保健福祉の現場から

感じるままに

気になる難病医療費助成の行方

2012年11月12日 | Weblog
疾病対策部会難病対策委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008f2q.html#shingi36)が最近頻繁に開催され、次回は15日である(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002nxdh.html)。6日に「国民の理解の促進と社会参加 のための施策の充実について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002nr5h-att/2r9852000002nr7q.pdf)が出ているが、ここには医療費助成に関して、具体的に記されていない。10月30日資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n6ro.html)に出ていた「医療費助成の在り方」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n6ro-att/2r9852000002n6ve.pdf)が、次回委員会でどの程度具体化されるであろうか。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n6ro-att/2r9852000002n6uj.pdf)p13の「医療受給者証の更新を患者の誕生月にする等患者ごとに 更新時期が異なる仕組みを検討する。」は事務担当者には有難いであろうが、12月の報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n6ro-att/2r9852000002n6uu.pdf)を受けての施行時期について、早急に明らかにされなければならない。資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002n6ro-att/2r9852000002n6uj.pdf)に出ている「難病指定医(仮称)」、「データ登録」(p4)、「新・難病医療拠点病院(総合型)(仮称)」・「難病医療地域基幹病院(仮称)」(p6)、対象疾患(p12)・認定(p13)・給付(p14)の変更など、様々な諸準備が予想される。
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地域包括ケアと市町村、保健所

2012年11月12日 | Weblog
キャリアブレイン「地域包括ケア「地区医師会と市町村がカギ」- 辻東大特任教授、日本慢性期医療学会で」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/38548.html)。<以下一部引用>
<近い将来、日本では「人口の4分の1、あるいは3分の1が、通院するのも難しくなる」とした上で、こうした地域社会を支えるには、在宅医療まで含めた地域包括ケアシステムを構築する必要があると強調した。また、その構築には、▽かかりつけ医の負担を軽減するために、地域内で「主治医・副主治医システム」を構築 ▽地域医療拠点の整備 ▽在宅医療・看護・介護の連携体制の確立―などを実現する必要があると指摘。その実現には、「地区医師会と市町村の(地域包括ケアシステムへの)関与がカギとなる」と述べた。>

これからの在宅医療は、個別医療機関の往診や訪問診療だけではなく、例えば、①医師のグループ化、②バックアップ病院との退院前からの連携、③地域における多職種連携、④タイムリーな情報共有、⑤医療材料の共同購入・管理等というシステムが確立されなければならない。医療依存度の高い在宅患者は間違いなく増加する。在宅は必ずしも自宅とは限らない。往診や訪問診療に熱心な医師は存在するが、地域全体にどう広げていくが、システムの構築が課題であろう。かかりつけ医の負担軽減には訪問看護をはじめとするチーム医療の構築が不可欠であり、平成23年度 チーム医療実証事業報告書(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002jy6a-att/2r9852000002jy7r.pdf)p183~191で、拠点病院と在宅医療チームとの連携の実践例が出ているのでみておきたい。今後急増する、一人暮らしや認知症の高齢者への対応には、定期巡回・随時対応サービス(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/teikijunkai.html)が重要になってくるであろう。全国集計(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000029kgq.html)によると、都会以外では低調なところが少なくないようであるが、このモデル事業報告書(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/dl/20120703-toyama.pdf)p10にあるように、複数回の訪問サービスがあれば、独居であっても自宅生活が可能な方は少なくないであろう。「24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問サービスのあり方に関する調査研究事業報告書」(http://www.murc.jp/politics_c1/roujin_hoken/report_1.pdf)にはぜひ目を通しておきたい。さて、先般、都道府県リーダー研修(http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/jinzaiikusei/leader01_doc.html)が行われているが、今後はそれぞれの地域において、在宅医療システムの確立に向けて取り組まれなければならない。なお、厚労省通知(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/dl/tsuuchi_iryou_taisei1.pdf)p138~の「在宅医療の体制構築に係る指針」p147では、「地域の実情に応じ、病院、診療所、訪問看護事業所、地域医師会等関係団体、保健所、市町村等の主体のいずれかを在宅医療に必要な連携を担う拠点として医療計画に位置付けることが望ましい。」とされていた。しかし、国立長寿医療研究センター 在宅連携医療部(http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/index.html)の平成23年度在宅医療連携拠点事業総括(http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/pdf/20120912_soukatsu.pdf)では、「今後、在宅医療を地域全体に普及させていくためには、地域全体を見渡せ、中立的な立場で関係者間の調整を行うことができる市町村が中心となって、医師会等の関係団体と協力しながら、積極的に取り組む主体を支援し、医療・介護関係者の緊密な連携を図ることが適切と考えられた。」とされた。市町村は介護保険事業計画、障害福祉計画、地域福祉計画の実施主体でもあり、市町村が主体となって、地域包括ケアを推進するのは当然といえる。しかし、市町村といってもピンキリである。郡市医師会をはじめとする職能団体の活動・組織や訪問看護・介護等の資源も市町村によってピンキリである。脳卒中やがん等の診療圏は比較的広く、市町村内で完結できるとは限らない。脳卒中には急性期~回復期・維持期を含めた地域連携パス、在宅がん緩和ケアには専門病院のバックアップが欠かせない。厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001oxhm-att/2r9852000001oxlr.pdf)p17~19の地域包括ケアに関する保険者の評価項目では、「地域連携パスの作成」「地域の急性期病院との連携のための会議」「地域連携パスを協議する場」「地域の回復期病院、維持期リハ関連施設との連携のための会議」など、医療に関連した項目の実施率がかなり低いことからも、「在宅医療は市町村が主体」だけでは弱いであろう。やはり、ここは医療計画(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/)を推進する保健所を活用したい。保健所には、①地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第8条や介護保険法(http://www.ron.gr.jp/law/law/kaigo_ho.htm)第38条など法的に市町村支援が規定されている、②老人福祉法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S38/S38HO133.html)第8条で、保健所による老人福祉施設等に対する栄養改善その他衛生事項に関する協力が規定されており、高齢者施設との交流がある、③医師、保健師、薬剤師、管理栄養士等の様々な専門職がおり、それぞれの職能団体とのつながりがある、④医療機関、薬局の立入検査(監視)や医療従事者の免許事務を行っている、⑤保健・福祉、医事・薬事等の包括的な事業を所管している点も考慮すべきである。地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第4条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T120803H0010.pdf)の「3.医療、介護、福祉等の関連施策との連携強化」では、「(1)住民のニーズの変化に的確に対応するためには、地域における保健、医療、介護、福祉等とそれぞれの施策間での連携及びその体制の構築が重要であること。このため、市町村は、住民に身近な保健サービスを介護サービス又は福祉サービスと一体的に提供できる体制の整備に努めること。(2)都道府県及び保健所(都道府県が設置する保健所に限る。)は、広域的な観点から都道府県管内の現状を踏まえた急性期、回復期及び維持期における医療機関間の連携、医療サービスと介護サービス及び福祉サービス間の連携による地域包括ケアシステムの強化に努めることが必要であること。(3)医療機関間の連携体制の構築においては、多くの医療機関等が関係するため、保健所が積極的に関与し、地域の医師会等との連携や協力の下、公平・公正な立場からの調整機能を発揮することが望まれること。なお、保健所は、所管区域内の健康課題等の把握、評価、分析及び公表を行い、都道府県が設置する保健所にあっては所管区域内の市町村と情報の共有化を図るとともに、当該市町村と重層的な連携の下、地域保健対策を推進するほか、介護及び福祉等の施策との調整についても積極的な役割を果たす必要があること。」と明記されている。(2)の「医療サービスと介護サービス及び福祉サービス間の連携による地域包括ケアシステムの強化」「介護及び福祉等の施策との調整」は県型の保健所に限定されているが、(3)の「医療機関間の連携体制の構築」はすべての保健所に共通である。「公共医療事業の向上及び増進に関する事項」は保健所固有の業務であり、例えば、在宅医療における医療と介護・福祉との連携や医療機関間の連携には保健所の積極的な調整が期待される。地域包括ケアには「地区医師会と市町村がカギ」と強調されているが、保健所の取り組みもカギといえるかもしれない。
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