車は信号が変われば進めるから---西川貴教のANN 2005-09-26（最終回）：その11

長らくお待たせいたしました。
前回の記事からこの方、この番組を録音したテープを置いてある家に、ほとんどおりませなんだ。
その間に、TV出演があったとか・・・母にBSでの再放送の録画を頼んだら、なぜかサスペンスドラマが映ってたよ。ふっ。（悲）

24日にはa.b.s.（西川ちゃんがボーカルを担当する新バンド）が出演するライブがあった。「チケットをお譲りします」の記事をあちこちで見かけては、「24日、打合せ19時～」とメモってあるスケジュール帳を恨めしげに見てただよ。
黒ブチのセル眼鏡姿で登場したって。衣装はすくーるぼーいを意識して、制服姿だって。
眼鏡姿と聞いて、"coordinate"ツアーパンフの裏表紙で雑誌編集者を気取ったような西川ちゃんが眼鏡をかけてたなーってことを思い出す。
・・・もきゅっ！（←私の周囲で流行っている効果音）

BTのトリビュートアルバムに収録される『ドレス』など、ロック色の濃ゆい5曲を披露したとか。しかも英語詞ばかりの。
TMR名義のライブの数倍、パンクしてるライブだったんだろうな、きっと。
トリビュートと言えば、西川ちゃんは、THE MODSというバンドのトリビュートアルバム『SO WHAT!!』にも参加してたと思った。・・・実は聞いた事がない。（期間限定のネットのみの販売だったの？？？）

さてさて、書き起こしている『西川ちゃんのANN（最終回）』は、いよいよクライマックスに差し掛かったところまで来た。

最後のCM明けから番組終了まで一つの記事にまとめたら、どうしても文字をオーバーしてしまうので、「西川ちゃんからの手紙」までをここではアップすることにした。

「西川ちゃんからの手紙」は放送後に多くのリスナーが書き起こしているので、放送を耳にしてない人でも、もしかして既にご存知かも。そこで当ブログでは後発の差別化として、”西川ちゃんがどのように語ったか”ということを、息継ぎとか言葉が詰まったところ等を特に重視しこだわって、耳から聞いた情報を頼りに、余計に書き足してみた。故にとても読みにくいっす（ダメじゃん/笑）。

手紙の内容をきちんと内容を把握したい方は、『西川ちゃんのANN』公式サイトのこちらのページに掲載されているので、おすすめしますデス。

ところで、ANNサイトでは、つい先日までアクセスランキング上位に位置していた西川ちゃんのバナーが、過去に放送した番組へ移動してしまった。
番組を運営する側の考えとしては、現行の番組を優先したいって気持ちなんだろうなって思う。でも「西川ちゃんのANN」復活を望む者としては、そんな運営側の思惑は、むしろちゃぶ台の様にひっくり返したい訳で。今日も地道にアクセス数を上げるために小さな貢献をしてみたり。

たださ・・・。
このWebサイト、見づらいよね・・・。（ぼそっと）

せっかく、番組構成作家の石川さんが茶坊主さんの晋山式に参加したレポをupしたのにさ。・・・せめて新コンテンツはトップからリンクしようよ（提案）。

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2005年09月26日　25:00～27:00
東京有楽町ニッポン放送イマジンスタジオの収録スタジオにて生放送。
西川貴教のANN---その11
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<<ジングル>>　西川貴教のオールナイトニッポン！！

西川：さて、メールの方も、なんと1万5000通を超えました！！（拍手）（ファンファーレ）
最終班のファン：（拍手喝采）
最終班の男性ファンの誰か：ブラボー！！
西川：ありがとうございます。本当に。
えー、ということで。まぁ、全てのCMが、今流れ終わりまして、えー、8年9ヶ月の歴史に幕が、閉じようと、しているわけでございます。この8年9ヶ月、僕自身が楽しく番組が続けて来られたのは、何よりも聞いてくれている皆がいてくれたからです。ハガキやメールやFaxを書いてくれたお蔭です。

まあ、あの、なんかねぇ。（紙をめくる音）・・・ただしゃべってるだけって言うか、（照れ隠しのためか、ここら辺、かなり早口）ラジオって何かねぇ、当然目の前にいるのが石川とか、まぁこうやってスタッフがぽちぽちと居てくれてるだけで、本当にどれくらいの人が聞いてくれているのか良く分からないじゃないですか。それが確認できるのが、メールとかFaxだったり、電話とかだったり。（「すっすー」と息を吸い込む）
今日もたくさんの人がハガキを書いてくれたりとかメールをくれたりとかしてくれてます。先週読んだハガキにもあったように、メールとかFax書いてくれてる奴らも、（鼻をすする）あの本当にさっきのムカイの、あのメールじゃないけど、いろいろ皆考えて、1週間バカなことくだらないこと、考えて送ってくれてるわけですよ。

そこで最後に、皆がどんだけ苦労して番組を支えてくれたのか、えー、僕自身もですねぇ（話しながら噴出すように笑う）、身を持って、体験しようと。
ということで（鼻をすする）、えー、リスナーの皆に、えーーー、手紙を、書いて参りました。

あの・・・すごい・・・ええー（笑）、あのぅ、苦労しました。はは（笑）。あの、皆さんの気持ちが十分に（笑）、分かりました。
えー、その手紙を、これから感謝の気持ちを込めて紹介して、最後の挨拶に代えさせていただこうと思ってます。
（「すー」っと大きく息を吸う）えー、ぶっちゃけ、えー、（笑）、ちゃんと読めるかどうか、すごいフアン・・・不安ではあるんですが。（鼻をすする、紙を立てて端を揃えるトントンという音がする）
えー、読ませていただきます。

「ラジオの前の君へ」

車で道を走っている時、自分の進む道の信号がこの先どこまでもずっと青だったらいいなと思うことがあります。

でも、道は自分だけのものではありません。道を横切る歩行者もいれば、曲がろうとする車もいます。 いろんな人の為に信号が赤になった時は、 他の人に道を譲らなければなりません。それと同じように今まで8年9ヶ月間、運良くずっと進む道の信号が青だった西川貴教のANNという車の前に、もうすぐ赤信号が灯ろうとしています。

8年9ヶ月間、毎週2時間で年50回。4時間やったこともあったし、特番もやったからおよそ900時間。5万4000分、324万秒。
だけど、これを日にちに換算すると、たったの37日。実は僕がANNをやってた時間というのは、学生時代の夏休みぐらいにしかすぎません。

でもこの時間は、子供の頃の夏休みなんかよりずっと意義があって、ずっと自分が生きてる意義を・・・実感できた（言葉が震えて言い間違える）・・・324万秒でした。

（鼻をすする）今から10年と少し前、バンドを解散した僕は、 この先も大好きな音楽を続けるために、あてもなく曲を作り、人生の暗闇の中で、未来という光を探して、苦しみもがいていました。何もかもに行き詰まり、先へ進めない焦り、自分が理解されない事への苛立ち、当時の僕は独りぼっちでした。

その時すべてに疲れ、誰とも逢わず過ごすひとりの部屋で、ふとスイッチを入れたくなるのはTVではなく、田舎にいる頃から好きだったラジオで、今ラジオの前にいる君と同じようにラジオから流れるANNを聞いていました。

（鼻をすする）ANNは孤独を感じていた僕に、今、この時、同じ時間を過ごしている仲間が全国にいるという安らぎと、楽しさをくれました。

「いつか自分もANNをやって、人と時間や楽しさを共有したい」
ANNをやる事は、のちにミュージシャンとして大成した時の、夢の一つになりました。

そして、デビューから半年が経った1997年1月6日。僕は運良くANNをやらせてもらう事になりました。 （鼻をすする）

あれから8年9ヶ月。
その間に出来た思い出は短い時間では語りつくせませんし、今までいつも未来に向かってただ全力で歩んできた僕たちにとって、振り返ったりするべきものではないのかもしれません。

ただ、番組が終わるにあたり、この8年9ヶ月の意味を考えた時、きっと僕は、8年9ヶ月間ずっと、仲間を探し続けてたんだと思います。

人は誰しも欲張りでわがままだから、 『たくさんの人から愛されたい』そして、『理解されたい』と思い続けています。僕もしかりで、『音楽だけじゃなく、人間的にも愛されたい』、『自分を理解して欲しい』、そう願い続けています。
だから僕は、自分が楽しいと思うことを一緒に楽しいと思ってくれて、毎週時間を共有してくれる仲間、そんな仲間を探す旅をこれまで続けてきました。
そうして仲間は少しずつ増えていき、8年9ヶ月経った今では、こんなにもたくさんの仲間ができました。

番組の担当を外れても、何かあるとしょっちゅう顔を出してくれたたくさんのスタッフ、そして、全国各地で今僕の声に耳を傾けてくれてる君、・・・君、そして、君！

そう、実はラジオの前の君は、一人だけど独りじゃないんです。
今この時、この瞬間、（声が震えて、なかなか続きが読めない）・・・（声色が涙を堪えているようになり、強い口調になってる）日本全国には僕をはじめ・・・ラジオの前の君と一緒に・・・生きて同じ時間を過ごし、楽しさを分かち合ってるたくさんの仲間がいることを、忘れないでください。

（小さく息継ぎ）この8年9ヶ月の間僕は、音楽での活動、そしてプライベートでも、（フッと音声が切れたように言葉が途切れる）・・・（かなり口調がきつく）ツライ事、悲しい事、苦しく腹立たしい事、裏切られた事、・・・たくさんありました。

でも・・・どんな時でも週に一度のANNだけは、僕にとって・・・自分を必要とし、・・・分かり合える君たち、たくさんの仲間が・・・迎えてくれる、いつも一番安心できる場所でした。 ・・・ANNのリスナーとスタッフは、僕を受け止めてくれて、僕を・・・待っていてくれる僕の心の支えでした。
そしてそんな僕の番組を心の支えだと言ってくれる人がいました。

・・・支えて支えられて、本当に・・・（鼻をすする）いい仲間とめぐり逢う事ができたと思います。僕にとって・・・こんな仲間が出来たのは、一生の誇りです。

ありがとう！！

何万回言っても言い足りないけど、ありがとう！　そんなANNが終わってしまうのは、本当に残念です。 （鼻をすする）

でも今こんなにも残念に思う事ができるのも、ANNをやれたからこそ。そう考えると、残念な以上に本当にANNをやれて良かったです。ANNをやって、本当に出会えて、本当に良かったです。 （鼻をすすって、小さく息継ぎ）

そう思うからこそ、・・・ANN、AMラジオがイメージに合わないとか、メディアでは自分が伝わらないとか言ってるアーティストや、「ラジオは古くさい、魅力を感じない」とか言って聞いたことも無い奴に、僕はこう言ってやりたいです。

ざまーみろ！！

・・・そういう人たちには、今僕が感じている幸せや喜びを、一生感じる事が出来ないんだと思うと、本当にざまーみろです。

さぁ、8年9ヶ月間走り続けてきた『西川貴教のANN』という車の進む道の信号が、もうすぐ赤になります。

赤になったら止まります。でももし、もしまた信号が青になったら、・・・走り出します。
また必ず信号が青になる日が来るのを信じて、僕は・・・ずっと待ってます。（鼻をすする）

最後にリスナー、そしてスタッフも含め、ANN、本当にありがとう。 ANNという伝統のある番組に（鼻をすする）、8年9ヶ月という大きな足跡を残せた事は、僕にとって一生の想い出です。

そして8年9ヶ月間、僕が、君の心に何かが残せたなら嬉しいです。
8年9ヶ月間、本当に、本当に有難うございました！！

（曲がかかる）

最終班のファン：（小さな拍手がおこり、徐々に大きな拍手になる）
最後の曲を・・・送ります。・・・『LIGHT MY FIRE』

---曲　T.M.Revolution 『LIGHT MY FIRE』---

『LIGHT MY FIRE』は、アルバム『progress』の収録曲。

西川ちゃん自身による作詞で、ライブの終盤に歌われる事が多く、そのほとぼりを冷まし、かつ再燃させるという両極の役割を担うような曲だと私は思う。
明るい曲調で別れを歌いながらも、「願いが叶うのなら、壊れる身体でも声を嗄らして響かせたい」という内容が、この時の西川ちゃんの心情に合っていたんじゃないかな・・・と。この曲をここでかけた意味をとても重く感じられる。

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太字は特に語気を強めたことを、再現してみた。

用意した手紙を読むと言っても、彼の場合は書かれた内容以上のことを伝えようとしているかのようだった。
言葉に熱が帯びるために、短く区切りながら強い口調で伝えていたのが、とても印象的だった。

（その12へ続く）