『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』(TOHOシネマズ１ヶ月フリーパスにて鑑賞の５本目＠伊丹)

『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』
監督：金子修介
出演：野村萬斎，宮迫博之，安田章大，杉咲花，木村文乃，ちすん，梶原善，
　　　嶋田久作，絲木建汰，篠原悠伸，高島豪志，風間杜夫，高畑淳子他

GW中、私は暦通りに出勤だけど、ダンナは10連休。
日頃会えない人と飲みに行くと言うので、私は仕事帰りに映画を１本鑑賞。
TOHOシネマズ伊丹にて。

お笑いコンビ“マイティーズ”の仙石和彦(野村萬斎)と丸山竜司(宮迫博之)。
仙石は、人の持ち物やその人がいた場所に残留する思念から記憶や感情を読み取る能力の持ち主。
その能力を用いた芸が話題となって人気を博すも、
見たくも聞きたくもない醜い感情を始終目の当たりにし、舞台から逃げ出してしまう。

独りになった丸山は鳴かず飛ばず、借金取りに追われて捨て鉢になり、
ずっと面倒を見てくれていた所属事務所の女社長・峠久美子(高畑淳子)からついに解雇を言い渡される。
それだけは勘弁してくれと峠に泣きついていると、
マイティーズに仕事を依頼したいという女子高生・秋山亜美(杉咲花)が現れる。

聞けば、亜美が慕うピアノ教師・沢村雪絵(木村文乃)が数日前から行方不明。
警察に届けたが真剣に取り合ってもらえず、
雪絵が大ファンだったマイティーズの力を借りたいと言うのだ。

探偵じゃあるまいし、なぜお笑い芸人が失踪女性を捜さねばならないのか。
しかも仙石はもともと人間嫌いで、無理やり舞台に出していただけ。
仙石の超能力など誰も信じてはおらず、単なる芸だと思われて、
舞台を放り出して逃げたあとは世間から詐欺師呼ばわりされている。
すっかり人間不信に陥った仙石はいまやひきこもり。手を貸すことなど絶対無理。
そう言って丸山は断るが、亜美が払うという報酬に釣られて引き受けることに。

丸山と亜美は仙石のもとを訪れるが、会うだけで一苦労。
案の定、仙石はただちにふたりを追い返すが、
亜美が仙石の部屋に忘れていった雪絵の私物に触れた瞬間、強烈な残留思念に囚われる。
放っておけなくなった仙石は、渋々ながら雪絵の捜索を開始するのだが……。

野村萬斎、いいですね。
歌舞伎だとか狂言だとかの伝統芸能に携わっている人は、とにかく話し方が美しい。
ぼそぼそしゃべるほうがリアルなのかもしれませんが、映画ですもの。
何を言っているかわからないよりもこのほうがいいでしょ。
多少大げさだと思われるしぐさや表情で楽しませてくれます。

ホラーばりに怖いシーンもあって、何度かギョッ。
かなりキワモノ的なオチに、そんなのありかよと笑いそうになりましたが、
まぁまぁよくできたミステリーではないかと思います。
雪絵がマイティーズのファンだった理由がわかる最後のシーンにはホロリ。

記憶を見るといえば、『記憶探偵と鍵のかかった少女』(2013)なんてのもありました。
これもなかなか面白かったので、併せてどうぞ。