保健福祉の現場から

感じるままに

歯科口腔保健評価指標

2017年10月20日 | Weblog
歯科口腔保健の推進に関する専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127753)の「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項 目標項目一覧」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000169014_1.pdf)が出ているのであるが、改善の余地が少なくないように感じる。例えば、今年実施された「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」の必須項目(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138637.doc)には、「問3 食べることについて (2)半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか」、オプション項目(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000138638.doc)には、「問3 食べることについて (3)お茶や汁物等でむせることがありますか、(4)口の渇きが気になりますか、(5)歯磨き(人にやってもらう場合も含む)を毎日していますか」などがあり、それらが3年ごとに、日常生活圏域単位で把握できる。また、3年ごとに実施される医療施設調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1.html)の歯科診療所票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/dl/iryoushisetu/H26_seitai_shika.pdf)では在宅歯科医療サービスの実績が詳細に把握されている。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)について、「医療計画の見直し等に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の「平成28年度病床機能報告における報告項目の見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000130340.pdf)p14「医科歯科の連携に関する項目を追加;<医科診療報酬>・周術期口腔機能管理後手術加算・栄養サポートチーム加算・歯科医師連携加算 <歯科診療報酬>・周術期口腔機能管理料Ⅱ・周術期口腔機能管理料Ⅲ・周術期口腔機能管理後手術加算」も認識したい。ブロック会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170677.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000170694.pdf)p63にあるように、来年度からの特定健診の問診票に新たに「食事をかんで食べる時の状態」の質問が追加され、活用しない手はない。歯科口腔保健の推進に関する専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=127753)は狭義の保健に固執しているように感じるのは気のせいであろうか。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

がん拠点病院指定要件見直しの行方

2017年10月20日 | Weblog
キャリアブレイン「現がん拠点病院の指定期限、19年3月末に統一 厚労省検討会が了承、65施設が期限変更の対象に」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20171019191945)。<以下引用>
<厚生労働省の「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」は18日の会合で、現がん診療連携拠点病院(拠点病院)などの指定期限を2019年3月末に統一することを了承した。新たな整備指針(新指針)で指定を受ける拠点病院と、現在の整備指針(現指針)で指定された拠点病院の間で、医療安全体制などにばらつきが生じないようにするための措置。現拠点病院のうち、65施設が指定期限変更の対象となる。整備指針をめぐっては、厚労省の「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」で医療安全体制などを厳しくする方向で検討されており、18年度中に改定される見通し。18日の会合で厚労省は、19年4月時点で現指針と新指針で指定された拠点病院が混在し、医療安全や医療提供体制などに差が生じる可能性があると指摘。その上で、現拠点病院などの指定期限の延長・前倒しについて議論するよう促した。厚労省はまた、現拠点病院の整備指針改定時の取り扱いに関する案を示した。具体的には指定期限が、▽18年7月末の拠点病院(12施設)について期限を19年3月末まで延長▽20年3月末(46施設)と21年3月末(7施設)の拠点病院について期限を19年3月末に前倒し―することで、それぞれの拠点病院を19年4月から新指針に基づいて指定更新することを提案した。これに対して反対意見は出なかった。>
 
「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128564)で「今後のがん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループの主な論点(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000181109.pdf)では「「必須」、「原則必須」、「望ましい」の3種類の要件を設けているが、求めている水準について整理してはどうか。」「手術療法、放射線治療、化学療法、緩和ケア、病理診断について、現行の指定要件をもとに再検討してはどうか。」「診療実績について、再検討してはどうか。;診療実績の数値とカウント方法について、地域がん診療連携拠点病院、都道府県がん診療連携拠点病院の診療実績②(カバー率)のあり方について」とあり、がん診療連携拠点病院(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_byoin.html)の指定要件見直しが注目される。「がん診療連携拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=470796)のスケジュール(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000179762.pdf)では今年11月までに中間報告書確認、来年4~5月ごろに最終報告書確認とのことである。がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html)では、病院ごとに詳細なデータが出ている。「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000155799.pdf)はどうなるであろうか。地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)の推進とも関連するように感じる。がんは医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の柱でもあり、第7次医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)においても議論されても良いであろう。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

がん登録と小児がん

2017年10月20日 | Weblog
キャリアブレイン「全国がん登録、4003診療所が罹患情報届け出 医療機関数は1万2428」(https://www.cbnews.jp/news/entry/469731024)。<以下引用>
<2016年1月にスタートした全国がん登録制度で、がん患者の罹患情報などを都道府県に届け出る診療所が、9月末時点で4003あることが分かった。この制度では、すべての病院が都道府県に届け出ることになっており、診療所を合わせると1万2428施設が届け出ることになる。全国がん登録制度を定める「がん登録等の推進に関する法律」は、すべての病院と手挙げした診療所は、罹患した人の氏名、性別、生年月日、住所、がんの種類、進行度のほか、がん発見の経緯などに関して、都道府県に届け出ることを義務付けている。病院数は、厚生労働省がまとめている医療施設動態調査(7月末時点)の8425が基になっている。同制度がスタートしてから1年間の情報の届け出の期限は今年末。都道府県から国立がん研究センターのデータベースに集積された情報は現在、患者の居住所在地が異なるのに同姓同名だったりする情報の確認をしたり、同じ人だと思われる情報を突合したりしている。16年中の診断症例データは、来年末に公表を予定している。>

朝日新聞「福島の子の甲状腺がん、2人増え154人に」(http://www.asahi.com/articles/ASKBR6TGNKBRUBQU00H.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<福島県は23日、東京電力福島第一原発事故時に18歳以下だった約38万人を対象にした甲状腺検査で、4~6月に新たに2人が甲状腺がんと診断され、計154人になったと発表した。がんまたはがんの疑いのある人は、5人増の計194人となった。同日、県の検討委員会に報告した。検討委は「これまでのところ被曝(ひばく)の影響は考えにくい」としている。県は、約3カ月おきに最新の検査結果を発表している。>

キャリアブレイン「がん登録情報の提供マニュアルの策定開始 厚生科学審議会がん登録部会」(https://www.cbnews.jp/news/entry/469731019)。<以下引用>
<厚生科学審議会がん登録部会は19日、2016年1月に全国がん登録制度がスタートして以来、初めて会合を開き、同年の診断症例データが来年末に公表されることを踏まえ、「全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル」の策定を開始した。同マニュアルは、来年3月末までに策定することを目指している。全国がん登録制度を定める「がん登録等の推進に関する法律」は、すべての病院や手上げした診療所は、罹患した人の氏名、性別、生年月日、住所、がんの種類、進行度のほか、がん発見の経緯などに関して、都道府県に届け出ることを義務付けている。全国がん登録データベースに集積された情報は、一定の条件をクリアした上で、がんの調査研究などのために利活用することが可能な仕組みになっている。この日の会合では、全国がん登録情報とそれを匿名化した情報と、都道府県がん情報とそれを匿名化した情報それぞれの提供に関する事務を担当する、国立がん研究センターと都道府県のためのマニュアルの策定に向けて、委員らが個別の論点ごとに意見交換をした。この中では、調査研究のためにデータを使用する際の申請文書のチェック方法や、匿名化したデータでも、症例数が少ないがんなどで患者の居住地域が限定されたりするなどして、取り扱い次第では個人が特定されてしまうことが予想されるケースに対して、どのような条件を設ければ使用許可を出すことができるのかなどが個別の論点になった。>
 
厚生科学審議会がん登録部会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei.html?tid=208254)の「全国がん登録の現状について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000181340.pdf)によると、来年12月に「平成28年診断症例データ公表予定」とのことであるが、「全国がん登録情報等の利用と提供に関するマニュアル」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000181346.pdf)に基づき、積極的に活用したいものである。厚労省通知「がん登録等の推進に関する法律施行令及びがん登録等の推進に関する法律施行規則の施行について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000101538.pdf)p10の全国がん登録情報等の提供対象者には放射線影響協会、放射線影響研究所、福島県が行う健康管理調査の委託を受けた者が位置づけられており、昨年1月スタートした全国がん登録(http://ganjoho.jp/reg_stat/index.html)との比較検討がなされてもよいかもしれない。首相官邸災害対策ページ「世界の甲状腺癌の現状」(http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g78.html)が出ているように、世界的に甲状腺がんが増加傾向にあるが、診断技術の向上による面も小さくないであろう。甲状腺がんはPET検査等の特殊検査でかなり発見されやすいがんである(http://www.pet-toyama.jp/seiseki.htm)。福島県県民健康調査(https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/list279-884.html)が出ているが、果たして甲状腺以外の小児がんはどうなっているであろうか。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

療養病床の見える化が必要

2017年10月20日 | Weblog
キャリアブレイン「医療区分見直しに向け療養患者のデータを収集 小規模病院にも「様式1」提出義務付けか」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20171019181936)。<以下一部引用>
<慢性期入院医療の診療報酬を左右する医療区分の見直しに向けて、厚生労働省が、患者の症状や状態などのデータ収集に乗り出す方向性を示している。療養病棟に入院する患者のデータを病院が定期的に報告する仕組みを来年春の診療報酬改定でつくり、区分ごとの定義が適切か検証できるようにする。検証には、小規模な病院からもデータを集める必要があり、データの内容や事務負担の軽減策などが報酬改定に向けた焦点となる。医療区分は療養病棟などに入院する患者の医療の必要度を表すもの。疾患や状態、実施する医療処置などで、区分3と区分2の定義がそれぞれ規定されている。どちらにも当てはまらない患者は、医療の必要度が低い区分1だと見なされる。区分3・2の定義には、中央社会保険医療協議会(中医協)の「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」が行った実態調査の結果を踏まえて定められた経緯がある。この調査では、療養病棟などの入院患者の状態や、そのケアにかかる時間などを調べた。しかし、区分1でも医療の必要度が高い患者がいるなどとして医療区分の抜本的な見直しを求める声も医療現場に根強い。>
 
中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000167354.pdf)p59「療養病棟入院基本料の届出病床数の推移」をみれば、療養病棟入院基本料1は増加傾向、療養病棟入院基本料2は減少傾向にあることがわかる。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000167354.pdf)p60にあるように、平成28年度診療報酬改定で、基本料1では「医療区分2・3の患者が8割以上」、基本料2では「医療区分2・3の患者が5割以上」の要件が設定されたが、療養病棟入院基本料1の増加傾向はどれほどであろうか。また、ここ最近、「介護療養⇒医療療養」に転換したケースが少なくないであろう。さて、以前、キャリアブレイン「療養病棟に「DPCデータ提出必須化」案 入院分科会、医療区分2・3の分析が狙い」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170804222021)と報道されていたが、やはり、療養病棟の見える化が必要と感じる。例えば、①医療法による医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/teikyouseido/dl/youryou.pdf)では、医療機関ごとの病床種別の許可病床、前年度1日平均患者数、前年度平均在院日数、前年度1日平均外来患者数や在宅患者数が出ている。また、②医療法による病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)では、各病院の病棟単位で、「1か月間の入院前の場所・退院先の場所の状況」「1か月間の退院後に在宅医療を必要とする患者の状況」が公表されている。これらをみれば、一口に「療養病棟」といっても随分と状況が異なることがわかるであろう。「地域医療構想に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「病床機能報告の項目の追加・見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000166638.pdf)p3「報告項目の追加・見直しについて(案)」では「「入院前・退院先の場所別の患者数」、「退院後に在宅医療を必要とする患者数」について、報告対象期間を、現在の1か月間から、1年間に見直してはどうか。」とあり、今後、病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)のデータベース化による病棟単位の詳細な分析が普遍化されるように感じる。③地方厚生局の施設届出(http://caremap.jp/cities/search/facility)も療養病棟の差別化に役立つかもしれない。各種の入院基本料等加算(https://clinicalsup.jp/contentlist/shinryo/ika_1_2_2/index.html)が算定されているかどうか、である。なお、④「医療施設静態調査」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/14/)(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/index.html#00450021)の病院票(http://www.mhlw.go.jp/toukei/chousahyo/dl/iryoushisetu/H26_seitai_byouin.pdf)をみれば、医療保険・介護保険での在宅医療の取り組み状況と実績の詳細(往診、訪問診療、訪問看護・指示書交付、訪問リハビリ、在宅看取り等の実施件数)が把握できることも知っておきたい。それぞれの地域において、「地域のデータに基づく具体的な議論」が普遍化されなければいけない。キャリアブレイン「療養病棟に「DPCデータ提出必須化」案 入院分科会、医療区分2・3の分析が狙い」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20170804222021)を待たなくでも、今できることから始めるべきであろう。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

低調なクロザピン治療

2017年10月20日 | Weblog
メディウォッチ「統合失調症治療薬クロザピン使用促進に向け、精神療養の包括範囲を見直し—中医協総会(2)」(http://www.medwatch.jp/?p=16354)。<以下引用>
<治療抵抗性の統合失調治療であるクロザピンの使用が、我が国では諸外国に比べて著しく少ない。この背景には精神療養病棟入院料でクロザピンが包括評価されていることもあると考えられ、2018年度の次期診療報酬改定において包括範囲の見直しを検討してはどうか―。10月18日に開催された中央社会保険医療協議会の総会では、こういった議論が行われています。治療抵抗性の統合失調症治療薬クロザピン、無顆粒球症などの副作用も クロザピンは治療抵抗性の統合失調症を治療する薬剤として世界各国で販売されていますが、我が国では諸外国に比べて処方率が極めて低いようです。諸外国に比べて薬価収載が遅かったことや、重大な副作用(無顆粒球症など)が判明しているために「血液内科医との連携」が求められていることなど、処方率の低さにはさまざまな要因がありますが、厚生労働省は「精神療養病棟入院料でクロザピンの薬剤料が包括評価されている」点も背景の一つではないかと考えています。精神療養病棟入院料では、インターフェロン製剤や抗ウイルス剤、血友病治療薬などは出来高で算定できますが、クロザピンは出来高の対象になっていません。翻ってクロザピンの薬価は618.40円で、1日薬価では最高(400mg使用)1236.80円で、他の非定型抗精神病薬に比べて高額になっており、包括評価によって生じかねない持ち出しや収入減が、クロザピン使用を躊躇させているのではないか、という問題意識です。厚労省保険局医療課の迫井正深課長は、「治療抵抗性統合失調症の患者に対し、クロザピンによる適切な治療の推進に資するよう、精神療養病棟入院料などの包括範囲見直しを検討してはどうか」と提案しています。この提案に対し、診療側の猪口雄二委員(全日本病院協会会長)は「包括の特例を認めれば『他の薬剤はどうなのか』という問題が生じる。全体を整理すべきではないか」とコメント。また支払側の吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は「包括評価の見直しだけでよいのか、日本では小児・薬価収載から日が浅いという理由だけかもしれない」と述べ、多面的な検討が必要との見解を示しています。精神病棟の運営・経営は厳しいと、診療側委員から指摘 このほか精神医療の報酬見直しに向けて、迫井医療課長は次のような提案・論点を示しています。(1)措置入院(自傷・他害の恐れのある精神疾患患者に対し、行政が命令して入院させる)患者に対する「退院後の継続的な支援」を診療報酬で評価する(2)精神保健指定医において、診療報酬上は「外来」や「在宅」での活動も求めているが、創設の経緯に鑑みて求められている「入院」業務とのズレが生じており、【通院・在宅精神療法】の指定医評価の見直しを検討する(3)長期入院患者の地域移行推進に向けて、精神病棟における在宅移行の対象に特別養護老人ホームや介護老人保健施設を加える(4)長期入院患者の地域移行推進にむけて、在総管(在宅時医学総合管理料)・施設総管(施設入居時医学総合管理料)と、精神科重症患者早期集中支援管理料の点数設計について整理を行う(現在、医療機関が両者のうち「自院に有利な点数」を選択できるようになってしまっている)(5)精神科急性期病棟において、患者の状態に応じた適切な医療提供体制を確保できるような検討を行う(6)発達障害患者の受け入れ体制充実に向けて、▽発達障害患者への治療の評価見直し▽専門治療プログラムの評価見直し—などを検討する(7)2016年度改定で新設された認知療法・認知行動療法3(看護師が医師と共同して実施)の届け出・算定ともにゼロ件にとどまっており、要件(認知療法・認知行動療法を行う外来での2年以上の経験や、面接への同席など)の緩和を検討する(8)公認心理士の創設(2018年から試験開始)に伴い、臨床心理技術者などの配置を要件としている診療報酬(精神科リエゾンチーム加算など)の要件見直しを検討する こうした提案に対しては「措置入院も重要だが、増加している医療保護入院(入院に同意する能力がない精神疾患患者などの代わりに、家族などの保護者が同意することで成立する入院)の評価も充実すべき」(松本純一委員:日本医師会常任理事)、「長期入院患者の地域移行を推進するには『受け皿』の整備が重要ではないか」(松本吉郎委員:日本医師会常任理事)、「通院・在宅精神療法から指定医の評価(指定医以外と比べて高点数が設定されている)を除外した場合、医療の質は担保できるのだろうか」(猪口委員)といった指摘がなされています。また万代恭嗣委員(日本病院会副会長)は「総合入院体制加算の要件として、精神病棟の設置などが加味されたが、精神病棟の運営・経営状況は厳しい。その点を勘案した見直しを行ってほしい」と要望しており、今後の中医協論議に注目が集まります。>
 
中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「個別事項(その4)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000180987.pdf)p70~79「治療抵抗性統合失調症治療薬」をみておきたい。第7次医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の医政局長通知(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159901.pdf)p25~「精神病床に係る基準病床数」に関して、「「地域精神保健医療体制の高度化による影響値β」とは、治療抵抗性統合失調症治療薬の普及等による効果を勘案し、1年当たりの地域精神保健医療体制の高度化による影響値として、原則として0.95から0.96までの間で都道府県知事が定める値を3乗し、当初の普及速度を考慮して調整係数0.95で除した数」とある。地域医療計画課長通知(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159904.pdf)p46~63「精神疾患の医療体制の構築に係る指針」にある15領域についてしっかり検討されなければならないが、統合失調症はクロザピン治療体制が欠かせない。クロザリル適正使用委員会(http://www.clozaril-tekisei.jp/index.html)による登録医療機関(http://www.clozaril-tekisei.jp/iryokikan.html)は知っておきたい。なお、精神保健計画研究部HP(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/)の精神保健福祉資料(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/data/)の全国・都道府県の精神保健福祉資料をみれば、二次医療圏ごとのクロザピン使用状況がわかる。また、医療介護情報局(http://caremap.jp/cities/search/facility)の抗治療(抗精神病特定薬剤治療指導管理料)をみれば、どの医療機関がクロザピン治療を届けているかわかることは。内閣府の経済・財政と暮らしの指標「見える化」ポータルサイト(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/mieruka/index.html)には都道府県、二次医療圏、市町村別(医療機関所在地)のSCR(年齢調整レセプト出現比)が出ており、「コード180038810治療抵抗性統合失調症治療指導管理料」をみておきたい。精神医療も「地域のデータに基づき、地域で考え、行動する」時代のように感じる。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

大幅なマイナス改定と医療費適正化

2017年10月20日 | Weblog
キャリアブレイン「鈴木医務技監、診療報酬大幅マイナスの可能性に言及」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20171019200756)。<以下引用>
<厚生労働省の鈴木康裕医務技監は19日、仙台市内で始まった日本慢性期医療学会の記念講演で、2018年度の診療報酬改定が大幅なマイナス改定になる可能性に言及した。年末にかけて本格化する予算案の編成過程で、社会保障費の自然増を抑制する上、医療以外の政策の財源をこの中から確保するよう求められかねないためだ。18年度の社会保障関係費の自然増は、8月の概算要求時点で6300億円だったが、政府はこのうち1300億円程度を年末の予算案の編成過程で削減し、最終的に5000億円程度に抑える。このため、診療報酬と介護報酬の同時改定の財源をどれだけ確保できるかが焦点になる。鈴木医務技監は講演で、「政治的に読めないが、5000億円の中に、例えば介護人材の待遇改善料を組み込めとか、保育の充実のための費用を組み込めという新しい指示があり、数百億、数千億円を使うことになると当然、診療報酬、介護報酬、障害報酬にしわ寄せが来て、大幅なマイナス改定になる」と話した。ただ、診療報酬改定があった16年度には薬価・材料費の引き下げだけで1500億円規模を削減しており、鈴木医務技監は、「新しい指示」がなく、「うまくいけば、(本体)プラス改定の財源を確保できる」とも話した。また、「景気が悪いから来年は医療サービスを3分の1にしてくれと言われ、本当にできるのかと言われたら、人の命を前にして絶対にできない」と述べ、確実な税収増を見込める消費増税に財源を頼らざるを得ないとの認識を示した。■ある程度の病床集約化が不可避 記念講演は、医療・介護同時改定toward & beyondがテーマ。鈴木医務技監は、高齢化が本格化する25年をにらんで医療と介護を大きく見直すのに、18年度の同時改定が実質的に最後の機会になると改めて指摘した。また、病床に占める医師・看護師の少なさを日本の医療の特徴に挙げ、将来的には病床のある程度の集約化が避けられないとの認識も示した。スタッフの手薄さが現場の業務負担を増やし、医療事故のリスクを高めかねないためで、今のままでは「絶対に持たない」と述べた。同省保険局の迫井正深医療課長は、この日のシンポジウムで、「私の役割は、頂いた財源をまいていくこと。どのようなものをまこうとも花を咲かせていく」と述べた。>
 
経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)で議論された「経済財政運営と改革の基本方針2017」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2017/2017_basicpolicies_ja.pdf)p32「高齢者の医療の確保に関する法律第14条の規定(厚生労働大臣は、医療費適正化計画の実績に関する評価の結果、計画における医療の効率的な提供の推進の目標を達成し、医療費適正化を推進するために必要があると認めるときは、一の都道府県の区域内における診療報酬について、地域の実情を踏まえつつ、適切な医療を各都道府県間において公平に提供する観点から見て合理的であると認められる範囲内において、他の都道府県の区域内における診療報酬と異なる定めをすることができる)について、第2期医療費適正化計画の実績評価を踏まえて、必要な場合には活用ができるよう、2017年度(平成29年度)中に関係審議会等において検討する。」とあることは認識したい。さて、「社会保障WGの今後の検討課題」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/291018/sankou3.pdf)が出ているが、以前、財政制度等審議会 財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271009/02.pdf)p9「経済・財政一体改革における社会保障の改革検討項目」の44項目として出ていた。それにしても「社会保障WGの今後の検討課題」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/280711/shiryou1.pdf)p6「メンタルヘルス;メンタルヘルスなど精神医療の質の向上を図る。」はどうもわからない。医療法に基づく病床機能報告制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)は一般病床と療養病床を有する医療機関だけであって精神病床は対象外である。また、医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)では、精神疾患も柱の一つであるが、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)での必要病床では精神病床は除外されている。「経済・財政再生計画 改革工程表」(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia281027/03.pdf)にも精神関係はないし、財政制度等審議会財政制度分科会(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の「社会保障② 年金、生活保護、雇用、障害福祉、医療提供体制)」(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia281027/01.pdf)でも、なぜか精神関係は出てこない。「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000118658.html)の論点(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000118649.pdf)には、「精神病床のさらなる機能分化(病床機能の検討、精神病床の必要数)」が提示されており、具体的な項目が示されてもよいように感じる。「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築支援情報ポータル」(http://mhlw-houkatsucare-ikou.jp/)の資料(http://mhlw-houkatsucare-ikou.jp/meeting01data/sysbuildermeeting01_ref1-2.pdf)p38~39「市町村計画における地域移行に伴う基盤整備量の調整」はどうなるか、p57「新630調査」の「秋(予定)都道府県に医療計画策定に資する集計値提示」も気になる。資料(http://mhlw-houkatsucare-ikou.jp/meeting01data/sysbuildermeeting01_ref1-2.pdf)p39「都道府県は、平成32年度末の長期入院患者の地域移行に伴う基盤整備量(利用者数)を推計し、都道府県内の市町村と協議しながら、市町村ごとの必要量を提示する」について、想定される方法論の一つとして「長期入院患者の住所地に応じて地域移行に伴う基盤整備量を按分」もあり、p57「新630調査」では市町村ごとの長期入院患者数が出てくる。国立精神・神経医療研究センター「精神保健福祉資料」(http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/data/)では「新精神保健福祉資料平成29年速報版2017年11月公表予定」とある。「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/193-16.pdf)の廃案で、「精神疾患」を特別視するような声を強めてはならない。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

マッチング結果

2017年10月20日 | Weblog
医師臨床研修マッチング協議会(https://www.jrmp.jp/)の「2017年度 研修プログラム別マッチング結果」(http://www.jrmp.jp/koho/2017/2017all-program-kekka.pdf)が出ているが、まさに若手医師の人気度のようである。さて、「医師需給分科会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=318654)の「年末までに検討する 医師偏在対策の主な論点」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000177384.pdf)の行方が注目であるが、p9~の「都道府県における計画的な 医師確保対策の実施」の見える化が不可欠と感じる。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000177384.pdf)p18「地域医療対策協議会の開催実績」をみれば都道府県格差が大きく、p36~37「地域枠の導入状況(大学別一覧)」が出ている。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000167959.pdf)p6「地域医療支援センター運営事業」、p15「地域医療支援センターによる派遣調整の実績」も出ているが、医師偏在対策には透明性が重要であろう。各都道府県ごとに、これまでの年度別の「自治医大・地域枠出身医師の勤務先(診療科、地域)」と「派遣ルール・キャリア形成プログラム」が公表されるべきである。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加