保健福祉の現場から

感じるままに

地域医療係数の行方

2017年10月04日 | Weblog
キャリアブレイン「DPCの地域医療係数、来年度大きく変動か 評価基準などの見直し案、厚労省」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20171002201357)。<以下一部引用>
<厚生労働省は来年春の診療報酬改定で、DPC対象病院の地域医療への貢献度合いの評価基準を大きく見直す方針だ。がん治療連携指導料の施設基準の届け出を評価対象から外すほか、病院で対応できる脳卒中や心血管疾患の治療方法の幅に応じて評価に差をつける。精神科救急・合併症入院料の施設基準の届け出を、精神科身体合併症管理加算の届け出よりも高く評価する。これらの見直しに伴い一部の病院では、地域医療への貢献度合いを診療報酬に反映させる地域医療係数が来年度から大きく変動する可能性がある。病院ごとの地域医療係数には、地域のDPC対象病院の中での患者シェアの高さと、医療計画などに応じた体制の整備状況や診療実績が反映される。厚労省は9月28日、中央社会保険医療協議会のDPC評価分科会の会合で、このうち体制の整備状況などを評価する基準の見直し案を示した。それによると、病院が施設基準を届け出ていればポイントを与える項目から、がん診療連携拠点病院などの連携先を評価するがん治療連携指導料を削除する。急性期以外の病院でもこの指導料を届け出できるため。>
 
DPC評価分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128164)の「地域医療係数(その2)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000178840.pdf)p2「「がん地域連携」と「がん拠点病院」の2 つの評価項目については、併せて、がんに係る1 つの評価項目としてはどうか。ただし、B005-6-2がん治療連携指導料は、急性期のがん診療を担う医療機関への評価として適切ではない可能性があることから、評価項目から削除してはどうか。将来的には、診療ガイドラインに基づく治療実施割合等を評価することも、検討してはどうか。」、p3「「脳卒中地域連携」と「24 時間tPA 体制」の2 つの項目については、医療機関群毎に、t-PA 療法(A205-2 の算定)、血管内治療等の専門的医療の実施やその他でt-PA 療法の実施の有無について実績を踏まえながら、1 つの評価項目としてはどうか。その際、地域のネットワークに参加する「専門的医療を包括的に行う施設」と「専門的医療を行う施設」とで、段階的な評価となるようにしてはどうか。」、p5「「急性心筋梗塞の24 時間診療体制」の評価項目については、対象疾患を心筋梗塞等の心血管疾患とし、医療機関群毎に現在の心筋梗塞のPCI や外科治療の実績に加えて、急性大動脈解離については、一定数以上の手術実績を評価項目としてはどうか。その際、地域のネットワークに参加する「専門的医療を包括的に行う施設」と「専門的医療を行う施設」とで、段階的な評価となるようにしてはどうか。」、「精神科診療については、引き続きA230-3精神科身体合併症管理加算及びA311-3精神科救急・合併症入院料を用いて評価することとし、より重篤な診療実態のあるA311-3 をより高く評価することとしてはどうか。」、p6「「災害時における医療」、「EMIS」の2 項目については、いずれも災害医療体制に係る評価であり、他の疾患領域・事業と同様に1 つの評価項目としてはどうか。また、災害拠点病院については、これまでの評価に加え、BCP の策定の有無に応じた評価を行うこととしてはどうか。また、DMAT の指定、EMIS への評価は引き続き同様に評価してはどうか。新型インフルエンザ等対策に係る指定地方公共機関の指定については、今後の進捗状況を踏まえて導入を検討してはどうか。」の行方が注目である。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)、地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)、「地域医療構想を踏まえた「公的医療機関等2025プラン」」(http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20170804_01.pdf)、「新公立病院改革プラン」(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/hospital/hospital.html)の進捗にもそれなりに影響するのは間違いない。厚労省「DPC導入の影響評価に関する調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049343.html)、医療法に基づく病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)、医療法に基づく医療機能情報(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)、医療機関届出情報(地方厚生局)検索(http://caremap.jp/cities/search/facility)等もみれば、ある程度、各病院の実績がわかる。DPC係数の平成29年度の病院別の数値は資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000165562.html)からダウンロードできる(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000165685.pdf)。今年度からスタートした「病院情報の公表」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000136365.pdf)の公表項目である、1)年齢階級別退院患者数、2)診療科別症例数の多いものから3つ、3)初発の5大癌のUICC 病期分類別ならびに再発患者数、4)成人市中肺炎の重症度別患者数等、5)脳梗塞のICD10 別患者数、6)診療科別主要手術の術前、術後日数症例数の多いものから3つ、7)その他 DICの請求率等、は医療計画・地域医療構想の関係者は常識としたい。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000165676.pdf)p17~の地域医療指数の①脳卒中地域連携、②がん地域連携、③救急医療、④災害時における医療、⑤へき地の医療、⑥周産期医療、⑦がん拠点病院、⑧24時間t-PA体制、⑨EMIS、⑩急性心筋梗塞の24時間診療体制、⑪精神科身体合併症の受入態勢、⑫高度・先進的な医療の提供、は医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)と密接に絡んでいる。
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人生の最終段階における医療とACP

2017年10月04日 | Weblog
メディウォッチ「人生の最終段階の医療、国民にどう普及啓発するか2017年度内に意見まとめ—厚労省検討会」(http://www.medwatch.jp/?p=16054)。<以下引用>
<自分が死を迎える際には、延命治療は行わないでほしい—。このように「人生の最終段階における医療」を自分自身で決めて、明らかにしておくことが重視されています。しかし医療の専門家でない一般国民にとって、「人生の最終段階における医療」を考える機会は十分に確保されておらず、自治体や医療機関からの支援体制は必ずしも十分には整備されていいません。そこで厚生労働省は「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」を設置。▼国民への情報提供・普及啓発の在り方▼今後の課題の整理▼意思決定支援に必要な事項―を整理し、今年度内(2018年3月まで)にまとめる予定です。9月29日に開催された検討会では、「人生の最終段階における医療」を考えるに当たり先進的な取り組みを行っている自治体、医療関係者から発表が行われました。エンディングノート、宮崎市では「詳細な説明」と「手渡し」を基本に 厚労省の調査によれば、「人生の最終段階における医療」を考えるためのパンフレットなどを作成した都道府県は11(23.4%)、市区町村は112(6.4%)、作成中の都道府県は1(2.1%)、市区町村は26(1.5%)にとどまっています。この数少ない先進自治体の中で、宮崎県宮崎市では「エンディングノート」(わたしの想いをつなぐノート)プロジェクトを実施。すでに病気を抱えている本人だけでなく、家族、市民が「人生の最期の時間をどこで過ごし、どのような医療を受けたいか」を考えられるような情報提供・支援体制整備に力を入れています。『わたしの想いをつなぐノート』には、回復の見込みがなく死期が迫った場合に▼最大限の治療(心臓マッサージや人工呼吸器)を行ってほしいか▼継続的な栄養補給をしてほしいか▼点滴などの水分維持にとどめてほしいか▼何も治療しないでほしいか▼痛みだけはとってほしいか—などを記載するほか、「どこで、誰と、どのように」最期を迎えたいかなどを自由記述します。こうした「エンディングノート」は普及しつつありますが、医療の専門家でない一般国民にとっては「どのように書けばよいのか分からない」のが実際でしょう。そこで宮崎市では、エンディングノートを熟知した職員や、アドバイザー(医師、保健師、看護師、ケアマネジャーなど)が「治療を受けたいという希望を記載してもよいこと」「すべての項目を埋めなくてもよいこと」「いつでも書き直せること」などを説明した上で、『手渡し』することを原則としています。松戸市、利用者の希望を医療関係者らが「共有」できるシステムを整備 また千葉県松戸市では、慶應義塾大学医学部や千葉健愛会あおぞら診療所が音頭をとり、「ふくろうプロジェクト」という意思決定支援に向けた取り組みを行っています。そこでは▼緊急時連絡シート(ふくろうシート)の運用▼ケアマネジャーによる「人生の最終段階における医療」への意思決定支援▼自宅・在宅療養支援病院・救急病院などの間のネットワーキングとローカルルールの運用▼市民啓発—の4つの取り組みを実施。このうち「ふくろうシート」は、▼ケアマネ、地域包括支援センタースタッフが利用者とともに「人生の最終段階における医療」の希望を記載し、事務局で登録・QRコード化する▼利用者が救急搬送された場合、QRコードで利用者の希望を確認し、希望に沿った適切な医療を提供する—といった形で活用されます。利用者の希望は外からは分かりにくく、かつ時間とともに変化するため、QRコード化することで「最新情報を共有できる」ことになります。松戸市のような取り組みが全国に普及するまでには、相当の時間がかかるでしょう。すると救急搬送され、医療関係者に利用者の希望が伝わらず、希望に沿わない延命治療などが施されてしまうケースもあるでしょう。この点について、▼日本救急医学会▼日本集中治療医学会▼日本循環器学会—の3学会が合同で、救急・集中治療領域における終末期の対応に関するガイドラインを2014年に策定しています。具体的には、主治医を含む複数の医師で次の4項目を確認した際に「終末期」と判断し、延命治療について「継続するのか」「透析などの積極的治療を行うのか」「水分・栄養の補給制限や中止を行うのか」という選択を検討することになります。▼不可逆的な全脳機能不全(脳死診断後や脳血流停止の確認後などを含む)であると十分な時間をかけて診断された場合 ▼生命が人工的な装置に依存し、生命維持に必須な複数の臓器が不可逆的機能不全となり、移植などの代替手段もない場合 ▼その時点で行われている治療に加えて、さらに行うべき治療方法がなく、現状の治療を継続しても近いうちに死亡することが予測される場合 ▼回復不可能な疾病の末期、例えば悪性腫瘍の末期であることが積極的治療の開始後に判明した場合 検討会では、今後、こうした先進事例も参考に「人生の最終段階における医療」の普及・啓発をどのように進めていくべきかについて今年度内(2018年3月まで)にまとめる予定です。あわせて国民や医療介護専門職(医師、看護師、介護職員)、施設(病院や介護施設など)のそれぞれで「人生の最終段階における医療」についてどのように考え、家族らと話し合い、どのような希望を持っているのかなどの調査も行い、意見とりまとめの重要基礎資料とする考えです。最終段階の医療、患者の状態(がんや難病)やステージごとに考える必要 ただし松原謙二構成員(日本医師会副会長)は、一律な設定をするのではなく、例えば▼ALSなどの難病患者▼末期がん患者▼認知症患者—などに区分して「人生の最終段階における医療」の考え方などを整理していく必要があると強調。また木澤義之構成員(神戸大学医学部附属病院緩和支持治療科特命教授)は「ステージ(健康な段階、死を意識した段階など)に分けて考えることが必要」と言った見解を示しています。例えば、ALSなどの難病患者では、極めて早期から「死」を意識する機会が多く、また自分で詳細な意思表示をすることが困難でしょう。この場合、早期から具体的な医療内容について、自分の代理で意思表示を行う人(家族など)と意見交換しておく必要がありそうです。また末期がん患者であっても、自分で意思表示できる場合には、自身の中で具体的な医療内容を検討しておくことになるでしょう。その際、がん医療に詳しい専門家との相談が重要となります。米国ではキャンサーナビゲーションシステム(がん患者に寄り添い、医療的・精神的なサポートはもちろん、経済的な支援を行う制度のあり方などを説明・紹介する医療・福祉の専門家)が構築されており、我が国における普及も待たれます。さらに認知症患者であれば、代理人が本人の以前の考えなどを踏まえて意思を「推定」することになるでしょう。こう考えていくと、国民全員が「できる限り早期から、自分の最期の医療はどうあってほしいか。自分にとって重要な価値は何か」といった点を真剣に考えることが極めて重要であると再認識できます。ところで検討会では「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)が今後、極めて重要となる」という点で意見が一致しています。しかし「ACPとは何か」といった点について国民的な合意はできていないのが実際です。ACPは、「人生の最終段階の医療・療養について、自分自身の意思に沿った医療・療養を受けるために、家族や医療介護関係者らとあらかじめ、かつ繰り返し話し合うこと」と理解されていますが、分かりやすく表現した日本語への訳語を設定してはどうかといった意見が内田泰構成員(共同通信社生活報道部編集委員)らから出されています。国民全員が「自分のこと」として考えるためにも、分かりやすい訳語が待たれます。>
 
「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=471022)の「人生の最終段階における医療の普及・啓発等の取組に関する実態調査(自治体)結果」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000179012.pdf)p4「自治体における普及・啓発の取組(都道府県別)」をみれば取り組み格差が小さくないことがわかる。日本創成会議「高齢者の終末期医療を考える ―長寿時代の看取り―」(http://bookstore.jpc-net.jp/detail/books/goods003835.html)のように、それぞれの地域において、「長寿時代の看取り」を考えなければならない。厚労省「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000079283.html)、日本老年医学会(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/)「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン ~人工的水分・栄養補給の導入を中心として~」(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/guideline/index.html)等が出ており、「在宅医療・介護連携推進事業について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000102540.pdf)p12「(カ)医療・介護関係者の研修」、p13「(キ)地域住民への普及啓発」において、DNAR(do not attempt resuscitation)も含めた「人生の最終段階における医療」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisyu_iryou/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000078983.pdf)の周知を図りたいものである。国がいくら通知や事務連絡を発出してもそれぞれの自治体で取り組まれなければ全然意味がない。「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000179022.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000173561.pdf)は保健福祉の現場でも普及させるべきであろう。がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=355813)の「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会開催指針の改正について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000168738.pdf)p10「チーム医療の観点から、看護師、薬剤師等の医療従事者が受講可能となるよう、研修会の内容・体制を検討する。」、p11「専門的緩和ケアへの「つなぎ方」の追加• 意思決定支援(アドバンス・ケア・プランニングを含む)の充実• コミュニケーションスキル(対患者・家族、対医療従事者)に関するプログラムの充実• グリーフケアの追加• 医療用麻薬の使い方に関するプログラムの充実• 緩和的放射線療法の充実• がん以外の疾患に対する緩和ケアの追加」にも注目である。介護保険の特定疾病(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html)には、末期がんも含まれているが、がんだけではなく、終末期に関するある程度のイメージ合意があった方がよいかもしれない。そういえば、平成18年3月の事件(http://www.fujitv.co.jp/b_hp/fnsaward/15th/06-342.html)から11年以上経った。
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高額薬剤の最適使用

2017年10月04日 | Weblog
メディウォッチ「オプジーボ、胃がん治療に用いる際のガイドラインと留意事項を通知—厚労省」(http://www.medwatch.jp/?p=16051)。<以下引用>
<厚生労働省は9月22日、画期的な抗がん剤のオプジーボ点滴静注(ニボルマブ製剤)の適応が胃がんにも拡大されたことを受け、最適使用推進ガイドラインを通知(ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(胃癌)の作成及び最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌、悪性黒色腫、頭頸部癌、腎細胞癌及び古典的ホジキンリンパ腫)の一部改正について)するとともに、保険診療上の留意事項通知(抗PD-1抗体抗悪性腫瘍剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項の一部改正について)を発出しました。胃がん治療では、サードライン(3次治療)として用いる オプジーボは、免疫チェックポイント阻害剤として、各種のがんに対する優れた治療効果が期待されています。しかし、超高額な薬価が設定されていたため、中央社会保険医療協議会で緊急的・特例的な薬価引き下げを行う(2017年2月1日から)とともに、適切な施設・医師の下で、有効性・安全性の確認された患者にのみ投与すべきことを定めた【最適使用推進ガイドライン】(以下、ガイドライン)を作成し、各医療機関に遵守を求めることにしています。今般、新たに「胃がん」への適応が追加されたことを受け、胃がん用のガイドラインが作成されました。これまでの▼根治切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)▼切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん▼頭頸部がん—などと大きく変わりませんが、「医師要件」「患者要件(対象患者)」「定期的な有効性の評価」を見ると、次のように設定されています。◆医師要件 次のいずれかに該当する医師または歯科医師が治療責任者となっていることが必要。▽初期研修後に5年以上のがん治療の臨床研修を行い、うち2年以上『がん薬物療法を主とした臨床腫瘍学』の研修を行っている ▽初期研修後に4年以上の耳鼻咽喉科領域の臨床研修を行い、うち2年以上『がん薬物療法を含む頭頸部悪性腫瘍診療』の臨床研修を行っている ▽初期研修終了後に5年以上の口腔外科臨床研修を行い、うち2年以上『がん薬物療法を含む口腔外科のがん治療』の臨床研修を行っている ◆患者要件 【安全性】については、他のがん種と同様に、「本剤成分に過敏症の既往歴のある患者」は禁忌とされ、▼間質性肺疾患の合併・既往がある▼胸部画像検査で間質影を認める、活動性の放射線肺臓炎や感染性肺炎など肺に炎症性変化が見られる▼自己免疫疾患の合併、または慢性的・再発性の自己免疫疾患の既往歴がある▼臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)がある▼ECOG Performance Status 3-4―の患者では、投与が推奨されません。ただし、他の選択肢がない場合に限り「本剤の慎重投与」を検討することが可能となります。なお、「臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)」は他のがん種(メラノーマなど)のガイドラインにおいても「推奨されない」ことが明確にされました。【有効性】については、次のように規定されています。▽有効性あり:『2つ以上の化学療法歴』のある治癒切除不能な進行・再発胃がん患者(サードラインとして用いることになる)▽投与対象外(有効性未確立):○1次治療・2次治療を受けていない患者○術後補助化学療法○他の抗悪性腫瘍剤との併用 ◆定期的な有効性の評価 臨床試験では「投与開始から1年間は6週ごと、それ以降は12週ごとに有効性を評価していた」ことを参考に、本剤投与中は定期的に画像検査で効果の確認を行う 適応拡大により、本剤を胃がん治療に用いることが保険診療上可能になりますが、その際にも「ガイドライン遵守」を徹底しなければいけません。さらに厚労省は、本剤を胃がん治療に用いた場合には、レセプトの摘要欄に▼施設要件(がん診療連携拠点病院などのいずれに該当するか)▼医師要件(上記のいずれに該当するか)―を記載することが必要となります。>
 
通知「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(胃癌)の作成及び最適使用推進ガイドライン(非小細胞肺癌、悪性黒色腫、頭頸部癌、腎細胞癌及び古典的ホジキンリンパ腫)の一部改正について」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T170925I0050.pdf)、「抗PD-1 抗体抗悪性腫瘍剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項の一部改正について」(http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20170922_02.pdf)、「最適使用推進ガイドラインの取扱いについて」(http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20170915_01.pdf)は周知したい。全国保険医新聞(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/shinbun/160905.pdf)では「「オプジーボ」の薬価は英国に比べて日本は約5倍に上る」とあったが、同じ薬で日本だけ極端に薬価が高いのは変である。さて、東京新聞「高齢者の抗がん剤治療指針を作成 延命効果を調査 厚労省方針」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201704/CK2017042802000115.html)では「肺がんでは、七十五歳未満で抗がん剤治療による明らかな延命効果が見られたが、七十五歳以上は抗がん剤治療を受けた患者と受けていない患者の生存期間に大きな差はなかった。(中略)胃がん、大腸がん、乳がん、肝がんでも調べたが、統計的に意味のある結果は出なかった。」と出ていた。肝炎治療費公費助成(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/080328_josei.html)では超高齢者の方々が少なくない。肝炎医療費助成対象者数調(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/pdf/h26josei_taisyou.pdf)で年齢階級別の情報公開がされれば、80歳代、90歳代への高額薬剤使用の実態がうかがわれるであろう。なぜ、多額の予算が組まれる公費助成で年齢階級別のデータが公表されないのであろうか。この際、超高齢者に対する高額薬剤投与で「将来の医療費削減効果」がどれほど期待できるか、エビデンスが知りたいところかもしれない。「がん対策加速化プラン」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000107743.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000107766.pdf)p11「診療ガイドラインに記載されている標準的治療は、一般的ながん患者に推奨できる治療法を示したものであり、高齢者や他疾患を持つ患者が増えている中、これらの患者に対して実施された場合の有効性・安全性等の検証は十分に実施されていない。」とあった。社会保障を少しでも子ども世代にシフトできないか、検討されてもよいかもしれない。平成28年国民生活基礎調査の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/03.pdf)p15「貧困率の年次推移」が出ているが、「子どもの貧困率(相対的貧困率)2015年13.9%は、韓国7.1%の2倍近くで、主要36カ国で24位にとどまる」(http://www.asahi.com/articles/ASK6V4DZBK6VUTFK002.html?iref=com_apitop)ことは強く認識しておきたい。内閣府「子供の貧困対策」(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/)で「子供の貧困に関する指標の見直しに当たっての方向性」(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/chousa/h28_shihyou/pdf/shihyou_minaoshi.pdf)が出ているが、「子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施の状況」(http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/taikou/pdf/h27_joukyo.pdf)のような全国数値ではなく、貧困対策(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11901000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Soumuka/0000152984.pdf)の自治体別指標の見える化も必要であろう。
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