保健福祉の現場から

感じるままに

子宮頸がんワクチンと規制改革

2016年12月28日 | Weblog
毎日新聞「子宮頸がんワクチン 研究班、追加分析へ 非接種で症状、年齢別など」(http://mainichi.jp/articles/20161227/ddm/012/040/089000c)。<以下引用>
<子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に運動障害などが生じた問題で、厚生労働省研究班(代表・祖父江友孝大阪大教授)は26日、厚労省の有識者検討部会で、接種していない人にも副作用とされる症状と同様の症状が出ているとする全国調査の結果を報告した。委員から「さらに詳細なデータが必要」と意見が出され、症状が出るまでの期間や、年齢による症状の傾向について研究班が追加で分析することになった。接種の呼びかけ再開に関しては、部会長の桃井真里子国際医療福祉大副学長が会合後の取材に「現段階で、どういう方向とは申し上げられない。病態と頻度について、ある程度の確からしさを持って説明できる状態が必要だと思う」と述べ、追加の解析を踏まえて検討する方針を示した。厚労省は2013年4月からワクチンを公費負担による定期接種としたが、副作用報告が相次いだため、同年6月に接種の呼びかけを中止している。調査は、全国の約1万8000の診療科を対象に、昨年7~12月に受診した12~18歳の患者のうち、感覚や運動の障害などが続き、通学などに支障があった患者について聞いた。症状があった365人を分析すると、接種者で症状があった人は人口10万人当たり27・8人、非接種者で症状のある人は同20・4人だった。研究班は、接種した人の方が症状を訴えやすい傾向があるとして、接種の有無と症状の関係は「比較できない」と説明した。ワクチン接種で健康被害が生じたとして国と製薬会社に損害賠償を求めている薬害訴訟の被害者弁護団は東京都内で記者会見し、「明らかに恣意(しい)的なまとめで、結論に問題がある。調査結果を接種勧奨再開の議論の基礎として使うことは科学的ではなく、断固反対だ」と批判した。次女が被害を受けたとして提訴している埼玉県の酒井秀郎さん(58)は「実態を全く反映していない調査結果だと感じた。憤りを感じている」と話した。>
 
予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=284075)の「全国疫学調査(子宮頸がんワクチンの有効性と安全性の評価に関する疫学研究)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000147016.pdf)について報道されているが、薬害オンブズパースン会議「子宮頸がんワクチンに関する本当のQ&A」(http://www.yakugai.gr.jp/cc_vaccine_qa/)では「ワクチンの評価に関与している専門家とワクチンメーカーとの関係」が指摘されているのが少々気になる。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000137719.html)に出ているように様々なワクチンで副反応が報告されていることは認識したい。さて、子宮頸がんワクチン議論で非常に不思議に感じるのは、子宮頸がん検診についてあまり触れられないことである。「がん検診のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128563)の資料「全国健康保険協会におけるがん検診について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000127256.pdf)p8「がん検診の受診率(被保険者)」では、26年度の子宮頸がん検診16.0%に留まっている。がん検診は労働安全衛生法に義務付けられていないため、実施されていない事業所が多い。この際、勤務世代での罹患率が高い、子宮頸がんについて、女性勤務者のがん検診を優先的に推進できないものであろうか。例えば、子宮頸がん検診に従事する産婦人科医の負担を少しでも軽減するために、特定行為に係る看護師の研修制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077077.html)を踏まえて、看護職が子宮頸がん検診(検体採取)にも従事できるようにすべきと感じる。以前の看護業務実態調査結果概要(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000sk2r-att/2r9852000000sk5k.pdf)では、子宮頸がん検診(検体採取)について、医師回答では「看護師が実施可能」の割合が高い結果が出され、平成23年9月29日の子宮頸がん検診セミナーで、「専門看護師による細胞採取の実施」が提案(保健衛生ニュース平成23年10月24日号)されていたことについて、行政施策として前向きに考慮すべきであろう。女性による検体採取が普及し、かつ、がん検診単価も引下げられる可能性が高い。全国各地で不足しているといわれる産婦人科医の負担も軽減できるではないか。政府の規制改革(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/)では議論されないのであろうか。
ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 警戒したい高病原性鳥インフ... | トップ | 公立病院改革と地域医療構想 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。