いつか どこかで

本、映画、その他、そして小田さん。

『誘拐』 五十嵐貴久

2008-08-31 12:14:22 | あ行の作家
今日読んだ本は、五十嵐貴久さんの『誘拐』です。

韓国大統領が来日して歴史的な条約が締結される直前、総理大臣の孫娘が誘拐される事件が起きます。
犯人は条約締結を阻止しようとする北朝鮮ということで警察は捜査を進めますが…。

話は、犯人が旅行代理店に勤務していた秋月孝介であることが明らかにされて進んでいきます。
初めのほうで、秋月はあるできごとがきっかけで娘を亡くし、勤めていた会社を辞めていることがわかっているので、このことが誘拐とどう結びつくのか?誘拐は成功するのか?と思いながら読みました。

警察と秋月のそれぞれの側から描かれる誘拐事件の経過がおもしろいです。
金で買えないものはない、と豪語する総理大臣や秋月の金の奪取方法も今の時代ならではという感じです。
人情味を感じさせるノンキャリアの捜査員・星野も良かったです。

秋月が犯すミスはちょっとありえないという気もするけど、ストーリーは五十嵐さんらしく緻密に描かれていておもしろかったです。

【追記】
「秋月が犯すミス」と書いたけど、あれはもしかしたら秋月の人柄が表れていたのかも。
そう考えるほうがすっきりするような気がするんですが……。

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6 コメント

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Unknown (藍色)
2008-09-02 03:27:10
こんばんは。
読み応えがありました。
警察と秋月の両方から事件の経過が緻密に描かれていましたね。
飽きずに読めました。
身代金運搬途中で人質が無事に解放されて、なぜ?
目的に戸惑いました。
金で買えないものはない、と豪語する総理大臣、
憎まれキャラも孫娘のことになると人格が違ってましたね。
緊張感を持続して読めて面白かったです。
Unknown (mint)
2008-09-02 11:56:53
藍色さん、こんにちは。
読み応えのある作品で、一気に読みました。
警察と秋月の両方から語られる経過が緻密に描かれていて、さすが五十嵐さんです。
そうそう、人質が無事解放されて、なぜ?って思っていたら、もうひと山あって…という緊張感のある展開でした。
憎まれキャラの総理大臣も頭脳明晰な孫娘には勝てませんでしたね。

宮部さんの『おそろし』のトラバ&コメントは改めて書きますね。ごめんなさい。
Unknown (しんちゃん)
2008-09-05 19:41:32
こんばんは。
総理の進める経済政策は小泉路線でしたね。
これって痛烈に批判しているのかしら。
【追記】の部分は自分も何度かそう思いました。
でも臆病なぐらい完璧とあったので、ないかもとも思いました。
Unknown (mint)
2008-09-08 10:18:52
こんにちは。
なるほど、総理の経済政策は小泉路線でしたか。
誘拐のほうが気になって、気づかなかったなぁ(笑)。
五十嵐さんはこういうところも手を抜かずにちゃんと描いてるんですね。
宅急便の送付状のミスはずっと引っかかっていて、人柄が表れているのかと思ったけど…。
それ以外が完璧だったことを考えると、やっぱりミス?
う~ん、気になるところです。


「誘拐」読みました。 (おとやん)
2008-12-09 09:31:38
自分も同意見です。読みながら総理大臣の孫と元旅行代理店のサラリーマンとの接点が何処にあるのか分かりませんでした。最後のどんでん返しが来るまで
今まで読んだ本の中でこの様なきめの細かい作品は、読んでいません。金田一耕助シリーズを除いては。今回初めて五十嵐貴久さんの小説を読みました。感想を書くと長くなるので書きません。
ただ言える事は、他の作品も読んでみたいって事です。凄く興味をもちました。
Unknown (mint)
2008-12-09 12:09:21
おとやんさん、こんにちは。
確かに総理大臣の孫とサラリーマンの接点は
最後まで謎でした。
ストーリーも緻密に描かれているので
読みごたえがありましたね。
五十嵐さんの作品を全部読んでいるわけではないのですが、
よかったら他の作品も読んでみてくださいませ。