保健福祉の現場から

感じるままに

狭義の介護保険からの脱却が必要

2017年04月19日 | Weblog
東京新聞「「自立」促す介護保険法改正案 透けて見える「費用抑制」」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201704/CK2017041902000197.html)。<以下引用>
<主に二〇一八年度から実施される制度改革が盛り込まれた介護保険関連法改正案が十八日、衆院を通過した。一定以上の所得のある高齢者や現役世代の負担増に比べ注目度は低いものの、要介護者の「自立支援」「重度化防止」施策の推進が明確に打ち出されたのも特徴だ。状態改善を図るのは当然のことのようだが、介護費用抑制の目的も隠れており、本当にサービスが必要な人を介護保険から遠ざけてしまう、と危ぶむ声も出ている。埼玉県内で一人暮らしをする七十代の男性は、脳梗塞で右半身にまひが残り、要支援2の認定を受けている。地元自治体は、生活習慣や運動の指導で、最終的に介護保険利用からの“卒業”を目指す「自立支援型ケアマネジメント」を掲げる。男性も退院後、ケアマネジャーの勧めでリハビリのため介護施設に毎週通い始めた。ただ、自宅の掃除や買い物には不自由し、たびたびケアマネジャーに生活援助のヘルパー派遣を頼んだ。しかし、ケアマネからは「買い物に行けるようにリハビリを頑張って」と言われるだけ。さらに自宅には、体に良い食べ物や行動目標が細かく書かれた表が張り出され、通所に加えて毎週の訪問リハビリも受けるようになった。そうした指導に従う生活を二~三年続けたが、体は思うように回復せず、この間、仕方なくヘルパーを自費で利用していた。男性は現在、障害福祉サービスでの訪問介護を受けるようになった。ただ当時を振り返り、「こんなに頑張っているのにまだ(自立の努力を)やれというのか。好きな物も自由に食べたいし、行政はもう自分に構わないでほしい」と腹立たしかったという。国や埼玉県は、こうしたやり方を他の自治体に広めようとしている。これに疑問を感じ、男性から話を聞いた同県新座市のケアマネジャー鉄(てつ)宏之さんは「行政や専門職が自立を押しつけてはならない。本人の生き方を尊重した支援が本来のわれわれの仕事だ」と感想を漏らす。そもそも、介護保険法は第一条で「自立した日常生活を営むことができるよう…」と目的をうたう。そこから「自立支援介護」の理念が誕生。全国には、徹底した生活管理を基本とするこの理念の実践で、入居者の「おむつゼロ」を目指す特別養護老人ホームも多い。さらに、今回の法案で国は市町村の役割について、要介護状態の軽減とともに介護給付費の「適正化」への努力を自立支援施策と定義。適正化とは事実上、「抑制」を意味する。成果をあげた場合、交付金を出すことを盛り込んだ。基準や金額など詳細は未定だが、「成功報酬」の導入だ。東京都品川区、名古屋市といった自治体が、利用者の要介護度や心身の状態の改善に応じ、介護事業所に独自の奨励金や報酬加算を与えているのをまねた形だ。国の方針について、福祉ジャーナリストの浅川澄一さんは「介護保険を使わないことがいいこととなったら、家族介護から社会的介護への転換を宣言した介護保険法の本旨に反する。一時的に自立となっても、人間は必ずまた衰える。その際にサービスを利用しにくい雰囲気をつくり出すのは間違いだ」と指摘。鉄さんも「的確な介護支援があれば、保険サービス外の地域の力を活用するなどで、給付抑制と個人の尊厳の両立を図ることができるはずだ」と強調する。>

今国会の「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-06.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/193.html)による 保険者機能の強化や地域共生社会の実現に向けた取組等があることは認識したい。「介護予防・日常生活支援総合事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000074126.html)の取り組みは、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000154636.html)の老人保健課資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000154667.pdf)p460~p461「国→都道府県;介護予防市町村支援事業(介護保険事業費補助金)」「国→市町村;地域リハビリテーション活動支援事業(地域支援事業費交付金)」による地域リハビリテーション体制の推進、「高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-hoken.html?tid=369143)の「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000152498.pdf)等とも連携を図る必要がある。また、昨年3月「「地域包括ケアシステム構築に向けた公的介護保険外サービスの参考事例集」(保険外サービス活用ガイドブック)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000119256.html) (http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160331007/20160331007.html)が出ていたが、市町村生活支援体制整備事業(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000115401_1.pdf)を通じて、地域包括支援センターが民間の公的保険外サービスもしっかり把握し、調整できるようにすべきである。平成28年度全国厚生労働関係部局長会議(http://www.mhlw.go.jp/topics/2017/01/tp0117-1.html)の老健局資料(http://www.mhlw.go.jp/topics/2017/01/dl/tp0117-k01-05-01p.pdf)p8「総合事業(介護予防・生活支援サービス事業)等のロードマップ【第6期詳細】(イメージ)」の平成28年度末「総合事業への移行の経過措置期間の終了」、平成29年度末「生活支援体制整備事業の経過措置期間の終了」は認識したい。官邸資料「平成29年度の社会保障の充実・安定化等について」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/dai4/siryou2.pdf)p9「地域包括ケアシステムの構築」で「平成30年度までに全市町村が地域支援事業として以下の事業に取り組めるよう、必要な財源を確保し、市町村の取組を支援する。;在宅医療・介護連携、認知症施策、地域ケア会議、生活支援の充実・強化」とあったが、いくら国で予算が組まれても、それぞれの自治体で取り組まれなければ、「見せかけの予算」にしかならないであろう。ここは、自治体ごとの「取り組みの見える化」が期待される。そして地域づくりは、地域福祉の観点からも考えるべきで、「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syakai.html?tid=383233)の動向も注目である。「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-06.pdf)p4「地域福祉計画の充実;市町村が地域福祉計画を策定するよう努めるとともに、福祉の各分野における共通事項を定め、上位計画として位置づける。(都道府県が策定する地域福祉支援計画についても同様。)」は注目である。さて、介護保険事業計画策定に向けた各種調査等に関する説明会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-rouken.html?tid=384533)の「保険者等による地域分析と対応」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138613.pdf)p1「多くの市町村、都道府県では、必ずしも、介護保険事業(支援)計画のPDCAサイクル等が十分な状況とはいえず、ノウハウや人員不足が大きな理由となっている。」は全く同感である。「保険者等による地域分析と対応」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138613.pdf)p2「①市町村による国に対する介護給付費や要介護認定等に関するデータの提出を法律上位置づけるとともに、②国は、市町村から提供されるデータを集計・分析し、地域包括ケア「見える化」システムを通じて、各都道府県・市町村の地域分析に資するようなデータ(地域差に関するデータを含む。)を提供することとしてはどうか。」、p4「アウトカム指標については、例えば、要介護状態等の維持・改善の度合い、健康な高齢者の増加など、保険者の取組の成果を反映する指標を設定してはどうか。なお、その際、要介護認定等が過度に抑制されることの無いよう留意する必要がある。また、アウトプット指標については、例えば、地域包括ケア「見える化」システムの活用状況も含む地域分析の実施状況、地域ケア会議の実施状況、生活支援コーディネーターの活動状況、地域包括支援センターにおけるケアマネジメント支援等の実施状況、介護予防の取組の状況等を指標とする方向で検討してはどうか。 都道府県及び市町村に対する取組のインセンティブとして、上記の評価については各市町村、都道府県毎に、住民も含めて公開することとし、成果を他の地域と比較することによりPDCAサイクルに活用してはどうか。 さらに、財政面においても、市町村や都道府県に対するインセンティブ付けについて検討していくべきではないか。」はぜひ認識しておきたい。まさに人材育成が急務と感じる。そういえば、全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000152088.html)の健康課資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000152068.pdf)p13「平成29年国民健康・栄養調査」は「高齢者の健康・生活習慣に関する実態把握」がテーマで11月に実施される。介護予防(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/index.html)は組織横断的取り組みが欠かせない。介護保険担当部局、後期高齢者保健事業担当部局、健康増進担当部局、地域福祉担当部局がタテ割りであってはいけない。
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