保健福祉の現場から

感じるままに

新専門医制度の行方

2017年04月25日 | Weblog
朝日新聞「3年超の研修、認める方針 専門医認定で厚労省検討会」(http://www.asahi.com/articles/ASK4T00NJK4SUBQU012.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<2018年度から開始予定の新専門医制度について議論する厚生労働省の検討会が24日、開かれた。検討会では、原則3年間とされる専門医認定に必要な研修期間について、個々の医師の状況に応じ、長期間にわたる方法を認める方針が示された。塩崎恭久厚労相は会の冒頭で「環境変化に柔軟に対応し、国民に良質な医療を連続的に提供することが非常に大事だ」とあいさつ。その後、指導や研修のために医師が都市部の大病院に偏りかねない課題の対策について議論した。厚労省側は論点として①専門医は義務づけではないこと②地域医療従事者に配慮したカリキュラム制の設置③研修の中心は大学病院のみではなく地域の中核病院などであること――の3点を提示。第三者機関として専門医を認定する日本専門医機構の吉村博邦理事長は研修期間について、仕事や生活によって3年間のプログラム制がなじまない医師には、長期間にわたるカリキュラム制での専門医取得を認める方針を明かした。医師や学識者のほか、自治体トップらも出席し、立谷秀清・福島県相馬市長は「地方の病院は初期研修を終えた若い医師が支えている。大学病院のプログラムに取られてしまうと、地域医療はもたない」と訴えた。専門医制度は、2年間の初期臨床研修を終えた医師が外科や内科、小児科などの基本領域で原則3年間の研修を医療機関で受け、日本専門医機構から認定を受ける。17年度に開始予定だったが、医師が大学病院や都市部の大病院に集中し、地方の医師不足がさらに深刻になるとの心配が高まり、開始は1年間延期されることになった。>
 
メディウォッチ「新専門医制度、整備指針を再度見直し「専門医取得は義務でない」ことなど明記へ―厚労省検討会」(http://www.medwatch.jp/?p=13443)。<以下引用>
<専門医取得は医師の義務ではない。また地域医療に従事する医師が専門医資格を取得しやすくなるようカリキュラム制を設置する。さらに、研修の中心は大学病院のみでなく、症例の豊富な地域の中核病院なども含まれる—。こういった点について、新専門医制度の憲法とも言える「新整備指針」を見直し、明確にする方針が、24日に開催された「今後の医師養成の在り方と地域医療の確保に関する検討会」で固まりました。日本専門医機構の理事長である吉村博邦構成員(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)も、2018年度からの新専門医制度全面スタートに向けて、5月12日開催予定の機構理事会に新整備指針の修正案を提示したいとの考えを示しています。新専門医制度、自治体などから「地域医療への配慮が不十分」との指摘 新専門医制度は、当初、今年(2017年)4月から全面スタートの予定でしたが、「地域・診療科における医師偏在が助長する」との指摘を受け、全面スタートを1年延期(18年4月から)。その間に、さまざまな課題を解決することになっています。日本専門医機構は役員構成を刷新し、昨年(2016年)12月には新専門医制度の憲法に当たる「新整備指針」を決定しました。新整備指針では、「新たな専門医の仕組みは、機構と各基本領域学会が連携して構築する」ことを明確にしたほか、地域医療への配慮として、▼「大学病院以外の医療施設も、研修施設群の基幹施設となれる」基準を設ける▼機構は、基本領域学会と協働して、医師の都市部への偏在助長を回避することに努める▼専攻医の集中する都市部の都府県に基幹施設がある研修プログラムの定員等については、都市部への集中を防ぐため、運用細則で別途定める▼常勤の専門研修指導医を置くことが困難な場合、研修連携施設に準ずる施設を基幹施設の承認のもと研修プログラムに組み入れることを認める▼機構は、各領域の研修プログラムを承認するに際して、行政、医師会、大学、病院団体からなる各都道府県協議会と事前に協議し決定する—といった点を規定しました。さらに、各基本領域学会が養成プログラムを策定する際の拠り所となる「運用細則」の暫定版を固めるなど、2018年度スタートに向けた準備を進めてきました。しかし12日には全国市長会が、(1)中小病院が危機に陥りかねない(2)医師偏在が助長されかねない(3)医師が診療活動を開始できる時期が遅れる(4)若手医師に医局生活を強いることになる—といった問題点があると塩崎恭久厚生労働大臣に緊急要望。塩崎厚労相も、こうした懸念を払拭した上で新制度を2018年度からスタートする必要があると判断し、本決定会の設置を決定しました。「専門医取得は義務ではないが、取得が望ましい」と日本専門医機構 検討会では、▼地域医療に求められる専門医制度の在り方▼卒然・卒後の一貫した医師養成の在り方▼医師養成の制度における地域医療への配慮—の3点を議題としますが、24日の会合では「2018年度に全面スタートする専門医制度と、地域医療の確保とのバランス確保」という目の前のテーマに焦点を合わせた議論が行われました。住民に最も身近な自治体である市町村の立場で出席した立谷秀清構成員(相馬市長、全国市長会副会長)は、改めて全国市長会の緊急要望の趣旨を訴えるとともに、▼地域医療に責任を負う自治体関係者を交えずに制度を組み立てるのは好ましくない▼南相馬市では東京から赴任した若手医師が地域医療を支えているが、こういう気概を持った若手医師が専門医資格を取得しやすくなる仕組みとすべき—といった点を強調しました。「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の座長も務めた渋谷健司構成員(東京大学大学院国際保健政策学教授)は、「論文執筆などを専門医研修の内容に含めているが、これでは『医学博士』のように内容のない仕組みとなってしまう。国際標準に合致した専門医養成が求められる」と指摘。また「基本領域学会が新専門医制度の理念や整備指針に反した場合の対策を検討しておく必要がある」と提案しています。一方、尾身茂構成員(地域医療機能推進機構理事長)は、「自治体や住民、若手医師も巻き込んで制度を構築していくことは、新専門医制度のベースとなるプロフェッショナルオートノミーに反しないと思う」と述べ、より広範な視点で検討することを提案しました。こうした指摘を受け、吉村構成員は(a)専門医取得が医師の義務ではない(b)地域医療に従事する医師が専門医を取得しやすくなるようカリキュラム制を設置する(c)研修の中心は大学病院のみでなく、症例の豊富な地域の中核病院なども含まれる—点を明確にする考えを表明しました。この点、例えば(2)のカリキュラム制の設置は、運用細則には記載されていますが、吉村構成員は「新整備指針を改めて見直し、こうした点を明確にする」とメディ・ウォッチにコメントしています。後述する構成員の指摘も踏まえて、早急な新整備指針などの見直しが行われる見込みです。もっとも、専門医取得は医師の義務ではありませんが、吉村構成員は「例えば眼科医であれば、眼科の標準的な治療をすべて習得することが望ましい。十分な知識・技術を持たない医師がレーシック手術をして有害事象が生じているケースもあると聞く」と述べ、「専門医取得が望ましい」という点を強調しています。なお、ここでプログラム制とは「定められた年限と研修施設で、必要な症例数などを経験し、専門医資格を取得する仕組み」と意味し、カリキュラム制とは「年限や研修施設を定めず、必要な症例数などを経験し、専門医を取得する」仕組みです。カリキュラム制であれば「地域医療に従事しながら、自身の状況にあわせて、5年、10年と時間をかけて専門医資格を取得する」ことが可能ですが、日本専門医機構では「若いうちに集中的に標準的な知識・技術を学ぶことが重要」との考えの下、プログラム制を基本に据えています。今後の新整備指針見直しで、プログラム制とカリキュラム制とをどう組み合わせていくのか、注目が集まります。新専門医制度の法制化などを求める意見も このほか、地域の医療提供体制構築の責任者である都道府県の立場から、荒井正吾構成員(奈良県知事、24日は同県医療政策部長の林修一郎参考人が代理出席)は「研修プログラム認定に当たっては都道府県と協議することになるが、認定後には大学病院などの基幹施設に医師配置が委ねられる。その場合、地域医療とは別の視点で医師を配置する可能性もある。国と地方自治体がしっかりと関与し、医師偏在の懸念を払拭する必要がある」とコメント。山内英子構成員(聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長)は、「当面は、機構と学会とが連携・協働して新専門医制度を構築し、運用することになるが。学会は学会員のために動く。機構は患者のために動くべきであり、将来的には切り分けを検討すべきではないか」との見解を示しています。また立谷構成員は、「プログラム制では、大学病院などの基幹施設での研修が一定期間義務付け、ストレートに進んでも医療現場に出る年齢が遅くなる。その間、社会人としての活動、医師としての活動を相当制限される。そうでれば、地域の代表者も含めて国家的な議論が必要である」とも述べ、新専門医制度の法制化も視野に入れるべきと提言しています。このように、新専門医制度にはさまざまな指摘がなされていますが、桐野高明副座長(東京大学名誉教授)は、「新専門医制度には50年の歴史がある。これを踏まえて、吉村理事長の下で日本専門医機構が『質の高い専門医の養成』と『地域医療の確保』という難しい課題の両立に向け、1つ1つ改善をしている最中である」と述べ、機構の努力に対する理解も求めています。新専門医制度の当面の課題を解決後に、中長期的テーマを議論 今後、検討会では構成員の意見を踏まえて、日本専門医機構がどのような対応をとる方針か報告を受けることになります。その上で2018年度スタートに目途が立った暁には、医学部教育から初期臨床研修、後期臨床研修(新専門医制度)、さらに生涯教育の一貫性確保や、地域医療への配慮、さらに立谷構成員が提案する「新専門医制度の法制化」など、長期的な課題について改めて議論してくことになります。新井一構成員(全国医学部長病院長会議会長)や今村聡構成員(日本医師会副会長)、尾身構成員は、「専門医制度に注目しがちだが、医師養成システム全体を見て議論していかなければならない」と述べ、長期的テーマの重要性を強調しています。>
 
キャリアブレイン「新専門医制度の整備指針、見直しも 厚労省検討会で座長が見解」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170425134735)。<以下引用>
<新専門医制度で専門医を育成する研修基準などを定めた「整備指針」が見直される可能性が出てきた。24日に開かれた厚生労働省の「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」の初会合で、遠藤久夫座長(国立社会保障・人口問題研究所長)が、見直しが必要であれば「修正もあり得る」との見解を示した。日本専門医機構(吉村博邦理事長)の理事会で修正が必要かどうかを含めて検討する見通しだ。整備指針は、新制度で専門医を養成する研修施設の基準などを示すもの。従来の制度では、学会がそれぞれ基準を設けて専門医を養成してきたが、新制度では機構が第三者機関として統一の基準を示すことで、専門医の質の担保を図る。機構は当初、2017年度から統一の基準で養成をスタートさせる予定だったが、基準が厳し過ぎ、研修施設が都市部の大病院などに偏るといった懸念が医療界から示されたため、制度の再設計に着手。昨年12月に新たな整備指針を策定していた。この日の会合で、機構の吉村理事長が、基準を柔軟に運用できるよう整備指針を見直したことを強調。研修の中核を担う基幹施設については、大学以外の施設でも認定が可能なことや、専門医を目指す専攻医が都市部に集中することを防ぐ方向性などを説明した。この説明に対し、委員からは整備指針を含めた制度の見直しを求める意見が相次いだ。基幹施設の大学病院などに若手の医師が集まり、地域医療の現場で医師不足が起きかねないとの指摘に加え、専門医制度以外の方法で医師の技量を磨ける制度の創設を求める意見も出た。こうした指摘や意見に対し、吉村理事長は、新専門医制度は法律に基づくものでないことに触れ、「強制ではない」と指摘。「一人前の医師になりたい」と願う専攻医と国民が主役となる制度を目指していることへの理解を求めた。検討会の事務局を務める厚労省は、委員らの意見を集約し、制度の課題や問題点などを機構に伝える方針。次回の会合でも専門医制度が議題となる見通しだ。>
 
メディウォッチ「高度医療機器の保守費用など透明化し、国による一定のコントロールも検討すべき—日本病院会」(http://www.medwatch.jp/?p=13427)。<以下一部引用>
<偏在是正に向け、「ベテラン医師が地方に行く仕組み」や「地域枠の活用」など検討を 同日の記者会見では、堺常雄会長から「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(以下、ビジョン検討会)の報告書に関するコメントも示されました。22日に開かれた日病の常任理事会では、ビジョン検討会報告書に対し、「違和感を覚える」といった感想のほか、次のような意見が出されたといいます。▼報告書では偏在対策に「規制的手法は用いない」旨を示しているが、地方では考えられる手段はやりつくしている ▼子育てが一段落したベテラン医師が地方に出ていくような仕組みを考えてはどうか ▼地域枠のやり取り(例えば地域枠がほぼ不要な東京の枠を、医師が不足する道県で活用するなど)を認めることも検討してはどうか ▼報告書には病院総合医への記述が薄い、今後、10万人程度の病院総合医養成が必要である ▼グループ主治医制の議論があるが、あまりにグループが大きくなると責任の所在が不明確になるので、2-3名程度でグループ主治医制としてはどうか ▼高度急性期や急性期から、必要医師数(需要)と要請医師数(供給)を試算し、そこから回復期・慢性期と広げていくべきではないか このうち「規制的手法」について堺会長は、「最後の手段であろう。管理者要件に『地方勤務』などを掲げれば、『管理者にならなくて結構』という医師も現れる可能性があると述べ、日病幹部全体では「規制的手法は好ましくない」との見解が大勢であると説明しています。また報告書でも専門医制度に触れるなど、新専門医制度を巡ってはさまざまな動きがあります。この点について堺会長は「各検討会で新専門医制度に関連する事項を検討すると、『この検討会ではここまで』という具合に尻切れトンボになってしまう。そろそろ厚労省医政局がしっかりした考えを示してもよいのではないか」との見解を示しました。もちろん、日本専門医機構におけるプロフェッショナルオートノミーの下での議論・改善を尊重した上で、混乱を収めるために一定の見解を示す必要があるとの考えに基づくコメントです。>
 
「今後の医師養成の在り方と地域医療の確保に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=436600)の資料「専門医に関する経緯と最近の動向について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000163147.pdf)p7「従来の専門医認定と新たな専門医認定の比較(イメージ)」は理解しておきたい。全国医学部長病院長会議「新専門医制度に関する意見書」(https://www.ajmc.jp/pdf/20170407_01.pdf)では「地域医療への支援」と「専門医育成のための教育レベル保持」が要望されていたが、全国市長会「国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000163148.pdf)のように懸念されている。日本専門医機構(http://www.japan-senmon-i.jp/)から「専門医制度新整備指針」(http://www.japan-senmon-i.jp/news/doc/sinseibisisin2016.12.16.pdf)、「専門医制度新整備指針 運用細則及び補足説明」(http://www.japan-senmon-i.jp/news/doc/saisoku_hosokusetumei.pdf)が出ていたが、一般向けのわかりやすい解説が必要であろう。
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