箕面市役所Edubuntu日記

〜情報システム管理担当者のつぶやき〜

LTSPサーバにLANカードを増設する方法

2011-07-23 23:34:13 | Edubuntu 環境構築資料

みなさまこんばんは、箕面市役所の那谷です。

LTSPシステムを構築する際には、「1台のLTSPサーバに何台のシンクライアント端末を設置するか」に悩むところです。
サーバーの処理能力にもよるでしょうが、経験・感覚的には、端末10台ぐらいが、快適に使える目安かな、と感じています。
我々のところでは、20台ぐらいぶら下がっているところもあるのですが、それでは端末を一斉に使うと、さすがに動作がもたついてしまいます。
ところがそのような、端末がたくさん接続して反応が悪くなるような状況でも、LTSPサーバのシステムモニターを見ると、CPUやメモリは振り切っているわけではなかったりして、どうも、ボトルネックはネットワークなのではないか、と常々考えていました。

そこで、LTSPサーバに3枚目・4枚目のLANカードを増設してそのLANカードでもLTSPを動かすことで、シンクライアント端末側のネットワークをいくつかに分割したらパフォーマンスが向上しないものか、テストをしようと思っています。
その準備として、テスト環境で動作確認してみましたので、今日のエントリはその備忘録です。
なお、本件は、
http://jwalanta.blogspot.com/2010/12/load-balancing-ltsp-clients-using.html
を参考にして着想し、Ubuntu Japanese Team の吉田さんにいろいろご助言をいただきました。
いつもありがとうございます。


●【写真1】システム全容
3台のパソコンのうち、真ん中がLTSPサーバで、両脇がシンクライアント端末として起動しています。
ポイントは、左側はPCカードタイプのLANカード、右側はUSBタイプのLANカードにより、それぞれ独立したHUBにおいてLTSPが動作している、というところです。
左右の端末同士自体は、ネットワーク的には直接はつながっていないわけです。


●【写真2】左側:PCカードタイプのLANカードでLTSP動作。


●【写真3】右側:USBタイプのLANカードでLTSP動作。


概要としてはそんな感じです、では環境構築のご説明です。
前半でLTSPサーバを構築し、後半でLANカード増設に対する設定をします。

●前半(Ubuntu10.04LTSで構築しています。)
1.まず普通に eth0 をブロードバンドルーターに接続し、システムをインストールし、アップデートなども済ませます。
2.「 ltsp-sever-standalone」をインストールします。
3.「 sudo ltsp-build-client 」して、シンクライアント配布用の環境イメージを作成します。
4.「 /opt/ltsp/i386 」へ移動して、日本語環境を適用します。
前半はここまでです。

   


●後半(「 bridge-utils 」をインストールして、LANカードを増設して設定します。)
「 bridge-utils 」については、以下などをご参考に。
http://www.linuxfoundation.org/collaborate/workgroups/networking/bridge

ソフトウェア的にLANカード(eth0 などに対して、「br0」などと指定します。)を作って、それに実際のハードウェアなLANカードを結びつける、というようなことをしてくれるようです。

1.「 bridge-utils 」をインストールします。



2.PCカードタイプやUSBタイプのLANカードを適宜増設します。

3.「 /etc/network/interfaces 」に、設定を書きます。
オンボードのeth0 はひきつづきインターネット接続としてブロードバンドルータに接続し、増設した eth1 と eth2 でLTSPを動かす、という想定です。

auto lo
iface lo inet loopback

auto eth0
iface eth0 inet dhcp

iface eth1 inet manual
iface eth2 inet manual

auto br0
iface br0 inet static
 address 192.168.0.1
 netmask 255.255.255.0
 bridge_ports eth1 eth2




4.「 /etc/default/dhcp3-server 」で、dhcp を「 br0 」のみで動かすように設定します。


5.「 /etc/init/bridge-network-interface.conf 」の最後に、
 post-start script
  service dhcp3-server restart
 end script
と追記します。
前項まででいいかと思ったら、dhcp3-server の自動起動に失敗していました。
起動順として、ブリッジが構成される前にdhcp3-server を起動しようとして、失敗しているようです。
そこで、ブリッジを構成するスクリプトが実行された後に、改めてdhcp3-server を再起動してあげます。


6.IPアドレスを指定(変更)しましたので、LTSPまわりをアップデートします。
$ sudo ltsp-update-sshkeys
$ sudo ltsp-update-image


いかがでしょうか?
これで、実際にeth1、eth2 それぞれに10台ずつ、計20台ぐらいのシンクライアント端末を接続したらどうなるのか、というのを、近日検証してみたいと考えています。
続報をお楽しみに。

●追記:
これまで特に明記しておりませんでしたが、このブログの内容(本文・画像)は、すべて「 CC BY−SA 」です。

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VirtualBox 4.0 for Linux の仮想マシンの複製方法

2011-06-01 22:20:42 | ちょっと素敵なUbuntu のTips

みなさまこんばんは、箕面市役所の那谷です。
仮想マシンは本当に便利ですね。
VirtualBox のメジャーバージョンが4.0.x になって、仮想マシンのファイル形式が少し変わりました。
3.x系では、単に仮想HDDファイルがあるだけでしたが、4.0ではホームディレクトリ配下に「VirtualBox VMs」というディレクトリがあり、この中に仮想マシン名のディレクトリができて、その中に、ログが格納されるディレクトリや、仮想HDDファイルや設定ファイルなどがあります。


これにともなって、仮想マシンの複製方法も、若干コツがいるように思いますので、今日はそれをまとめておきたいと思います。
現状、私は以下の2通りを確認しています。

●方法1:コマンドで仮想HDDを複製して、新規仮想マシンに割り当てる
●方法2:汎用的な仮想マシンファイル形式であるOVF(拡張子は .ova )でエクスポート・インポートする
(この方法では、仮想HDDのファイル形式が、vdi ではなく汎用的なvmdkとなります。)


●まず方法1です。
1.まず仮想HDDをコマンドで複製します。
仮想HDD複製のコマンドオプションが、「 VBoxManage clonevdi 」から「 VBoxManage clonehd 」に変わっています。
ユーザー名がuser00 、既存仮想マシンが「aiposrv」だとして、
$ VBoxManager clonehd /home/user00/VirtualBox¥ VMs/aiposrv/aiposrv.vdi /home/user00/VirtualBox¥ VMs/aiposrv_1.vdi


2.仮想HDDファイルができています。


3.VirtualBox 上で、新規(N)ボタンを押下して、新規仮想マシン作成ウィザードを始めます。


4.仮想マシンの名前をつけ、OSのタイプを「Ubuntu」にします。
例では「 aiposrv_1 」としています。


5.仮想マシンに割り当てるメモリのサイズを指定します。


6.仮想HDDの指定で、「既存のハードディスクを使用」とし、フォルダアイコンをクリックしてファイル指定画面へ遷移します。


7.先ほど複製してできた仮想HDDファイルを指定します。


8.次へ進みます。


9.完了です。


10.このままでもいいのですが、このままだと、仮想HDDファイルが、仮想マシンディレクトリの外にあることになってちょっと気持ち悪いです。
そこで、仮想HDDファイルを、仮想マシンディレクトリの中へ移動してやります。
そうしてVirtualBox 自体を再起動すると、「仮想HDDファイルがみつからない」というエラーがでます。
このエラーを修正していきます。


11.移動させた仮想HDDファイルが、みつからないのでエラーになっています。


12.いったん「解放」してやります。


13.さらに、「除去」します。


14.複製しようとしている仮想マシンの設定を変更します。


15.「ストレージ」で「ハードディスクの追加」とします。


16.「既存のディスクを選択」を選択します。


17.「仮想マシンディレクトリ」内に移動させた、複製した仮想HDDファイルを指定します。


これで、仮想マシン一式を複製できました。


●次に方法2です。
1.「ファイル→仮想アプライアンスのエクスポート」を押下します。


2.複製したい仮想マシンを選択します。


3.エクスポートする「OVFファイル(拡張子はova)」を保存する場所を指定します。


4.少し時間がかかります。


5.ホームディレクトリ内の、ドキュメント配下にエクスポートファイルができています。


6.次に、できたエクスポートファイルをインポートしてみます。
「ファイル→仮想アプライアンスのインポート」を押下します。


7.「選択」で先ほどのファイルを指定します。


8.「ドキュメント」ディレクトリ内のovaファイルを指定します。


9.「次へ」


10.設定一覧を確認します。
仮想HDDのファイル形式が、汎用的な「vmdk」になっているのが、ちょっと違う点ですね。


11.取り込むのに少し時間がかかります。


以上で、仮想マシンの複製が完了します。

いかがでしょうか。
ご参考まで。

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「既存DHCPサーバを活かしたLTSP環境構築」は可能!?

2011-05-06 21:31:46 | ちょっと素敵なUbuntu のTips

みなさまこんばんは、箕面市役所の那谷です。

先日、コメント欄に、地方のガス会社でシステム管理をされているという方から、ご質問をいただきました。
「既存のネットワークではDHCPサーバが稼働しています。既存のDHCPサーバを活かしたままで、LTSP環境を構築したいのですが、そのようなことが可能なのでしょうか?」
とのことでした。
これは、可能なんだそうです。(私は未検証です、すみません。)

通常は「LANカードを2枚挿しにして、WAN系とLAN系(シンクライアント側)に分ける」か、「既存のDHCPサーバの方を止める」かするのですが、既存のDHCPサーバをシンクライアントにも活かしたい場合、LTSPサーバ上のDHCPデーモンを止めて、別途、「ProxyDHCP」を動かすのだそうです。
「ProxyDHCP」の実装として、「pxe-pdhcp」というソフトがあるのだそうです。

詳しくは、こちらをご参考に!
http://ameblo.jp/t-furuichi/entry-10878619268.html
(先日のOSC神戸ではお世話になりました!)

●「pxe-pdhcp」の作者さんのページ
http://d.hatena.ne.jp/viver/20080720/p2

最近、私どもの取り組みを参考にしていただいている、とのお声をちらほらといただくようになってきました。
がんばってきた甲斐があります。
ありがとうございます!!

●追記:こちらも参考に。
https://help.ubuntu.com/community/UbuntuLTSP/ProxyDHCP

https://help.ubuntu.com/community/UbuntuLTSP/LTSPWindowsDHCP

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Ubuntu 11.04 ( Natty Narwhal )でLTSP

2011-05-01 23:09:13 | Edubuntu 環境構築資料

みなさまこんばんは、箕面市役所の那谷です。
GWといえば、年に2回あるUbuntuのバージョンアップですね。
もはや恒例行事です。

さて、さっそくインターネットからダウンロードして、インストールしてみました。
LTSPサーバーを構築してみたところ、いくつか変更されていましたので、ポイントだけ。

●1.インストールされるのは以下


●2.DHCPデーモンの設定ファイルの名前が変わっています。
「 /etc/default/isc-dhcp-server 」となっています。
$ sudo vi /etc/default/
と、ここまで入力して、キーボード上の「Tab」キーを押してみてください。
補完候補として、「 /etc/default/ 」ディレクトリ配下にあるファイルが列挙されます。



●3.日本語環境にするには、「lts.conf」に設定する必要があります
私もまだ使い込んでいないのですが、一部変更されているようです。
これまでの方法では日本語化がうまくいかないようです。
とりあえず、「 /var/lib/tftpboot/ltsp/i386/lts.conf 」に「 LDM_LANGUAGE=ja_JP.UTF_8 」と書くと、日本語化することができました。


PS.コメント欄に、「地方のガス会社でシステム管理をしており、Ubuntuのシンクライアント導入を考えています。」とのコメントをいただきました。
どんなことでお困りなのでしょうか??

連絡先を教えていただければ幸いです!!

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課題に一区切りがつきましたので。

2011-03-31 22:56:52 | 日記

みなさまこんばんは、箕面市役所の那谷です。
今日は、私どものEdubuntuシステムにようやく一区切りがつきましたので、そのご報告です。
多くの方のご助力に支えられて、ようやくここまで来れました。
本当にありがとうございました。

以前、「ログの歩き方」のエントリでも触れましたとおり、私どものEdubuntuシステムは、システム環境構築時の多くの課題を克服して、現に利用してもらっているのですが、未解決の問題をひとつ抱えていました。
それは、「端末へのログイン時に、ちゃんとID・パスワード入力しているにもかかわらず、エラーになってログインができず、端末が再起動してしまうことがままある。何度か繰り返していると、最終的にはログインできるが、不便。」という現象が出る問題です。
この現象は実は導入当初からちらほらあったのですが、正直をいうと私も何をどうしていいか分からず、とりあえず我慢して使っていただいていたのでした。
われわれのシステムでは、ユーザーIDの一元管理、共有フォルダ権限の一元管理のために、「Likewise-open」というソフトを使っているのですが、それでかな?と考えて、アップデートをかけるなどしてお茶を濁していました。
ところが先日、「やっぱり調子が悪い。」との連絡があり、これはなんとか解決したい、と私も腹をくくり、設定を徹底的に見直すことにしました。

すると、ほんとにふっと気がついたのですが、システムのDNSの設定が不適切だったのではないか、と思い至りました。
実は、「念のため」と思って外部DNSサーバーのIPアドレスも登録設定していたのですが、どうもそれが良くなかったようなのです。
具体的には以下のように、

●「 /etc/resolv.conf 」において

search hogehoge.local (ドメイン名)
nameserver 192.168.xxx.11 (Active Directory の ドメインコントローラーサーバーのIPその1)
nameserver 192.168.xxx.21 (Active Directory の ドメインコントローラーサーバーのIPその2)
nameserver 172.xxx.xxx.100 (イントラ上の最上位のDNSサーバー)

としていたのですが、この、一番下の行が、余計だったようなのです。
素人考えで、上から順番に利用されるのかな、と思っていまして、仮にドメインコントローラーのDNSサービスが不調な時などに、名前解決ができるかな、ドメインコントローラーさえちゃんと動いていたら、最終行は無視されるだろう、ぐらいに思っていたのですが、どうもそうでもなかったようです。
この行を消してみますと、いま聞いている範囲では、問題の現象は起こらなくなったようです。

簡単なことなのですが、ここに気づくのは容易ではありませんでした。
人間、自分を疑うことは難しいですね・・・


ということで、システムの技術的な課題は、これで本当にすべて解消できたのではないか、と思っております。
振り返ると、このブログも、1年半ほどの間に38万ページビューを超えるアクセスをいただくなど、これまでに体験したことのないエキサイティングな取り組みとさせていただくことができました。
システムが運用期・利用期に入った今、プロジェクトの進捗をリアルタイムでお届けするという当ブログの使命は、一定程度果たせたのではないかな、と自負しております。
もちろん、オフィスソフトの操作性の違いとか、フォントの種類の不足とか、利用面・ユーザー体験の面では、まだまだ課題があるのですが、それはそれとして、ユーザーさんの可能性を信じたいところです。
つたない文章にお付き合いいただきましてありがとうございました。
とは言え今後も、私どものこのシステムにご興味のある方、導入を検討されたい方などは、ぜひご連絡をいただけたらと思います。

那谷 拝

参考:
●シンクライアントの設定について(英語)
http://doc.ubuntu.com/edubuntu/edubuntu/handbook/C/customizing-thin-client.html

●LTSPサーバーの冗長化による負荷分散について(英語)
http://doc.ubuntu.com/edubuntu/edubuntu/handbook/C/multiple-server-setup.html

●ltsp-update-image の解説(英語)
http://manpages.ubuntu.com/manpages/maverick/man8/ltsp-update-image.8.html

●lts.conf の解説(英語)
http://manpages.ubuntu.com/manpages/maverick/man5/lts.conf.5.html

PS.
コメント欄に、「大学のコンピュータ室でLTSPを運用するべく実験しているが、質問がある。」との、大変うれしいコメントをいただきました。
恐縮ですが、ちょっと情報が不足していますので、連絡先を教えていただければ幸いです!!

また、こちらがご参考にはなりませんでしょうか?
●LTSPで、デスクトップに、同一グループの他ユーザーの端末のLocalDevが表示される問題について
http://blog.goo.ne.jp/minoh_edubuntu/e/31be42c1733c9d365a0717b5212d7bff

PS2.
コメント欄に、「地方のガス会社でシステム管理をしており、Ubuntuのシンクライアント導入を考えています。」とのコメントをいただきました。連絡先を教えていただければ幸いです!!
どんなことでお困りなのでしょうか??


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