保健福祉の現場から

感じるままに

偏在解消と見える化

2017年05月17日 | Weblog
メディウォッチ「無産科地区解消に向けた産科への財政支援や、要介護度改善に応じた介護報酬の検討を—自民党」(http://www.medwatch.jp/?p=13677)。<以下引用>
<一億総活躍社会の構築に向け、▼財政支援の拡充による無産科2次医療圏の解消▼医学部入学時の産科医枠・小児科医枠の導入推進▼初期臨床研修での産科・小児科の必修化▼一定期間の医師不足地域におけるローテーションなどの専門医制度の改善▼かかりつけ医などの受診勧奨▼診療における検査データを特定健診データとして活用するルールの整備▼科学的介護の確立▼要介護度の維持改善に応じた介護報酬の検討―などを進める必要がある。自由民主党の一億総活躍推進本部が10日、このような内容の提言「一億総活躍社会の構築に向けた提言」をまとめ公表しました。新専門医制度では、都道府県の定める医師不足地域で一定期間の研修を 安倍晋三内閣は、「三本の矢」(大胆な金融政策、機動的な財政支援、民間投資を喚起する成長戦略)および「新三本の矢」(希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障)を打ち立て、経済・財政の再建を進めています。うち後者の新三本の矢を実現するために、昨年(2016年)6月に「ニッポン一億総活躍プラン」を閣議決定し、新たな三本の矢の好循環を目指す方針です。自民党は、「ニッポン一億総活躍プランの描いた経済の好循環が生まれている」としながらも、「力強さに欠ける」と指摘。一億総活躍推進本部の下に▼女性活躍・子育て・幼児教育▼産婦人科・小児科医師不足偏在問題対策▼65歳以上のシニアの働き方・選択の自由度改革▼IOHH活用・健康寿命革命▼若者の雇用安定・活躍加速▼誰もが活躍する社会を創る—という6つのプロジェクトチームを設け、一億総活躍社会の構築に向けて、さらにどのような取り組みをなすべきかを検討。今般、それらを総合した提言をまとめたものです。このうち、「産婦人科・小児科医師不足偏在問題対策」に関しては、新三本の矢の1つである「夢を紡ぐ子育て支援」で打ち出した『希望出生率1.8』を実現するために、産科医・小児科医の不足・偏在問題を解消する必要があると強調。次のような取り組みを強力に推進する必要があると訴えています。(1)無産科2次医療圏(産科医がおらず分娩取扱医療機関がない2次医療圏)を解消するために、産科医療機関へのソフト・ハード両面への財政支援を拡充する。(2)産科医や小児科医を目指す学生に対し、医学部入学時の産科医枠・小児科医枠の導入を推進する。とくに大学と出身地が同じ都道府県である者は地元に残る割合が高いことから、地域枠において『地元枠』を推進する。(3)初期臨床研修での産科・小児科を改めて必修化する。(4)新専門医制度において、大学病院や都市部の大病院でのみでなく、一定期間「医師が不足している都市部以外の地域にローテーションする」よう抜本的な改善を行う。医師不足地域をどう考えるかについては、都道府県ごとに、地域医療の関係者が入った場で議論し決定する。電子カルテの標準規格普及や、科学的介護の確立、状態改善に応じた介護報酬を また、「IOHH(Internet of Human Health、高頻度で簡単に検知可能なデータヘルス関連技術)活用・健康寿命革命」PTでは、平均寿命といわゆる健康寿命との間に「10年間」というタイムラグがあることに注目。2025年における日本人の健康寿命を2010年時点よりも2年延伸し、▼男性70.42歳(2010年)→72.42歳▼女性73.62歳(2010年)→75.62歳―とする目標値を設定。現高齢者の自立支援はもとより、若い世代から健康を意識した生活を送ることを目指し、次のような取り組みを推進するよう強く求めています。(1)特定健診受診率(目標70%に対し、2014年度実績は49%)の向上を図るため、▼保険者インセンティブ(特定健診に力を入れる医療保険者への財政的支援)の強化▼保険者間再委託の可能化▼かかりつけ医・かかりつけ歯科医による受診勧奨▼診療における検査データを特定健診データとして活用するルール整備―を進める。また、生活習慣病・認知症のバイオマーカー・リスクマーカー等の研究・開発、ウェアラブル(身に着ける検査機器)を活用した健康データ利用促進を図る。(2)データヘルスの充実、地域包括ケアのための医療・介護連携強化・ICT化に向けて、▼電子カルテ利用率向上▼標準規格普及による電子カルテの互換性向上▼医療・介護情報の標準化▼データ分析に基づく科学的介護手法の確立―を推進する。また、事業者の介護データ提出や利用者の状態維持改善に応じた介護報酬上の評価(クリームスキミングには留意)の検討や、AI(人工知能)の医薬品医療機器法上の取扱い明確化などを通じて、「AIとデータヘルスの融合」を推進する。(3)地域住民による通いの場づくり等の推進・普及に向けて、▽コミュニティナース(病院の外に出て、地域で活動する看護師)▽薬剤師▽理学療法士―などの多職種フル活用で取り組む。またフレイル(虚弱)対策として、地域包括ケアシステムの強化、口腔機能低下予防の検査・技術開発などに取り組む。(4)食・スポーツなどの分野における「未病」に関する研究・開発・普及を推進する。>
 
ニッポン一億総活躍プラン(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/plan1.pdf)についての自民党提言(https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/134900_1.pdf)p3~「産婦人科・小児科医師不足偏在問題対策」では「初期臨床研修での産科・小児科を改めて必修化」はインパクトがあるかもしれない。医師臨床研修マッチング協議会(https://www.jrmp.jp/)の平成28年度マッチ結果(https://www.jrmp.jp/koho/2016/2016press.htm)のプログラム別(https://www.jrmp.jp/koho/2016/2016all-program-kekka.pdf)をみると、小児科、産婦人科コースが少ないからである。厚労省「医師偏在対策の今後の検討の進め方について(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000162695_1.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000162695.pdf)では「5月以降具体的な偏在対策に関して、集中的に議論;※運用等により早期に実行可能な偏在対策については、平成30年度からの第7次医療計画に都道府県が盛り込むことができるよう検討を進める。」とあるが、3月の医政局長通知「医療計画について」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159901.pdf)に続く、第二弾が早めに期待される。周産期医療は医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱の一つで、平成29年度策定の次期医療計画において、周産期医療について重点的に協議されるべきである。意見のとりまとめ(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000145749.pdf)p4「ローリスクの分娩に対する院内助産の活用、助産師の出向システム」「周産期に係る医療圏の設定と広域搬送の充実」も重要であろう。ところで、医道審議会医師分科会医師臨床研修部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-idou.html?tid=127790)の「臨床研修制度における地域枠医師への対応(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10803000-Iseikyoku-Ijika/40.pdf)では「各都道府県は、臨床研修を開始する地域枠医師について、採用先病院を調べた上で、義務履行要件と研修プログラムに齟齬がないかどうかを確認し、厚生労働省に提出」「臨床研修病院が、義務履行要件に反する研修医を採用している場合、当該病院に対する臨床研修費補助金を減額することとする」とあったが、どうなっているであろうか。「全国医政関係主管課長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=419341)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000155420.pdf)p63「地域医療介護総合確保基金を活用した医師修学資金貸与事業の取扱いについて」で「貸与した修学資金の返還免除要件に「医師不足地域・診療科で勤務すること」などの項目がなく、必ずしも医師偏在の課題解決に資するものとなっていない都道府県も見受けられる。」とあった。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000155420.pdf)p123「地域の医師確保を目的とした都道府県地域枠」が出ているが、各都道府県ごとに、これまでの年度別の自治医大・地域枠出身医師の勤務先(診療科、地域)と派遣ルールが公表されてもよいかもしれない。直接的公費投入の養成医師に関する見える化が必要と感じる方は少なくないであろう。
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