保健福祉の現場から

感じるままに

審査基準の統一化・透明化だけではない

2016年12月07日 | Weblog
メディウォッチ「支払基金の組織・体制、ICTやネット環境が発達した現代における合理性を問うべき―質の高い医療実現に向けた有識者検討会」(http://www.medwatch.jp/?p=11452)。<以下引用>
<社会保険診療報酬支払基金(支払基金)は、今から70年近く前(1948年、昭和23年)の、オンライン請求やコンピュータチェックなどが想定できない時代に創設されており、組織体制や仕組みは、当時は合理的であってが、今の時代に合った合理性などは問われるべきである―。11月30日に開催された「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」では、こういった視点に立った支払基金改革に向けた議論が行われました。規制改革会議では審査基準の統一化・透明化などのほか、支払基金の組織についても抜本的な見直しを行うよう提言しています。ただし、レセプトの審査などを支払基金に委託している健康保険組合や協会けんぽからは「効率化は必要だが、支払基金の審査能力は高い」「業務の継続性・安定性を担保する必要がある」とし、改革に当たっては慎重な議論が必要との意見も出されています。組織・体制を議論する前に、支払基金が担うべき機能を議論すべきとの指摘も 規制改革会議の「健康・医療ワーキンググループ」は、2014年に、レセプト審査の質を高め、かつ効率性を追求するために、▼審査基準の統一を図り、それを公開する▼支払基金の業務のうち不要・非効率なものを削減する▼支払基金でなければ適切に実施できない業務があれば、それを運用するための組織・体制をゼロベースで検討する―などといった内容の提言を行っており、これをうけて厚生労働省に有識者検討会が設置されました。有識者検討会では、「審査基準を統一・公開し、医療機関で事前にレセプトチェックを行う」ような仕組みの検討を進めており、11月30日の会合では、支払基金の組織・体制に関する議論を行いました。厚労省の調べでは、4310名いる支払基金職員のうち、ほぼ半数が審査事務(再審査を含む)に主に携わっており、こうした点について「非効率な部分があるのではないか」との指摘がなされています。この点について森田朗座長代理(国立社会保障・人口問題研究所所長)は、「支払基金が設立されたのは1948年で、当時はレセプトのオンライン請求やコンピュータチェックなど想像もつかなかった。紙ベースでの請求・審査を行っていた当時には、組織や体制に合理性があったと思われるが、現在では、合理性などを問う必要がある」との見解を示しました。また金丸恭文構成員(フューチャー株式会社代表取締役会長兼社長)は、ネット環境が普及した現在では、必ず「職員や審査委員が集まって審査を行う」ことの必要性に疑問を呈した上で、「必要な機能に関する議論をまず行い、その上で組織・体制の議論をしなければ、構成員間でイメージが異なってしまう」と指摘しました。この点、林いづみ構成員(桜坂法律事務所弁護士)や神成淳司構成員(慶應義塾大学環境情報学部准教授)らも同旨の見解を述べています。さらに飯塚正史構成員(元明治大学大学院客員教授)は、前回会合で示された医療機関などでの事前のコンピュータチェックを進めれば、支払基金においてどれだけの人員を効率化できるかなどが明確になる。支払基金のシステム刷新(2021年)より前に、院内コンピュータチェックを実現すべきと強調しました。なお、参考人として出席した健康保険組合連合会の白川修二副会長や、全国健康保険協会(協会けんぽを運営)の小林剛理事長は、健保組合や協会けんぽのレセプト審査を支払基金に委託している現状を踏まえた上で、「支払基金の審査能力は高い」「業務の継続性・安定性も重要である」とし、効率化は必要だが、支払基金の抜本改革に当たっては慎重な議論が必要と訴えています。診療データと生活習慣等のデータとの統合・分析が必要 11月30日の会合では、西村周三座長(医療経済研究機構所長)から、医療の標準化(地域差の解消)に向けて、「個別診療データとpopulationデータとを統合した知恵の集積」を行うことが必要不可欠であり、当面は「データの見える化」から始めることから始め、支払基金や国民健康保険団体連合会(国保レセの審査などを担当)においても、こういった問題医師から分析を進めてはどうかとの提言が行われました。西村座長の提言は、米国ダートマス大学のWennberg教授(疫学)らによって、(1)感染症治療や心筋梗塞へのβブロッカー投与など「治療内容がほぼ定まっている有効な治療」では、効果が明確で、地域差が少ない(2)患者によって効果が異なる(日常生活や運動・食生活習慣の影響などを受ける)治療では、効果を明確にすることが困難である▼医療資源の偏在によって地域差が生じてしまう治療については、効果を調査し、是正策を考える―という調査・研究結果を踏まえたものです。西村座長は、このうち(2)の「患者によって効果が異なる治療」に着目した分析が必要とし、個別診療データと、生活習慣等に関するpopulationデータとの統合が重要と指摘しているのです。>
 
「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=350947)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000144505.pdf)をみれば、審査基準の統一化・透明化だけではなく、データヘルスと医療の質向上であることがわかる。平成30年度から、市町村国保が都道府県財政運営化され、第7次医療計画(6年間)、第3期医療費適正化計画(6年間)、第7期介護保険事業(支援)計画(3年間)、第5期障害福祉計画が揃う意義は大きい。問題は、保健・医療・介護・福祉関係者がその意義をどれほど認識しているか、のように感じる。高齢者医療確保法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S57/S57HO080.html)第14条「厚生労働大臣は、第十二条第三項の評価の結果、第八条第四項第二号及び各都道府県における第九条第三項第二号に掲げる目標を達成し、医療費適正化を推進するために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内における診療報酬について、地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができる。」の規定を認識したい。
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