保健福祉の現場から

感じるままに

病床利用率低下と病院経営

2017年01月04日 | Weblog
キャリアブレイン「病床高回転化、若年層需要減も見据えて動く-データで読み解く病院経営(13)」(http://www.cabrain.net/management/article/50298.html)。<以下一部引用>
<■一般病床の利用率低下は全国的なもの 新年らしく病院経営についてマクロな視点で考えたい。前回、高齢化が進む環境下でも、療養病床の病床利用率が低下している現象に対し、病院が取り組める余地について検討した。今回は、一般病床についても同様の分析を行い、病院個別の経営戦略について考える。まず、一般病床の病床利用率について、病院報告の直近の数値(2015年)と10年の数値を比較した。左右の地図は同じ基準で塗り分けている。左の日本列島の色は濃く、右は薄い。日本全体で病床利用率が低下していることが見えてくる。病床利用率の低下に極端な地域差、偏りは見られないことから、高齢化の進展度合いや疾患構成の差異等の影響以上に、全国一律で課せられる診療報酬改定等への対応による影響が大きいのかもしれない。前回同様、10年を基準とした15年の病床利用率の変化を見た。その結果、ほとんどの都道府県で病床利用率が低下している。増加しているのは(緑系)、静岡・滋賀・沖縄の3県のみである。この結果から、病床機能報告や地域医療構想等で指摘されているような病床過剰地域だけでなく、病床不足地域でも病床利用率は低下しており、病院経営は厳しくなっている可能性が高い。この結果は筆者の感覚にも近い。■「高回転化」への圧力上昇は間違いない 一般病床は在院日数の短縮が続いている。この在院日数短縮化・病床高回転化に例外はない。例えば、大学病院(DPC対象病院Ⅰ群)であっても在院日数は年々短くなっている。むしろ在院日数の短縮度合いで見れば、10年から14年にかけて、一番減少している。>
 
メディウォッチ「2016年度改定の経過措置終了後、7対1や療養病棟2が減少し、地域包括ケア病棟などが増加―全日病」(http://www.medwatch.jp/?p=11840)。<以下引用>
<2016年度改定前(2016年3月)から経過措置修了後(2016年10月)にかけて、7対1の病棟・病床数は減少する一方で、地域包括ケア病棟・病床数は増加している。また療養病棟2(25対1)が大幅に減少する一方で、医療区分2・3の患者割合などを満たさない療養病棟2の新設が大きい―。全日本病院協会は先頃、こういった調査結果を発表しました。重症患者割合の経過措置終了などにより、7対1は減少 この調査は、全日病が会員病院を対象に行ったもので、有効回答病院は963件となっています。まず入院料の届け出状況が2016年度改定前(2016年3月)から経過措置終了後(2016年10月)にかけてどのようになったのかを見てみると、次のような点が目立ちます。(1)一般病棟7対1:1075病棟(4万7308床)→1001病棟(4万6433床)【マイナス24病棟(マイナス875床)】(2)一般病棟10対1:499病棟(2万1709床)→501病棟(2万1763床)【プラス2病棟(プラス54床)】(3)地域包括ケア病棟入院料:132病棟(5280床)→161病棟(6537床)【プラス29病棟(プラス1257床)】(4)回復期リハビリ:332病棟(1万4948床)→338病棟(1万5201床)【プラス6病棟(プラス253床)】(5)障害者施設等:127病棟(5859床)→123病棟(5649床)【マイナス4病棟(マイナス210床)】(6)療養病棟1:519病棟(2万3881床)→517病棟(2万3771床)【マイナス2病棟(マイナス110床)】(7)療養病棟2:193病棟(8826床)→130病棟(5796床)【マイナス63病棟(マイナス3030床)】(8)療養病棟2(95%減算):52病棟(2518床)【新設】 (1)の一般病棟7対1については、2016年10月以降、新たな重症度、医療・看護必要度項目(A・B綱目の見直しやC綱目の新設)に基づいて重症患者の割合を25%以上に保つ必要があります(2016年4-9月は経過措置があり、重症患者割合は不問)。この施設基準厳格化によって7対1の病棟・病床数が減少していると考えられますが、今般の結果では病棟数ベースで2.2%、病床数ベースで1.8%の減少にとどまっています。7対1からの転換先を見てみると、▼10対1へが22病棟・881床▼病棟群単位へが2病棟・95床▼地域包括ケア病棟へが14病棟・544床▼回復期リハへが1病棟・46床▼それ以外へが5病棟・33床―となっています。全日病では「重症度、医療・看護必要度」の状況についても調べており、「68.5%は問題なく満たせているが、30.2%では対策を講じている」ことが分かりました。講じた対策としては▼病棟群単位▼救急患者受け入れ体制の強化(救急搬送患者は2日間A項目2点となるため)▼責任者のチェック徹底▼研修会の実施―などのほか、「7対1の減床」という病院もあります。なお、「重症度、医療・看護必要度」についてはデータ精度に問題を抱える病院が少なくありません。現在、「問題なく25%をクリアしている」と考える病院でも、データクリーニングを行うと25%を満たしていない可能性もあります。グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、症例単位でデータ精度を向上するだけでなく、「重症度、医療・看護必要度のベンチマーク分析」も可能としたシステム『看護必要度分析』を開発しています。是非、ご活用ください。なお、ICUやHCUから7対1へ移行した病床数も一部(22床)あります。これが「ICUなどの施設基準を満たせない」がための移行なのか、「7対1の施設基準を満たす」ための移行なのか、今後の分析が待たれます。仮に後者であれば、「病院・病棟の適切な機能分化」という面からやや問題がありそうです。また(3)の地域包括ケア病棟の増加からは「機能分化」が進んでいる状況が伺えます。一方、(4)の回復期リハ病棟は微増(病棟数ベースで1.8%増、病床数ベースで1.7%増)にとどまっていますが、この背景として「リハ専門職(PT、OT、ST)の確保が難しくなっている」ことや「アウトカム評価への懸念」などが考えられ、今後の分析が待たれます。療養病棟2が大幅減、減少分の8割は「95%減算」の経過措置病棟が占める 2016年度診療報酬改定では、療養病棟2(25対1)においても施設基準に「医療区分2・3の患者受入割合50%以上」が盛り込まれました。一方、療養病棟1(20対1)では従前から「医療区分2・3の患者受入割合80%以上」が設定されており、多くの療養病棟で「医療区分2・3の患者の奪い合い」が生じている可能性があります。このため、療養病棟2において、医療区分2・3の患者を獲得することが難しくなっており、いずれの療養病棟区分においても((6)と(7))届出病棟数が減少しているのではないかと考えられます。特に療養病棟2の大幅減が注目されます。また、2016年度改定では「酸素療法」「頻回の血糖検査」「うつ状態に対する治療」(いずれも医療区分に関係する項目)について、事実上の「厳格化」が行われており、この点も影響している可能性があります。なお療養病棟2については、医療区分2・3の患者割合50%以上を満たせない場合、あるいは看護配置25対1のみを満たせない場合には、「2018年3月31日まで所定点数の95%を算定可能とする」との経過措置が設けられました。前述のように「医療区分2・3の患者」獲得や看護師の確保が難しく、この経過措置を設けなければ「特別入院基本料」として1日当たり584点を算定せざるを得なくなるためです(経営は極めて困難になる)。今般の調査では(8)のように、療養病棟2減少分の8割超を経過措置病棟が占めていることが分かりました。もちろん療養病棟2から機能強化をして療養病棟1に移行したケース、療養病棟1から経過措置に陥ってしまったケースも考えられ、今後、詳細な分析を行う必要があるでしょう。ところで医療区分1は「医療区分2・3以外」と定義され、末期がん患者なども医療区分1に含まれるなど、医療現場からは「医療区分1の患者でも医療の必要性の高い患者は少なくない」との指摘があります。全日病も含めた13の病院団体で構成される日本病院団体協議会は、2018年度改定に向け「医療区分とADL区分の見直しに向けた検討を行うよう要望していく」考えを示しており、今後の中央社会保険医療協議会の議論に注目が集まります。>
 
在院日数短縮化は診療報酬改定」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000106421.html)だけではなく、医療技術の進歩による影響も小さくないように感じる。今や外来化学療法や内視鏡手術は当たり前の時代である。院内パスも大きい。しかし、在院日数短縮化は特に人口減少地域で、病床利用率低下が大きいであろう。医療法に基づく医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関の病床種別の許可病床数、前年度1日平均患者数(入院、外来)、平均在院日数が出ていることは常識としたい。厚労省「DPC導入の影響評価に関する調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049343.html)、医療法に基づく病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)、医療機関届出情報(地方厚生局)検索(http://caremap.jp/cities/search/facility)等をみれば、ある程度、病院の実績がわかるであろう。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)では、2025年(平成37年)の構想区域における病床機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)の必要病床数及び在宅医療等の必要量が示される。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、一般病床・療養病床を有する医療機関それぞれの病棟単位での病床機能が公表されているが、必要病床と比較すると、全国的に「急性期病床と慢性期病床の過剰」「回復期病床の不足」とされる地域が多いであろう。地域医療構想策定ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p13にあるように、高度急性期・急性期・回復期の構想区域の2025年の医療需要=[当該構想区域の2013年度の性・年齢階級別の入院受療率×当該構想区域の2025年の性・年齢階級別推計人口]を総和したもので推計され、ガイドライン(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000088511.pdf)p23の必要病床数を計算する際の病床稼働率は、高度急性期75%、急性期78%、回復期90%、慢性期は92%である。しかし、病床利用率だけで病院経営を考える時代ではないように感じる。例えば、最近では、基本診療料「(栄養チ)栄養サポートチーム加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a233-2.html)、「(呼吸チ)呼吸ケアチーム加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a242.html)、「(精リエ)精神科リエゾンチーム加算」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/a230-4.html)、特掲診療料「(糖防管)糖尿病透析予防指導管理料」(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_2_1_27/b001_27.html)など、チーム医療の算定も増えており、外来も含めて、病院職員全体で病院経営を認識する必要がある。ところで、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)と並行する「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)は今年度までの策定であるが、病院経営を良くするために、地域住民に対して「病気になってくれ」「大きなケガをしてくれ」とはいえない。病院経営は住民の幸福につながるものではないことは認識したい。
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