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岩手県大槌町に派遣中の職員からの最新レポート

2013年03月08日 | こんなことがあります!

こんにちは。岩手県大槌町に災害派遣中の橋本・西田・西山です。

現在、箕面市から大槌町へは3名の職員が長期派遣されており、西田は昨年の春から、西山は夏から、橋本は秋から、それぞれ約1年間、大槌町の職員として、被災した町の復興業務を担当しています。

今日は大槌町の復興状況について、皆さんにお知らせしたいと思います。

 

 

大槌町は岩手県の沿岸南部に位置しており、平成23年3月11日の東日本大震災で被災した市町村の一つです。東西に広い町で町域は約200平方キロメートルと、箕面市の約4倍で、震災前の人口はおよそ15,000人でした。

震災でお亡くなりになられたかたや、行方不明のかたの人数は、人口のほぼ1割にもおよび、震災から2年を経過しようとする現在も400名以上のかたが行方不明のままです。

心からお悔やみ申し上げますと共に、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

さて、大槌町の中心市街地は海岸線沿いに集中しており、高さ6mほどの防波堤に守られていましたが、これを超える津波と直後に発生した大規模な火災により、ほぼ全てを失いました。

箕面市に置き換えて考えると、止々呂美や粟生、如意谷、新稲などの高台の住宅地を除き、全て被災したようなイメージです。赴任直後に大槌の景色を目の当たりにした時は、津波の威力の凄まじさに、只々愕然とするのみでした。

(高台から見下ろした大槌町の市街地、平成23年8月撮影)

 

震災からおよそ2年が過ぎ、大量にあった震災による廃棄物は集積、分別され、ほんとうに少しずつではありますが処理が進んでいます。

また、仮庁舎(役場)のある町の中心部では、被災した建物の解体が進んでいく中、仮設建物で営業を再開する店舗も増え、必要最低限の生活必需品は揃うようになりました。

しかし、未だ2,000世帯、4,600人ものかたが仮設住宅で生活していたり、大きな余震が起こるたびに避難しなければならなかったり、決して復興したとは言えない状況が続いています。

 

(震災からおよそ2年を経過した大槌町の市街地、平成25年2月撮影)

 

(震災前の大槌町の市街地、平成21年11月撮影)

 

<市街地再生に向けて>

この壊滅的な被害を受けた被災地を一日も早く復興し、被災者の皆様の生活再建を行うため、中心市街地29.7haを対象に、今回発生したクラスの津波が来ても、浸水しないように盛土した地盤を作り、従前以上に住環境を向上した住宅地を再興させる「都市再生区画整理事業」や、盛土や防潮堤整備後も、浸水する可能性がある区域の住民を、高台に造成する団地等に移転していただく「防災集団移転促進事業」や「災害公営住宅整備」等の大規模な復興まちづくり事業が急ピッチで進められています。

これらの事業を進めるためには、住民や地権者の理解や協力が必要不可欠ですが、事業の対象となる住民や地権者数が多いことや、土地所有者が全国各地に離散されている事等から、合意形成を得るのに困難な状況にあります。

しかし、我々のような応援職員が全国から集まり、地元の職員と力を合わせて、昼夜を問わず、用地交渉や計画策定、住民説明に奔走しています。


 

大槌町には、町立の小学校が5校、中学校が2校ありますが、津波と火災の被害により、このうち小学校4校、中学校1校の施設が使用できなくなりました。

現在は震災後に建設した仮設校舎で、被災した5校の児童、生徒が合同で授業を受けていますが、校舎を建設できるスペースが限られているので、十分な教室数が確保されていなかったり、体育やクラブ活動をするための運動スペースが狭かったり、子どもたちにとっては満足な環境で学ぶことができないのが現状です。

 

(5校合同で手狭な仮設校舎)

 

(被害の無かった吉里吉里中学校も、運動場には仮設住宅が建ち並んでいます。)

 

このような学習環境を改善するため、多くのかたから本当にたくさんのご支援をいただきました。

 

(防犯灯を兼ねた運動場の照明。民間テレビ局からのご支援です)

 

(低学年用の遊具。民間企業からのご支援です)

 

(増築工事中の仮設校舎。民間企業からのご支援です)

 

この他にも「日本赤十字」や「ユニセフ」、「セーブ・ザ・チルドレン」など多くのご厚意によって学校運営が支えられています。

 さて、大槌町では、被災した学校施設を施設一体型の小中一貫教育校として再建する計画になっており、平成28年度の開校を目指して準備を進めています。

今、東日本大震災の被災地で大きな問題となっている土地の確保も、地域住民のかたのご協力もあって、ようやく目処が立ち、いよいよ測量、設計といった具体的な検討に入ろうとしているところです。

【学校の再建計画】

〇安全性 津波浸水区域外であり安全であること。 

〇利便性 アクセスが容易であること。(コンパクトなまちづくり) 

〇迅速性 早期に建設できること。

〇面積確保 校舎と運動場の面積が確保できること。

 

(予定地の沢山地域) (図は、津波復興基本計画から抜粋)

 

市街地再生や学校の再建に向けて、まだまだやるべきことは山積みです。

しかし、大槌町は震災によって多くの役場職員がお亡くなりになられたため、復興業務を支えるために、これからも自治体職員の継続的な派遣が必要とされています。

私たち派遣職員は、それぞれおよそ1年間で任期を終えるため、復興半ばで被災地を離れることになりますが、一日も早い復興を目指して、残りの派遣期間も精いっぱい努めようと思います。

 


【箕面市民の皆さまへのお願い】

 

箕面市では、東日本大震災で亡くなったかた、ご遺族の皆さまに哀悼の意を表するため、3月11日(月曜日)の午後2時46分から1分間、黙とうをおこないます。

防災スピーカー(公園などの大型スピーカー)を鳴らしてお知らせしますので、市民の皆さまも、ご一緒に黙とうをお願いします。

また、復興まで長い時間がかかると思われます。箕面市でも継続して職員を長期派遣するなど支援を続けています。

市民の皆さまも、おひとりおひとりができる範囲で、被災者の皆さまを応援くださいますようお願いします。

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