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地4号無線機受信機の定期点検記録

2013年11月18日 17時35分02秒 | 01陸軍無線機器

地4号無線機受信機の定期点検記録

本機は、地4号無線機受信機ですが、大戦末期になると「ム-23」と呼称が変わりました。
銘板がないのでどちらの機種かは判別できませんが、製品の出来具合いからすると後者ではないかと思われます。
修復作業は記録によると平成8年11月とありますので、ちょうど17年前に整備したもののようです。
まず、通電してみると、当然のことですが無音で動作していないようでした。
基本的な真空管の各部の電圧測定を行うと、中間周波増幅段のプレート電圧が0Vとなっていました。
IFTのトランスのコイル切れもしくはパスコンのショートが想像されますので、故障個所の特定のためIFTのプレート部分の回路の線をはずします。
テスターで問題個所を診断しましたが、今度はどちらも悪くありません。
配線を戻し、再度通電すると今度は電圧が正常に復帰していました。
故障原因不明のまま自然回復といったところでしょうか。
IFTについては、平成8年当時中間周波数の仕様が不明確であったため、現状の線輪に合わせ調整を行いましたが、どうも450Kcが正しいようなのでその調整をおこないました。
また、トラッキング調整についてもおこないました。
ただし、すべて6D6のみの構成のため全体性能は非力としか申せません。
とりあえず、定期点検は終了とします。

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地4号無線機受信機解説

本機は地シリーズの中で使用された陸軍航空部隊基地局の固定無線機と異なり、昭和15年に空輸挺進部隊(落下傘部隊)が創設されたことに伴い、この部隊用に使用する可搬型無線機として計画されたものである。
地1、3号の試作及び製作メーカである安立電気(アンリツ株式会社)がこの地4号無線機も試作にあたったため、地1、地3シリーズと機器構成、電気特性に類似が多く見られる。基本的には、軍の意向である近距離地上用無線機を基準に、地3号無線機をベースとして試作された。
特徴としては、送信機、受信機、空中線、発動発電機及び蓄電器を4つの落下傘の付いたファイバー製の容器に入れて飛行機から投下することが可能であった。
外観は地3号無線機とよく似ているが、使用する真空管は、全てUZ-6D6で統一されており、電気特性よりも保守性の向上を主眼とし設計されたものと思われる。
受信機の真空管の使用菅種の統一については、旧海軍がドイツを参考にした万能真空管「FM2A05A」や「ソラ」が有名であるが、旧陸軍においては、既存真空管Ut-6F7だけの受信機(飛1号無線機や4次制定の受信機等)に傾倒していつたようだが、当然のことながら電気的性能(内部雑音等)は悪化したものと推定される。
このような管種の統一の開発動向の中で、唯一UZ-6D6のみの受信機は大変珍しい存在である。
なお、地4号無線機は、大戦後期になると「ム-23」と呼称が変わっていった。

電気的特性
高周波増幅1段、中間周波1段、再生式検波、低周波増幅1段である。全てUZ-6D6で統一されている。
受信周波数帯域は、4,000Kc~20,000Kcを3個の捲線(コイルパック)で分割使用する。
  ①  4,000 ~  6,000Kc
  ②  6,000 ~  9,000Kc
  ③  9,000 ~ 20,000Kc
地3号との大きな相違としては、地3号はUt-6A7による自励発振であったが、局部発振と周波数混合を分離した他励発振とし局部発振の安定化を図っている。
検波段は、中間周波増幅の利得不足の解消とBFO回路の省略のため、再生式検波を採用している。
電源供給については、他の機種では受信機専用の電源供給されるのが普通であるが、本機では送信機から電源供給されている。なお、通常は送信機からの高圧電圧をブリーダ抵抗で分圧し受信機電圧としているが、本機では、UZ-6D6、3本を使用した真空管による電圧の分圧を行っている。当時としてはブリーダ抵抗による分圧が一般的なことであり、なぜこのような高価な真空管による分圧方式を採用したのか設計思想がよくわからない。
また、受信機のみの生産も行われたようで、この場合電源供給端子が正反対の場所に設けられている。  

機械的特性
地1号無線機をコンパクトにした形状であり、外形寸法は横32.5×高さ17.5×奥行23.0である。
捲線部は、地1号、地3号と同様に横長の形状となっている。
可搬性を考慮し、各捲線の周波数範囲を広くし、3本の捲線ですむ仕様となっている。
同調機構のメインダイヤルは、100度の目盛りがついた回転ドラムを、ウォームギアャにより回転させ3連のバリコンと連動させている。
捲線部のコイルは、全てダストコア入りでトラッキング補正は、このコアを前面パネルから調整することが可能となっている。
なお、中間周波トランスは、依然C同調となっている。
全体の部品配置としては、高周波段、中間周波段から検波段まで直線となっており、各抵抗、蓄電器は側面に配置されているため配線も合理的にできる。

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