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捷號作戦戦訓抜粋(電波兵器)(昭和19年11月11日)

2015年01月01日 14時59分15秒 | 95今次電波戦の歴史検証

捷號作戦戦訓抜粋(電波兵器)(昭和19年11月11日) 


 

案件コメント

戦闘詳報も電波探信儀などレーダ関係記述が多くなってきます。ここでは、捷號作戦戦訓抜粋(電波兵器)を紹介しますが、主砲発砲都度衝撃の為真空管破損「ハンダ」付部剥離続出応急修理に暇なき状況となったとの記述がありますが、それでは本来の通信機器は大丈夫で、電探機器には衝撃に対する対策がなされていなかったということなのでしょうか。 


 

第一機動艦隊機密第一二〇九昭和19年11月11日
機動部隊本体
捷號作戦戦訓抜粋(電波兵器)
第一機動艦隊司令部送付先
連合艦隊司令部
電測学校
電波本部
技研
艦本
軍令部四部
通信学校1.電波探信儀能力ノ概要

艦  名

  順 位

13號最大測定距離(粁)

22號最大測定距離(粁)

21號最大測定距離(粁)

   7

   120

   

伊勢

   3

  170

   

霜月

   6

   100

  120

 

若月

   5

  120

 

   85

日向

   2

  170

 

  125

瑞鶴

   1

  242

 

   88

大淀

   4

  100

   

2.兵器

(イ)仮称3式1號電波探信儀3型の主なる故障状況

   受信整流管跳躍破損(大淀)
   指示機「ブラウン」管衝撃に依り破損(大淀)
   自動電圧調整器作動停止(大淀)
   指示機500KΩ抵抗焼損(大淀)
   T-311発振菅破損(大淀)
   指示機T103絶縁不良左右偏向板の接続切断(日向)
   指示機規準周波同調蓄電器「パンク」(若月)
   送信機RH-4不良となり発振不良(若月)
   発砲の激動に依り送信機内「ハンダ」付部剥離(日向)
   高速蛇行運動に依る震動の測定に及ぼす影響甚大(日向)

(ロ)大淀及び伊勢に於ける21號及び22號は主砲発砲都度衝撃の為真空管破損「ハンダ」付部剥離続出応急修理に暇なき状況なりき 装備位置耐震対策共器製作に関し考慮の要あり

(ハ)大淀13號電探は長時間使用の為器内温度上昇扇風機、扉開放等に依り冷却辛うじて事無きを得たり

(ニ)大淀に於いては無線電話・電波の混信の為測定不能となりしことあり

3.所見

(イ)電測指揮所を設け各電探を統一使用すると共に射撃機関、見張機関に対し更に密接なる連携を可能ならしむる如く改善の要あり

(ロ)敵艦隊は数隻毎に1隊をなし概ね日(出)没(前)後焼く1時間及び正午頃一斉に電波探信を行い同時に探信を以って通信(通話)をなすものの如し
    長時間連続電波を探知する場合又は感度に高低を感ずる場合は概ね敵電探探信可能距離に在り電探に依り連絡をなす場合は補足されたる算大なる場合の認められる

(ハ)電探に対する敵飛行機の反射波は味方飛行機に比し顕著なる特徴を呈するに依り味方識別可能にして機数、編隊数を概ね判別し得たり(霜月)

(ニ)敵飛行機は味方識別を使用せるものの如く13號電探に現れたる反射波は絶えず点滅を繰返しつつ接近せり
    但し21號には此の種の現象を認めず(若月)

(ホ)敵飛行機よりの反射波は友軍機の夫れに比し感度極めて良好なり(若月)

(ヘ)敵飛行機は約40粁附近より欺瞞体を投射しつつ15粁附近迄接近すると例とせり此の際小編隊を誤りて大編隊として報告せることあり(若月)

(ト)24日夜間的水上部隊に近接せる際200,150,120Mcの電波を感5にて探知せり
    200,150Mcは音色清澄(ピーピー)150Mcは「ヂ―」音何れも味方のものに比し勢力強く前者は旋回時隔探信、後者は常時探信を実施しありき時隔探信電波輻射時間は概ね30秒以上3乃至5分程度なり(日向)

(チ)対空見張用電探は13號に統一(21號廃止)の上左記事項に関し考慮の要あり

(一)艦船装備所要数(最小限度)

   大型巡洋艦以上  5基
   小型巡洋艦以下  3基

(二)1基に対する配員標準は長1、測2、伝令1、計4名の適常とす

(三)兵器の固有能力は装備高よりも寧ろ整備調整状態に左右せられるるところ大なり

(四)電探活用の適否は有能なる電探指揮官及各電探指揮通信装置の適否に左右せられる所最も大なり

(リ)電波探知機は極めて有効に利用せられたるも尚将来左記改善を要す

(一)受信感度を現用電探受信機程度に向上せしむる要あり

(二)音量調整を更に微細に実施可能ならしめ距離推定を容易ならしむる要あり

(三)指向性空中線を21號電探空中線上に装備せるものは方向測定遅鈍にして不便なり
    別個に装備を要す

(四)「ブラウン」菅指示装置を附加し味方識別を容易ならしむること肝要なり

(五)各種電探に電鍵装置(出来得れば交話装置)を附加し味方識別を可能とならしむる如く改善の要あり

(六)探知機活用の為左記実験調査し味方識別上の参考資料を獲得し置くこと緊要なり

(1)電探源の距離対高調波数

(2)味方各種電探に対する受信特性

                                    (終)


 

参考文献:
JACAR(アジア歴史資料センター)Ref. C08030036800、昭和19年10月20日~昭和19年10月28日 捷号作戦戦闘詳報(比島方面決戦)(3)

 

件名標題(日本語)

昭和19年10月20日~昭和19年10月28日 捷号作戦戦闘詳報(比島方面決戦)(3)

階層

防衛省防衛研究所海軍一般史料④艦船・陸上部隊戦闘詳報 戦時日誌戦闘詳報昭和19年10月20日~昭和19年10月28日 捷号作戦戦闘詳報(比島方面決戦)

レファレンスコード

C08030036800

言語

jpn

作成者名称

機動部隊本隊||第一機動艦隊司令部

資料作成年月日

昭和19年11月11日

規模

36

組織歴/履歴

海軍省

内容

第一機動艦隊機密第一二〇九 昭和十九年十一月十一日 機動部隊本隊 捷号作戦戦訓抜萃(電波兵器) 第一機動艦隊司令部 送付先 連合艦隊司令部 電測学校 電波本部 技研 艦本 軍令部四部 通信学校 (表)一、電波探信儀能力ノ概要 艦名 順位 一三号最大測定距離(粁) 二二号最大測定距離(粁) 二一号最大測定距離(粁) 桑 七 一二〇 伊勢 三 一七〇 霜月 六 一〇〇 一二〇 若月 五 一二〇 八五 日向 二 一七〇 一三五 瑞鶴 一 二四二 八八 大淀 四 二〇〇 二、兵器 (イ)仮称三式一号電波探信儀三型ノ主ナル故障状況 受信整流管跳躍破損(大淀) 指示機「ブラウン」管衝撃ニ依リ破損(〃) 自

 

 

 

 

 

 

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