保健福祉の現場から

感じるままに

認知症診断書の行方

2017年03月07日 | Weblog
NHK「高齢者ドライバー5万人超が認知機能検査 2年前の13倍に」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170307/k10010901491000.html?utm_int=news_contents_news-main_005)。<以下引用>
<高齢者ドライバーへの医師による認知症の検査が強化される改正道路交通法が今月12日に施行されるのを前に、NHKが全国の警察に取材した結果、法律の改正後に受診が見込まれるドライバーは、おととしの13倍にあたる少なくともおよそ5万2700人に上ることがわかりました。専門家は、今後も増加が予想される高齢者ドライバーに対応するため、制度に協力する医師を増やす必要性を指摘しています。今月12日に施行される改正道路交通法では、75歳以上の高齢者ドライバーについて運転免許証の更新の際に受ける認知機能の検査で「認知症のおそれがある」と判定された場合には、全員に対し医師による診断が新たに義務づけられます。NHKは先月末までに法律の改正後に受診が見込まれるドライバーや診断する医師の状況について全国の警察本部に取材しました。その結果、受診が見込まれるドライバーは年間およそ6万6400人で、医師の診断前に運転免許証を自主的に返納すると推計される1万3700人余りを除くと、少なくともおよそ5万2700人に上ることがわかりました。これは、おととし1年間に医師の診断を受けた高齢者ドライバー4027人の13倍に当たります。一方、診断する医師は少なくともおよそ2800人と見込まれ、医師1人が診断するドライバーは年間の平均でおよそ18人となります。認知症の専門家で、高齢者ドライバーの事故防止の対策を検討する警察庁の調査研究委員会の委員を務めた慶應大学医学部の三村將教授は、「高齢者ドライバーは今後も増えることが見込まれ、医療現場がどの程度対応できるかがポイントだ。警察と医師が問題の重要性を認識して協力しあう関係がないと困るのは地域の高齢者ドライバーで、警察が医師に理解を求め、制度に協力する医師を増やす努力をしていくことは今後もさらに必要だと思う」と話しています。施行への課題 都道府県の警察本部では改正道路交通法の施行に向けどのような課題があるか、全国の警察本部に取材したところ、複数の警察から、大勢の高齢者ドライバーが受診に訪れた場合、現在の診療態勢で十分に対応できるのかといった、課題を指摘する回答が寄せられました。このうち長野県警は、「医師が通常業務に加えて、高齢者ドライバーの診断を任されることになるので、検査がスムーズに行えるのか不安の声がある」と回答しました。また、愛媛県警は、「診断を受ける高齢者が病院に殺到するのではないかという医師からの意見もあった」と回答したほか、長崎県警は、「離島の医師不足や診断待ちの長期化で、更新手続きが遅れないかが課題だ」と回答しました。また、公共交通機関が少ない地方を中心に、医師が免許取り消しとなった高齢者のその後の生活への影響を心配しているという回答も寄せられ、高知県警は、「免許を失ったあとの生活支援が確保されないと、診断書を書くことをちゅうちょせざるをえないとの意見を、医師から受けた」と回答したほか、熊本県警は、「医師の診断が免許取り消しに直結する心理的負担が大きい」と回答しました。また、新しい制度を円滑に進めるための取り組みとしては、多くの警察で、運転免許センターの窓口などに保健師や看護師を配置したり、専用の電話を開設したりして、高齢者からの相談に応じる態勢をとるほか、情報提供のため認知症の診断を行っている医師のリストを作成するとした警察もありました。滋賀・三重の各県警は、認知症の専門医ではない、かかりつけ医でも診断がしやすいよう、独自の形式の診断書を作ることにしているほか、大阪府警や島根県警は、「認知症の疑いがある」と判定された高齢者ドライバーが、医師の診断を受けるよう、本人や家族に積極的に働きかけたり、運転免許証の返納の検討を促したりする専門の係を、それぞれ新設するとしています。このほか、山口県警は、法律の改正についてより理解してもらおうと、警察官による劇団が高齢者が集まる会合などで寸劇を披露しているということです。警察庁は対応可能と想定 警察庁は、改正道路交通法の施行後、医師の診断が見込まれる75歳以上の高齢者ドライバーについて、現段階で確保した医師の人数で対応は可能だとしています。具体的には、1人の医師が1か月に2人、年間で24人を診断すると仮定したうえで、2500人の医師で6万人の高齢者ドライバーを診断できるとしていて、現段階で診断への協力を承諾している医師の人数で十分対応できるとしています。>

キャリアブレイン「日医が認知症診断書作成の手引き 12日の改正道交法施行を前に」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170307082306)。<以下引用>
<改正道路交通法が12日に施行されるのを前に日本医師会(日医)は、「かかりつけ医向け認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の手引き」をまとめた。診断書作成の依頼があった場合の手順のほか、診断書の記載例やモデル事例などを盛り込んだ。すでに日医会員向けに公表している。日医がまとめた手引きは、▽かかりつけ医の対応▽警察庁による改正道交法の解説▽診断書の記載例―などで構成されている。最終章には、高齢者の自動車などの運転と認知症の人を地域で支えるためのポイントが整理されている。改正道交法施行により、75歳以上の運転者の認知症対策が強化される。改正前は、3年に1度の免許証の更新の時だけに、認知機能検査を受けることになっているが、改正後には、信号無視、通行区分違反、一時不停止などの一定の違反行為をすれば、更新時以外でも認知機能検査(臨時認知機能検査)を受けなくてはならなくなる。認知機能検査の結果、「認知症のおそれ」(第1分類)、「認知機能の低下のおそれ」(第2分類)、「認知機能の低下のおそれなし」(第3分類)の3つに分けられる。制度改正により、第1分類と判定されると、全員が医師の診断を受けることになる。警察庁は2015年中に第1分類と判定された約5.4万人を基に、免許証更新時の認知機能検査と新設される臨時認知機能検査で第1分類と判定される人が年間約6万人、そのうち受診前に約2割が免許証を自主返納すると仮定し、そのほか家族からの相談や交通事故などを端緒に診断を受けるとそれぞれ見積もった上で、改正後は年間約5万人が医師の診断を受けると見込んでいる。認知症は、道交法で「免許の拒否または取消し等の事由」とされている。警察庁が示している運用基準によると、認知症については、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)および、レビー小体型認知症と診断された運転者の免許は拒否、または取り消すことになっている。■診断書作成手順、フローチャートで解説 診断書作成の依頼があった場合の手順は、フローチャートにしてまとめている。まず、かかりつけの患者か、かかりつけの患者でないかで、対応を大きく変えることになる。かかりつけの患者なら、これまでの診療を踏まえて対応し、臨床所見などから認知症と診断できるなら、診断の上、記載する。また、かかりつけの患者でも、臨床所見や検査結果などから診断しにくい場合には、専門医療機関の診断を受けるよう促している。一方、かかりつけの患者でないなら、画像検査の必要などのために診断書に記載できない場合には、専門医療機関の診断を受けるよう促している。診断書の記載例では、アルツハイマー型認知症、血管性認知症などをモデルケースとして紹介、診断書の具体的な記載方法を説明している。最終章では、高齢者の自動車などの運転と認知症の人を地域で支えるポイントの中で、「引きこもり防止・社会生活への支援」として、かかりつけ医は、運転免許取り消しまたは停止・返納後の生活・暮らしぶりの変化や本人・家族の状態変化にも注意する必要があるとしている。また、「自動車運転をやめた高齢者の心のケア」として、高齢者が運転を続けたい理由には、生活の移動手段として欠かせないことや、「生きがい」「自尊心獲得」といった感情などがあることを考慮した上で、例えば、「生きがい」として運転している人には、それに代わるものを見つけてもらうことも重要だとしている。>
 
3月12日施行の改正道路交通法(https://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo/kaisei_doukouhou/leaflet_A.pdf)に関して、日本医師会「認知症に係る運転免許更新等における診断書提出に関する情報提供について」(http://www.toyama.med.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/02/oshirase_iryoukikan_nichisyounikakaruunten.pdf)(https://qmir.wordpress.com/2017/03/05/kaisedourokotsuho/)を周知徹底したい。3月1日付で日本医師会「かかりつけ医向け 認知症高齢者の運転免許更新に関する診断書作成の手引き」が発行されている(http://www.med.or.jp/doctor/report/004984.html)。日経メディカル「診断書の作成を避けた方がよい患者とは?」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/kawabata/201703/550427.html)、「認知症を強固に否認するケースは警察に相談を」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201703/550464.html)もみておきたい。運転免許更新時の認知機能検査(https://www.npa.go.jp/annai/license_renewal/ninti/index.html)の後、警察庁「高齢運転者交通事故防止対策に関する有識者会議」(https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/koureiunten/kaigi/1/shiryo_ichiran.html)の資料(https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/koureiunten/kaigi/1/shiryo/shiryo-7.pdf)では「改正法施行後は年間約5万人が受診(うち免許の取消し等を受ける方は約1万5000人)」と予測されている。昨年11月の日本精神神経学会「改正道路交通法の施行(高齢運転者対策関連)に関する要望」(https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/road_traffic_law20161119.pdf)にあったように、現場の懸念が小さくない。「かかりつけの患者なら、これまでの診療を踏まえて対応し、臨床所見などから認知症と診断できるなら、診断の上、記載する。また、かかりつけの患者でも、臨床所見や検査結果などから診断しにくい場合には、専門医療機関の診断を受けるよう促している。一方、かかりつけの患者でないなら、画像検査の必要などのために診断書に記載できない場合には、専門医療機関の診断を受けるよう促している。」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170307082306)とあり、とにかく、認知症診断の医療連携体制構築が急務であろう。さて、先日、認知症専門外来の受診者が結構増えていると聞いた。全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000115521.html)で、「平成27年度認知症初期集中支援チーム配置予定市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115503.pdf)、「平成27年度認知症地域支援推進員配置予定市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115504.pdf)、「平成26年度認知症カフェ設置市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115506.pdf)、「平成26年度市民後見推進事業実施市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115509.pdf)、「平成27年度権利擁護人材育成事業実施予定市町村一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115510.pdf)、「都道府県別認知症疾患医療センターの整備状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115512.pdf)、「各都道府県における「成年後見制度利用支援事業」実施状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115511.pdf)、「若年性認知症施策総合推進事業実施状況」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115513.pdf)、「都道府県別キャラバン・メイト数、認知症サポーター数(自治体型)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115507.pdf)が出ていたように、自治体間の認知症対策取組格差が非常に大きい。まずは自分たちの自治体において認知症対策がしっかり取り組まれているか否か、把握する必要がある。例えば、認知症ねっと(https://info.ninchisho.net/)で、自治体ごとの取り組み状況が更新掲載されてもよいであろう。「高齢運転者交通事故防止対策ワーキングチーム」(http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/kou-tai/wt.html)の資料(http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/kou-tai/pdf/k_2-gaiyo.pdf)にある「改正道路交通法の円滑な施行に向けた医師の診断体制の確保、高齢者の生活を支える体制の整備に向けた自家用有償旅客運送制度や地域運営組織の活用」はそれぞれの自治体で整える必要があり、「認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=169920)の地域版も期待される。
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