収支差が1か月当たり279万円減少(従前の1905万円から1625万円に) 10対1一般病棟から医療療養や新類型への転換は、患者1人当たり単価が大きく異なるため、人件費減を上回る大幅な減収となってしまうことが分かりました。地域医療構想や病床機能報告でも同様ですが、病院がどのような病床機能を選択するかに当たっては、▼地域の医療ニーズ(地域住民の人口構成や疾病構造など)▼地域のリソース(他院がどの機能を選択し、どのような能力を持っているのか、また介護サービスはどれだけ整備されているかなど)▼自院のリソース(自院の医師の得意分野、看護配置、リハ専門職配置、機器整備状況など)―を考慮することが重要です。武久会長も、「どちらが儲かるか、という視点で病床機能を選択することは好ましくない」と指摘しています。しかしグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンが提唱する「No margin ,No mission」(利益なくして、果たせる使命なし)の言葉どおり、病院は収益増を目指さなければいけません。人材確保や機器などの設備整備、さらには将来の建て替えなども考慮しなければならないからです。武久会長は、「当初は転換促進のために新類型の介護報酬は高く設定すると思われるが、将来的には報酬を下げていくことになろう。とはいえ転換しなければさらに状況は悪くなる。それほど選択肢は多くない」ともコメントしており、経営的な視点も加味して自院の病床戦略を立てる必要があります。なお、急性期からケアミクスへの転換にあたっては経営改善の道は厳しそうですが、武久会長は「急性期を自認している病院が『空床が目立つ』という理由で、回復期や慢性期に機能転換しても、その機能にふさわしい医療が提供できるのだろうか」との疑問もを呈しています。>
 
中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「在宅医療(その1)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000151001.pdf)、「入院医療(その1)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000149651.pdf)には目を通しておきたい。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)を踏まえた「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)だけではなく、民間中小病院も診療報酬改定によって、地域包括ケアをさらに意識せざるを得なくなるように感じる。特に市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)による人口減少地域では従来どおりとはいかないであろう。診療報酬改定によって地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)が誘導されるのは間違いない。なお、今国会の地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-06.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/193.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-06.pdf)p3「新たな介護保険施設の創設;介護医療院 ※ただし、病院又は診療所から新施設に転換した場合には、転換前の病院又は診療所の名称を引き続き使用できることとする。」「要介護者に対し、「長期療養のための医療」と「日常生活上の世話(介護)」を一体的に提供する。(介護保険法上の介護保険施設だが、医療法上は医療提供施設として法的に位置づける。)」「現行の介護療養病床の経過措置期間については、6年間延長」「具体的な介護報酬、基準、転換支援策については、介護給付費分科会等で検討。」も大きな注目の一つである。
 
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