「本当に男尊女卑だったのですかね」と40代の男性は言う。彼の生まれ育った環境や今の家庭の有様からは想像が出来ないということだろう。確かに現在は、核家族のため家に年寄りがいないが、以前は3世代あるいは4世代同居が普通だった。会社員が誕生して、核家族で生活できるようになったからだ。
たぶん、昭和30年代の初め頃から景気がよくなって、一気に核家族化が進んだと思う。我が家は材木屋を営んでいたけれど、新しい家がどんどん建つ時代だった。我が家は祖父母、父母、兄夫婦とその子ども、私と妹の10人家族だったが、兄の子どもが生まれて間もなく、父は食事を母屋から私たちの住まいだった倉庫に変えてしまった。
食卓が狭すぎたこともあるが、祖父と父は食事中も全く話をしないほど仲が悪かった。それに大家族だったからか、初めに祖父がお酒を飲み終えて食事をする時に、男たちが食卓に着き、男たちが終わった後、女たちが駆け込むように食事をするのが常だったから、父は母のことを思い、食事の場所を切り変えたように思う。
私たちの住まいの方には水道がなかったから、母屋から水を運んで来なくてはならない。これは父と私の仕事だった。4人が揃って話をしながら食事が出来る現在のスタイルになったが、友だちの家も核家族が多かったから、やっとみんなと同じになったと思った。夫を戦争で亡くした女性はそのまま家に留まるより、実家に戻るか夫の兄弟と再婚するケースが多かった。
働く女性の待遇が改善され始めたのは20年位前からだと思う。政府も女性管理職を増やすようにと指導をした。しかし家事や育児は女性の仕事という考え方はすぐには変わらなかったから、結婚しても働く女性たちには負担が重かった。そこで男性も家事や育児を分担するようになった。
でも、それだけでは男女平等の社会にはならない。社会の仕組みや職場のあり方、賃金の体系など、少しずつ理想へと進めていく必要がある。上野千鶴子さんの原点は学生時代にあるように思う。古い体制を打破し人間らしい社会を求めた学生運動、けれどデモが終ると男たちは「おい、お茶!」と女子に言ったという。なるほどと私は感心した。
インターネットが発達した現代でも、やはり大手の発信力は大きいですが、以前の様なウソや印象操作はしにくくはなって来ていると感じます。
例えば「キレる若者」という言葉がありますが、データを見ると若年層の凶悪犯罪率が最も高いのは戦後間もない頃で、その後は下がる一方で、近年は人類史上類を見ない程若者の犯罪は少ないそうです。
いくら犯罪率が低くても凶悪な犯罪は存在しますので、キレる若者はウソではないですが、全体数が減っているのに、あたかも激増しているような印象操作は単なるセンセーショナリズムに過ぎません。
これと同じで、データで見ると実は日本は大正時代からすでに過半数が核家族で、その後もさほど増えていないそうです。
戦後、民法改訂で家督相続が廃止され、長男夫婦が両親との同居をしないという選択肢が出来、その分核家族は増えましたが、もともと長男夫婦以外は核家族だったのです。
で、昭和29年にビキニ諸島で核実験が行われて、それにちなんで「核家族」という言葉が作られ、流行したそうです。
実態が変化したのではなく、言葉が生まれたので「核家族」は存在すると言えます。
そしてこれは男尊女卑にも言えるのではないでしょうか。
本当に我々の先祖の男性は、女性を見下し卑下し差別していたのでしょうか?昔は男尊女卑だったから、夫は妻を愛してなかったのですか?何千年の間、我々の先祖の女性は、男性を恨み続けてきたのですか?
にわかには信じられません。
単に男女の性的役割分担が存在しただけなんじゃないでしょうか?
今の女性活動家が抱いてる価値観や不満を、同じく100年200年前の女性は抱えていたのでしょうか?100年200年前の男女のメンタリティを、誰が知ってるのでしょう???女性活動家は知ってるのでしょうか?
40代の僕はもちろん知らないけど、実は誰も知らないのではないですか??
僕が疑問に思うのはそこです。
男尊女卑という言葉が生まれたから、男尊女卑は生まれた。
僕が今現在至った結論がこれです。
何も知らなくて聞いたこともないから無かったと言ってる訳ではなく、考えた結論です。