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92式特受信機の定期点検記録 その3 (2015年12月07日)

2015年12月07日 15時54分20秒 | 02海軍無線機器

92式特受信機の定期点検記録 その3 (2015年12月07日)

今回は92式特受信機の上部構造部の定期点検及び整備に関する作業記録です。
なお、上部構造部の点検目的は以下のとおりです。
①8年前に修復した時、大変保存状態が悪く、ソケット内部はアルミが酸化し粉のような錆が発生していました。
 その際、すべての錆を取り除きいましたが、今回内部の保存状態を確認する。
②端子版から各部の電圧測定を実施する。
③上部と下部構造部を接続し、受信機能を確認しするとともに、最大感度に調整する。
④長波帯の自作コイル(戦中から戦後の民生受信機のコイルを転用)で長-Ⅰ(E,F,G)の確認試験を実施する。
⑤故障調査について
 
まず「①の今回内部の保存状態を確認する。」については、少し錆が発生していた程度であった。
防錆用オイルを注油して終了とした。


次に「②端子版から各部の電圧測定を実施する。」については、修復時の電圧測定値とあまり乖離はないが、この測定値が正常かどうかはよくわかりません。
ただし、本機は特に艦船用受信機のため電蝕対策として受信機の配線において、直流をシャーシ本体から切り離している。
したがって、アースからみると少し高い(本機測定では+40V)電圧が基準値となっている。


「③上部と下部構造部を接続し、受信機能を確認しするとともに、最大感度に調整する。」の件ですが
長波部(長-Ⅱ(300~800Khz)E,E,Gコイル)については、少し感度不足ですが実用受信には支障はありません。
次に短波部ですが、これは自作コイル(短-Ⅳ(2400~4600Khz)A,B,C,Dコイル)の受信が故障していました。
故障とはいっても、微弱の受信は可能です。
このためSSGにより、信号波を注入し、コイルCのトリマーコンデンサーをチューニングしましたが、抜本解決には至りませんでした。


「④長波帯の自作コイル(戦中から戦後の民生受信機のコイルを転用)で長-Ⅰ(E,F,G)の確認試験を実施する。」ついては問題なく機能しました。
ただし、戦時の中波の受信範囲は550~1500Khzであるにもかかわらず、本機の受信範囲は330~1360Khzとなりました。
どうも、バリコン容量の関係が原因で1500Khzが受信できないようです。
これでは、デリカのハムコンバーター(出力が1500Khz)が使用できません。
残念ですが、ハムコンバーターの利用を断念するしかないようです。


最後に⑤故障調査について
本機は、上部と下部を分離した状態では動作できないので動作時の電圧測定等の試験ができず故障箇所特定が大変困難です。
試行錯誤をしていると、周波数変換段の6A7のグリッドにアンテナを接続すると受信ができることが判明しました。
このため、最低このステージ前の高周波増幅段の第2段の6D6(78)の回路に問題があることが判明しました。
本来なら本機のような状態のものであれば、電解コンデンサーはすべて交換する必要があります。
しかしながら、修復コンセプトとしてはオリジナル部品は手を加えないことを信条としていますので、故障箇所に限定し部品交換を行いたいと思っております。
このため時間はかかりますが、今後も故障箇所の調査を行い修復に努めます。

 

広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/


 

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